観光誘致をするなら行政は徹底しろ
私の親族のほとんどは九州。
福岡県北九州市門司区の親族のところへ行ったときの話だ。
子どもの頃から何度も言っている門司港。
昔から観光地として人気の場所だったが、近年は海外からも多くの人が訪れたり、さらに盛り上がっているように思う。
久しぶりに、親族と一緒に旧門司駅周辺をぷらぷらした。
昭和6年に建てられた三宜楼や、国の重要文化財である旧門司三井倶楽部を見学。
久しぶりに行くと見応えがある。
親族が、栄町の商店街(市場)で野菜を買って帰るというのでついて行った。
門司港駅からも徒歩10分ほどで、地元の八百屋店などが立ち並んでいる。
年々廃れていってはいるが、昭和レトロな雰囲気もあって、観光マップにものっている観光客が訪れるスポットにもなっている。
日頃からこの商店街で野菜を買い慣れている親族は、キャベツはあの八百屋、玉ねぎはあっちの八百屋、と決めているようで、さっさと進んでいく。
私は後ろをしっかりとついて行った。
親族が、いつものお店でキャベツを購入しようとする。
「今日はダメ。キャベツは売り物じゃない。」
野菜を売っているお婆さんが言う。
親族が驚く。
どう考えても、売るために店頭に並べられている野菜たち。
「じゃあ玉ねぎは?」
「売らん」
「・・・」
絶句。
商店街に立ち並ぶ八百屋さんのほぼ全てに断られた。
親族曰く、普段見たことのない私(=よそ者)がいるから、売らないらしい。地元の爺婆たちはたまにそういうことをするのだそうだ。
私からすると、劣化消耗の早い生鮮食品を買いたい顧客を前にして客を選ぶ行為は、全く合理的ではない。理解に苦しむ。
だが田舎では、よそ者には売らんというわけのわからない理屈でやっている。
商店街に立ち並ぶ八百屋も、競合であり連帯しているらしい。
なのでボス的な人が「この客には売らん」という態度を示すと、周りもそれにならうのだとか。
実にくだらん。
この件で私が一番憤りを感じたのは、地元の人だけが訪れる市場ではなく、観光地である場所でこのくだらん出来事が起きたことだ。
門司港は立派な観光地であり、商店街は観光マップにも載っているようなスポット。
行政は、観光地にしたいのであれば、地元の商売人の理解もきちんと得て、さらに対応も確認・指導したほうがいいのではないか。
行政の責任が大きい。
子どもの頃から門司港は大好きな場所だったが、非常に不愉快な気分を味わったおかげで、これから先あまり行く気にはならないだろう。
今までは知人にも門司港をお勧めすることも多かったが、もう言いづらい。
これが、観光地化を一方的に進めた行政と、観光地化なんてしったこっちゃない地元の爺婆たちが生み出す観光地の実態であり現実なのか。
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