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先生への不信感と理想の学校

「あんた、眉毛剃った?」
これは私が中学生の頃、担任の先生(女性)から言われたひとことだ。
しかも、その先生はクラスメイトの言葉をうかつに信用して、私の言い分を聞くこともせず、いきなり疑いの言葉をかけてきた。

確か前の日か、前々日かに床屋で髪を切り、ついでに顔を剃ってもらっていたのは事実だけれど、断じて眉毛は剃っていない。
月曜日、学校に到着するや否や、他所のクラスからも人気が高いクラスメイトが私の顔を見て、「お前、眉毛剃ったやろ」とひとこと言い、先生が入って来るや否や私を指さし、「あいつが眉毛を剃っている」と報告したのだ。

他のクラスメイトが数名見ている中、先生に教卓の前まで呼び出され、いきなり「あんた、眉毛剃った?」と疑われ、挙句の果てには恥までかかされた。
人気で信頼の厚い(裏の顔もあるので、私はそうは思わなかったけれど)クラスメイトの言い分を信じ、私の言い分を一切聞いてくれなかったことに心底がっかりしたことを今でも覚えている。

その出来事がすべてではないけれど、大人や周りの人をなかなか信用できなくなってしまった。
色々と助言をいただいた際には、
「本当に俺のためを思って言ってくれているのか」「嘘を言って俺をだまそうとしているんじゃないか」と疑ってしまったり、
説教されているときは「また怒ってるよ、この人」「説教している自分に酔っているんじゃないか」とか、率直に信用できないようになった。
信用できるのは結局自分だけ、そう思って、他の人をあまり寄せないようにしていた時期もかなり長かった。

結果、聞くべきアドバイスを聞かずして失敗したことも数多ある。
もし中学生のあの時にあんな経験をしなければ、きちんと呑み込めていたのかもしれないな…とか思うと、ますます腹が立ってきた。(もちろんその経験をいつまでも引きずり、切り替えられなかった自分も悪いけれど)

そもそも、事実確認をすることなく生徒に対し、「眉毛剃った?」と聞くなど、もはや教育者としての顔を疑うレベルだ。
閉鎖的な空間で、警察ですらも介入ができない、一般企業を経験していないから、おかしな考え方や固定観念が身に付いたのだろうか。
最近、学校現場の不祥事のニュースを見る度にこう思う。

公立でも、私立でも、フリースクールでも何でもよい。
1校くらい、一般企業を経験した先生しかいない学校があってもよいのではないか。
これは社会に出て働いている今、義務教育期間中にキャリアデザインなどの授業を聞いて、一般企業につとめる様々な方の話を聞いてみたかった、というのもある。
もちろん教員免許制などの問題はあるけれど、そのルールを作り直してでも一考する余地があると思う。

また、少なくとも僕は「私は一般企業を経験したとき、こんなことで痛い目にあったから、せめて○○はちゃんとしておいた方がいい」みたいな指導の方が入ってきやすい。
正直、社会人の経験がない先生に「それが学校のルールだから」と、ルールがある理由を説明できないのに一方的に押さえつけられる指導をされることは、はっきり言って理解できない。

中学校を卒業してかなり経ったけど、今思い出しても腹が立つ。
その後その先生がどうなったかは知る由もないけれど、不適切な指導で生徒を潰していないか、そうでないことを祈るばかりである。

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