ダイアトニックコードってなに?(2)
ダイアトニックコードの話の続きです。今回も非ミュージシャンにも伝わるように書いていくつもりです。まだ怪しいよ、って人はもう一度こちらで復習しておきましょう。
<HORIZON ZERO DAWN>
<平行世界>
実は前回の内容ではキーをCに限定してお話しをしていました。
ピアノを前にしてドレミファソラシドを弾いてください、と言われたらきっと真ん中のCの音から始める人が大多数でしょう。
でもドレミファソラシドは実は他の音からも始められるんですよ。
日本発祥の国民的文化カラオケってありますよね。
あれでキー変えたりするじゃないですか。キーを変えたときって一体何が起こっているんでしょうか?メロディの流れとかは同じだけど全体的に下がったり上がったりしますよね。グイーン↗︎とかギーウィ↘︎とかそんな感じで。
とか
ジャーン(ピアノ) ドレミファソファミレドー(うた)
ジャーン↗︎(ピアノ) ドレミファソファミレドー(うた) ←半音上がった
ジャーン↗︎(ピアノ) ドレミファソファミレドー(うた) ←更に半音上がった
みたいなボイトレシーン見たことありますか?
あれです。
実はドレミファソラシドは各キーで歌えるわけなんです!
全体をごっそりそのまま平行移動すればそのまま歌えるわけなんですね。
J-POPが大好きな転調も同じ原理です!
勘のいい方はもうお気づきかと思いますが、このごっそりそのまま平行移動がコードにおいてもできるわけなんです。
実際にコードでやってみる前にまず平行移動したドレミファソラシドから確認してみましょう。
<C線上のアリア>
キーを変えてゴッツリ平行移動する前にもう一度ピアノの白鍵だけを弾いて奏でられるドレミファソラシドを確認してみましょう。これはCから始まるのでキーはCです。日本語だとハ長調です。
ド(C)の音から低い順に弾いていったときに疑いもなくレ(D)の音を弾いてしまうのは音楽教育が行き届いている証拠かもしれません。
でも低い順に弾いていったら次に低いのはド(C)の斜め上の黒鍵、ド#(C#)です。ピアノという楽器はCから始まるドレミファソラシドが弾きやすいようにできています。異論はあるかもしれませんが。
小学生の時に白いとこだけ歩く遊びしませんでしたか?あれ令和の現在でも健在だと思うんですが。
生理的に白いとこを弾きやすいようにできています。この辺は歴史を紐解くと面白そうです。
ギターなどの弦楽器が半音ずつフレットで区切られているのとは全然違いますね。
ともかく大事なことは
ドレミファソラシドという音階(音の並び)は間に存在する音を飛ばしたり飛ばさなかったりして弾いている
ということなんです。
飛ばさなかったり?そう飛ばさないこともあります。
ミとファの間には黒鍵がありません。シとドの間にもありません。
1つ音を飛ばしているときその2つの音の間は1音(全音)離れています。
ミとファ、シとドの間以外は全部間に黒鍵が挟まっており、1音離れています。
ミとファ、シとドの間は半音離れています。間に挟まってる方が多いのでこっちを基準として「1」音とし、少ない方を「半」音としていると考えていいと思います。
「てやんでい!早く平行移動しやがれってんだ!」
「合点承知之助!」
<G線上のアリア>
キーをGにしてみましょう。ソ(G)の音から始まるドレミです。
Gの音からドレミを弾いてみると、最初はキーCのときと同じように黒鍵を飛ばして白鍵だけを弾いていけば、自動的にドレミの音階になるようになっています。
1音、1音、半音、1音、1音、1o…
Eとその隣のFの音との間には黒鍵がありません!そのままFの音を弾くとドレミファソラ「シ」ドにならなああいぃぃ!!!!!
半音あげましょ。
F→F#
これでラと「シ」の間隔(EとF#の間)が1音になりなおかつシとドの間隔(F#とGの間)も半音になり、無事ドレミファソラシドの響きになりました!
88888888888888888888888888888
(なお絶対音感がある人としては平行移動した、いわゆる移動ドに違和感がある人もいるとかいないとか。僕も子供の頃は絶対音感あったらしいんですが、今は不完全な相対音感が残っているのみです…泣)
<keyGのダイアトニックコード>
回り道をしましたが、これでkeyCのダイアトニックコードをコッソリそのまま平行移動したkeyGのダイアトニックコードが難なく受け入れられるはずです!
キーCのときと同様一つ飛ばしで音を積んでいけばいいですね!
下に答えがありますが、どういう風に音が積まれるか考えてみましょう。
こんな風になります↓
G B D → G(Gメジャー)
A C E → Am(Aマイナー)
B D F# → Bm(Bマイナー)
C E G → C(Cメジャー)
D F# A → D(Dメジャー)
E G B → Em(Eマイナー)
F# A C → F#m♭5(F#マイナーフラット5)
キーCからの変更点はF#だけだったので、コードの顔ぶれもかなりかぶっています。(キーCのダイアトニックコードはC,Dm,Em,F,G,Am,Bm♭5)
でも実は更に注目してほしい類似点があります。
key C: C Dm Em F G Am Bm♭5
key G: G Am Bm C D Em F#m♭5
そうなんです。キーが変わってもコードタイプの並びは同じなんです。
メジャー → マイナー → マイナー → メジャー → メジャー → マイナー → マイナーフラット5
1オクターブどのキーでもこの法則は健在です。
シッポリ平行移動できてますね…。キーが変わってもドレミファソラシドの相対的な距離感(音と音の間隔)は変わっていないので、コードの並び方が変わっていないんです。
さて「なーるほどー…へえ…
でだから何?」てなってるあなたの声が聞こえます。
これがいったい何の役に立つんだよ。と。
<ダイアトニックコードを学ぶメリット>
ダイアトニックコードがわかると以下のような利点があります。
曲の構造を把握しやすくなる
転調/移調に対応できるようになる
曲の展開の予想がつきやすくなる
曲が作りやすくなる
一つずつ見ていきます。
<曲の構造を把握しやすくなる>
コード進行は曲の構造の一つとなるものです。繋がりのわからない音の連なりとしてしか捉えられないと構造の把握は難しいですよね。意味がわからないまま外国語の文を覚えるようなものです。暗号を暗号のまま覚えるようなものです。
また別の記事にまとめますが、ダイアトニックコードを更に簡略化して覚えることによって、コード進行の観点から見たときに曲の構造をかなり簡略化して覚えることができます。
<転調・移調に対応しやすい>
F G Am(ファラソ)というコード進行とC D Em(移動ドでファラソ)というコード進行が平行移動したものであることがわかるようになれば、転調や移調にもすぐに対応できるようになります。
<曲の展開の予想がつきやすくなる>
ダイアトニックコードを覚えると曲の構造がわかり、2個くらいコード進行を聞くと次のコード進行の予想がつきやすくなります。ただこれについても、定番のコード進行を知っておく必要があります。その際にも、ダイアトニックコードを知っておくと理解度が段違いです。
<曲が作りやすくなる>
アコースティックな楽器を弾くにしても、デジタルな楽器を弾くにしても、感覚的にコードを探して自分の中で気持ちいいコード進行にしていくのは骨が折れます。あれでもこれでもないと弾いていく試行錯誤の過程も楽しいのですが、それもある一定のガイドラインがないと辛いのでは。ダイアトニックコードの知識があることで、調性のはっきりした曲展開を比較的容易に作ることができます。
一方でダイアトニックコードを知ることによるデメリットなんてのもあったりなかったり…?
長くなりましたのでその話はまた次回!
読んでいただきありがとうございました!
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