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ITスタートアップに飛び込んでからの1年を振り返って

はじめに

うなむねと申します。現在、ソフトウェアエンジニアとしてワスド株式会社(WASD Inc.)という会社に勤めており、店舗においてお客様によるスタッフの呼び出しを効率化するSaaS「デジちゃいむ」の開発、運営を行っております。

前職は地方公務員という全くの畑違いの業種であり、先輩エンジニアの方々に追いつけるよう、日々業務に取り組んでいます。転職した経緯等については、拙文をご笑覧ください。

昨年10月に入社しましたので、この業界に飛び込んでから1年が経ったことになります。転職当時、環境が大きく変化することはもちろん覚悟していましたが、ここまでを振り返ってみるとまさに激動の1年だったと感じています。ちょうど2021年も終わりなので、節目として、このnoteを書き記すこととしました。

たまごからひよこになるために

今でこそ役員と社員合わせて15名、インターンやアルバイト、業務委託の方を含めると30名近い規模となっていますが、入社した2020年10月当時は役員に社員1名のみという体制で、創業後に初めて正社員として入社したのが私でした。

(ちなみに、全くの同日、同ポジションで入社したmako_jii君も、転職1年に際してnoteを書いております。是非ご覧ください。)

サービスとしてのデジちゃいむも、2020年8月に正式リリースされたばかりで、呼び出しボタンの代替となるサービスとしてのコア機能ができた、というような状況でした。

技術的な話をすると、デジちゃいむは React(React Native, Next.js) + TypeScript + GraphQL + Hasura といった技術スタックを採用しています。入社に際して、Full stack openなどで、Reactを使ったWEBサービスの開発技術のキャッチアップを行っており、多少の知識は持ち合わせていました。

とはいえ、学生時代にネイティブアプリ開発のアルバイトをしていた経験があることもあり、(特にチームとしての)ソフトウェア開発は実務経験に依るところが大きいと感じていました。ですから、とにかく手を動かして、前のめりの姿勢でデジちゃいむの開発に取り組みました。

結果、転職してからの最初の約半年間は、デジちゃいむを単なる呼び出しサービスから店舗の接客やオペレーションを包括的に支援するサービスにするための機能開発が大きく進んだ時期でした。今振り返ると、このときの経験のおかげで、一気に技術力を身につけられることができたのだと思います。

(入社から半年経った頃書いたnote)

ひよこから一歩を踏み出すために

手を動かしてサービスを作るのと並行して、2021年の年明けからインターンの方のメンターを担当するようになったのを皮切りに、徐々にチームのマネジメントを意識するようになりました。

特に大きく状況が変わったのが、ビジネスチームにメンバーが一気に増えた2021年4月頃です。スクラム開発におけるスプリントレビューの運営やプロダクトバックログの管理において、それまで開発チーム側はCTOが中心となって行っていましたが、この頃より私が役割を担うこととなりました。

(余談ですが、社内ではプロダクトバックログのことを「欲しいものリスト」、略して「干し芋」と表すことがよくあります。さらには、これを受けてプロダクトバックログリファインメントのことを「芋煮会」、月イチの周期で干し芋の棚卸しを時間をかけて行う芋煮会のことを「長芋」もしくは「ポテロング」と非常にハイコンテクストな名前で呼んでいます。こういう遊び心があるのも弊社ならではだと思います。)

それまでは、そのうちマネジメントをやることになるかもしれない、とぼんやり考えていた程度でしたが、明確な役割を任されたことで、自らの進むべきポジションとしてマネジメントを具体的に意識するようになりました。

前職においては、部下はおろか直属の後輩すらできたことのない立場でした。ですから、この時期以降は、手を動かすのに加えてチームのマネジメントも担当するプレイングマネージャーとしてどうやって立ち回っていくかということを考えていくことになりました。

今でも試行錯誤は続いています。例えば、同じような立場のひとは誰しもが経験することだと思いますが、マネジメントを意識しすぎて自分が手を動かす量が減ってしまったりといったこともありました。それでも、来年から正式にマネージャーのポジションになることもあり、名実ともにプレイングマネージャーになるべく、自分がすべきことは何なのかということを考え続けていきたいと思います。

(この頃読んでいた本。スケールさせることを最優先に、時には効率すら犠牲にするという観点は目から鱗でした。)

自分にしかできないことをするために

2021年は本業以外にも、副業としてプロゲーマーをやることになったのが大きなイベントでした。長年続けていたゲームという趣味に対して評価していただき、自分の名前が残るような形で貢献できたことがとてもうれしかったです。

ただ、本業へなるべく影響が出ないようにしようとは心がけていたものの、やはりゼロというわけには行きませんでした。例えば、シーズン中は平日もゲームセンターで閉店まで練習することを続けており、体力的に不安な中で日中働くこともありました。

しかし、他の会社にはない大きな特徴が弊社にはあります。それは、同じくプロゲーマーの立場である社員が多く在籍しているということです。

私自身、プロゲーマーに限らず副業を持つということ自体初めての経験でしたので不安もありましたが、その中でも同じ立場の人間が身近にいるというのは大変心強かったです。

結果的に、かつてぼんやり描いていた夢であったソフトウェアエンジニアでありつつ、趣味でも羽ばたくことができました。自分にしかできないことができているという実感があることは、普段の生活の中でも大きな自信になりました。

おわりに

この1年は、ソフトウェアエンジニアとしても全力で仕事に取り組み、趣味の面でも形に残すことができた、公私ともに非常に充実したものでした。また、1年を通じて今まででは考えられないくらい多くの方に支えていただきました。この場を借りて御礼申し上げます。

地方公務員という立場をやめてスタートアップに転職することは、当然リスクのあることです。しかし、この会社で頑張れば、少なくとも自分で食べていけるくらいの実力を持ったソフトウェアエンジニアにはなれるという確信がありました。もちろんある種の生存者バイアスがあることとは思いますが、私としては最大限リスクヘッジをした上で飛び込んだつもりです。

弊社は1月28日を以て設立2周年を迎えます。会社を押し上げていけるよう、またソフトウェアエンジニアとしても一回り大きくなれるよう、来年も趣味に仕事に全力で取り組みたいと思います。

ここまでお読みいただき、ありがとうございます。来年もどうぞよろしくお願いいたします。

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