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YAMI大第2回レポート:【”お金が神”に負けてられない】飽和した資本主義の盲点を議論!

12月11日、夜20時からYAMI大 U-35くらい学部、第2回オンラインイベントが開催されました!

今回のテーマは「資本主義」です。

YAMI大って何?という方はこちらへどうぞ。
【YAMI大公式サイト】
https://www.yami-dai.space/
【U-35くらい学部公式ウェブサイト】
https://yami-dai-u35.jimdosite.com/
※ここに書いてはいませんが学部長、吉原海(KAI Yoshihara/♀)は中央大学法学部政治学科卒。政治学はもちろん、NPO/NGO、ジェンダー論まで幅広く学んだ人です。卒業後はCanada、NewZealandでワーホリしたり、山小屋とかOLとか、とにかくいろいろやった人です。
今回で私(書記係)も初めて知ったのだが記者になりたかったらしい。←納得。
(写真:Canadian Rockie)

//第2回オンラインイベントはこうして行われました//

【時間・参加人数】
12月11日(金)午後20:00~21:30(日本時間、@Zoom)
●日本全国4名+台湾1名+録画参加3名(台湾・南米・日本)

【プログラム】
①学部長挨拶

②学部長よる「資本主義」おさらい
事前に配布されていた、
#D2021 企画 Vol.5 Dialogue 「さよなら資本主義 # 1歴史篇 」
というYoutube配信動画を学部長がクイックReview。
動画は下にいくと見られます。
大学の講義レベルに難しい内容ですが、これまでYAMI大 U-35で話してきた働き方の問題やコロナで露呈した根本的な社会政治問題が資本主義にあると学部長は着眼!
みんなも気楽に肩の力を抜いて観てみてね!

③対話ー資本主義はもう限界!ツライ現実とその先にある展望をシェアー
正直もうしんどい…。働けど働けど、暮らせど暮らせど何かがしんどい。
何がしんどいんだろう?何が私たちを苦しめているんだろう?
金がない、時間がない、心はどんどんすり減ってる…コロナで見えてきた、今まで見えなかった見えざる敵、資本主義というシステムの限界、解体を自分の生活から視野を広げてシェアし合いました。

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//<学部長による資本主義おさらい>#D2021 企画 Vol.5 Dialogue 「さよなら資本主義 # 1歴史篇 」より//

こちらがあらかじめ紹介されていた動画です。

★学部長による要約★

資本主義とはお金を神様に据えた宗教。
大昔、貨幣とは石や貝殻だった。
それが種になったとき、収穫されて何倍にもなる種から”利子”という概念が生まれた。収穫して増えた分が利子となって蓄積可能となった。
これに対し、生命を増やして人類がそこに介入・独占することは神への冒涜だと当時のキリスト教が反対したが、当時権力を持っていた商人に抗うことはできず利子はお金や株となり現代まで拡大し続けた。

世界史(西洋史)は蒐集、拡大、征服といった方法で”増やす”ことを目的として拡大した歴史である。この発想に、明日食べるものの貯えがないと不安という人間の心理が結びついていき、資本主義はグローバルな概念へと移行した。

資本は利潤(利子)を生むという前提がある。つまり投資がないと回らない。
現代は消費しきれないほどあらゆるモノが生産されている。例えば日本で服は年間40億着生産されているうち20着は廃棄状態。これ以上モノを増やすことはできない、投資先がない現代の資本主義は、仕組みとしてもはや破綻。

世界で有数の投資家はもともとはギャングだったという話。
「努力しているのに億万長者になれない!」
と労働者階級が不満を訴えるのに対し、彼ら自身がこの考えは過ちだと指摘している。資本主義により格差は拡大するのは当然だし、従業員を減らすことにより社長や会社など一部の人が利益を独占し、その他の人々には分配できない仕組みになっている。経済が悪い、生産性が悪い、という問題ではなく、今の資本主義の仕組みを採用している以上こうしたひずみは起こりうる。

そんなことを考えていたとき、イギリスがファイザー社ワクチンの緊急使用を許可した。ワクチンは1本1万円。全国民に売ったら莫大な金額が製薬会社に入る。病気も1つのサービスになっている皮肉。モノの飽和したこの時代にワクチンは格好の投資先とも考えられる。病気が資本主義を支えているという激しい皮肉が起こっている。

ただ、私たちはメディアや広告から「こうあるべき」という価値観をなんとなく押し付けられていて、それによって幸福の形を決められている。誰かが決めた幸福にそって、消費、労働、生活形態を決めているのではないだろうか…?

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//<対話45分>資本主義はもう限界!ツライ現実とその先にある展望をシェア//

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★Topic1:学部長より「率直に資本主義の動画を見てどう思った?」

①切り込み隊長A子
自分の地元の、地域社会が機能して野菜や商いの物々交換が成り立っていた子供のころの田舎暮らしが懐かしくなった。実家は年収200万円以下だったと思う。それなのに一戸建てを建てられたのはなぜ?
そして農業や酪農、漁業で成り立っていた町が1番恐れていたのは台風や日照りだった。

⇒(みんなの反応)
資本主義の天敵は物々交換。「あげるよ」「もらうよ」だと時価総額も増えないしGDPも増えないし。
⇒(学部長のコメント)
利益、ものに何かつけるということが何かおかしかったんじゃないか?
どっちかだけが増える。どっちかが増えた時点で平等ではない。「お金って増えて当然」という仕組みがおかしい。
資本主義は不安と結びついている。来年収穫できなかったら困る、死の恐怖、失敗の恐怖から逃れる…そういうネガティブな理由からお金はできているのかもしれない。そりゃハッピーにならないよね。資本主義はパーフェクトな仕組みじゃない。しんどいなら新しい仕組みを修正考えたり、修正したりしていいんじゃないかな?
親世代はそれで満足度が高かったけど、時間も経過して資本主義の負の側面が大きくなっている。

②縁の下の力持ちことIT&マーケティングボーイBくん

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なぜ資本主義が大きくなったかは、やはり”便利だった”から。お金でやっていることを物々交換で全部やるのは大変なわけで、富を増やそうとしたら資本主義という仕組みに乗っかるのが手っ取り早かった。
ただもうこれ以上富増やしてどうすんの?資本主義の役目は終わった。

⇒(学部長のコメント)
富って何?
前回録画参加してくれたLEOくんは、”豊かさ”はお金ではなく”自分の好きなことができること、好きな場所にいられること、それを現実に作っていくこと”と考えていた。
「富=財産」とすれば、それはすでに何かと交換可能なものになっている。それは果たして本当の豊かさといえるのか…?
資本主義のyoutube動画の中で、視聴者から『人間の成長欲求は自然な欲求だとも思うがそれは抑える必要があるのか?』と質問が出ていた。学者の回答は『13世紀まで人間は成長しなかった。成長や競争はそもそも人にあるものではなかった』と言っているのを聞いて安心した。
もう他人と競わなくていいんだ、って。

③超激務!噂のエッセンシャルワーカーCちゃん(今回対話に初参加、感動!)

今の仕事は給料も高くないし拘束時間も長い。毎日社会の歯車として消費されている感覚がある。1人の人間というよりコマだと感じる。
体力労働で男性がいたほうがいいと思うけど、賃金が低くて現状は不向き。この職業に女性が多いのもそのせい。
最近の若い子は投票に行ってない。労働時間や学習時間が長いと、政治に関心を持つ余裕がないのかも?時間をやりくりしながらニュース観て勉強して政治に関心を持つのは難しいかもしれない。
投資先がないときに製薬会社があるという発想は、飛躍すれば、資本主義は戦争まで正当化していくのでは?現状すでにそういう側面がある。

⇒(みんなの反応)
エッセンシャルワーカーCちゃんの生々しく説得力ある返答に一同言葉が出なかった。
東京タワーもレインボーブリッジもずっと青に点灯しとけ!!!!!!←書記係の心の声

④初登場!台湾ネイティブDくん(日本語、漢字、英語が入り交じる、パンデミックに国境はない!これぞ対話じゃああ!)

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(台湾から参加してくださいました♪感謝♪)

台湾でも仕事環境は変わりつつある。いい点も悪い点もあり、説明するのはかなり複雑。2020年は政治・経済双方考えることが多い。
台湾のコロナ政策は成功している。コロナは中国から来たウィルスで、2020年の春節で中国の人は世界中を観光していた。台湾には2つの政党があり1つは国民党(対中接近派)、もう1つは民進党(対中警戒派)。
春節の時期に民進党選挙があり、中国からの訪問者は諸外国に比べて少なかった。そうした政治的背景でコロナが広がらなかったのもひとつ。

⇒(みんなの反応)
国が違うというだけでなんか勉強になるという心地よさがある。パンデミックは世界共通の議題だよね。
コロナ禍の仕事の大変さ、ステイホームの辛さは共通トピック。
⇒(学部長のコメント)
ニュージーランドなど同じでコロナ対策は成功している。小さい島で小さい人口。オーストラリアなどの大きな国より対策を講じやすいのでは?

★Topic2:学部長より「じゃあみんな、どうだったらハッピーだと思う?」

①切り込み隊長A子
そこで安直に「カネがあったらいいな」と思ってしまう自分を卑しいと思ってしまった。金があったら楽ができる、ご飯や家賃のために働かなくていいとのイメージが強くて、洗脳並みに思ってしまう。
心理学ではストレス解消は消費と創造の2つがある。消費でストレス解消するのは不健康?

⇒(学部長のコメント)
わからないでもない。コロナが始まって休業要請後、お給料、お金がないことのストレスはすごかった。生活の安定は生命と直結する。それが今は、お金=生活費=安心=労働しなくていい、と繋がっていっている。卑しいというより、今は仕組み上そうなるよね。今富がMAXあるのに、お金がない人が生まれるのも変。
確かに消費することには喜びがあって、いいもの食べたい、この服ほしいという欲求はある。それがさっきの物々交換みたいに”自分の与えられるもので手に入ることができればいいわけ”で、そこにお金がはさまってるからめんどくさくなる。食べ物が欲しいときに、(賃金を挟まずに)食べ物分だけ働けばスムーズ。さっきCちゃんが言ってくれたように、ただ歯車になって消耗するだけの労働はしたくない。そこに資本主義の欠陥が見える。
資本主義の仕組みに沿って考えたら、趣味(創造)を付加価値としてお金がついたら永遠にやれるよね。それができたら最高じゃね?
例えば今もヨガにを素晴らしいと思って、1万円払おうと思ったら払ってもいい。資本主義という仕組みにのっとれば感動や創造にお金の付加価値、価値を作り出すことはできそうな気がする。
仕事は苦しい、我慢すべき、と無意識に賛成して信じ続けている仕組みは苦しい!

②縁の下の力持ちことIT&マーケティングボーイBくん

お金と幸せ(well-being)の話をすると、収入が増えると幸せは増える…ただし一定水準まで。
アメリカでは年収約6万ドルを超えるとそれ以上収入増えても幸せ(well-being度)は変わらない。日本はそれより低いはず。収入が増えたら選択肢は増えるかもしれないけど、それ以上貯めこんでも仕方ないんじゃない?
自分はあんま理想を持たないかな。場当たりで、今もうまくまわってるから、いっかって思ってる。生活水準は無駄に上げないようにしてる。
例えば1年経って昇給したとしてもいいところに住もうと考えない。作戦的なのもあるし、もともと物欲がないタイプっていうのもあるかな。

⇒(学部長のコメント)
収入が低くても幸せな国は多いよね。都市部でない地元も、物々交換でそういう幸福度はあるのかもしれない。

③超激務!噂のエッセンシャルワーカーCちゃん

お金より時間が欲しい。今日のZoomの時間もそうだし、勉強の時間、趣味の時間も作りたい。今転職を考えている。今の職場で5万10万給料アップしてもやらないと思う。どんどん体力だけがすり減っている。
お金の使い方にはその人の価値観が出ると思うんだけど、自分はあまりお金を使うのが得意じゃない。
もし時間があってお金の心配がなかったら、勉強がしたい。留学したい。

⇒(学部長のコメント)
「生活水準を上げる」はひとりひとり違うのに、なんとなくが均一にふわっと決められている。港区のタワマンに住むなど。だからキツイのではないか?それが自分でコントロールできないところで決められている。
⇒(みんなの反応)
「少しを欲して足るを知る」が大事だよね。上見ても比較してもしんどい。
上か下かの物差しは、自分の物差し、他人社会の物差しを使うのか?の話。何の物差しを使うのがポイントで、好きなほうを選べばいいんだけど、市場価値で選ぶというのは社会の物差しを選ぶということだね。

④初登場!台湾ネイティブDくん

自分は動物が好きだから、動物園で働いたり動物病院で働いたりしたい。お金は何かにつけて問題になるけど、仕事にはパッションが必要。好きなことをやるのが一番じゃないかな。
永遠の常識なんてないし、常識はいつでも変わる。世界中にいろんな常識がある。コロナの今は、まさに常識が変わる時期。

⇒(学部長のコメント)
大学生で就活をしていたとき何をしたいのかわからなかった。好きな旅行のために必要なお金を得られるための仕事、といった考えしかなかった。それはとても寂しいことかもしれない。やりたいことをやるために別のところで我慢をするという、すごく遠回りな発想をしていたと思う。
やりたいことを100%できるのがいいよね。やりたいことができてないのが不自然じゃない?今そういうことにまず立たなければいけないのでは?
常識を変えていくのに私たちはまだまだ十分ヤングだ!

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//学部長からの〆//

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究極、幸せになりたいってことが『コモンセンス』だよね。
でもこの5人ですら自分の考える幸せの形って違ってた。それぞれがそれぞれに、その幸せを達成できるような社会をこれから作っていくべきだと思う。

今日の議題は重かったけど、なんだか最後はみんな笑顔で終われてよかった!

【お問い合わせ先】
◎YAMI大 U-35くらい学部
参加費無料。まじめに楽しくがモットー♪
学部へのご質問、お問い合わせ、見学希望の方は下記よりご連絡ください♪
u35.yamidai☆gmail.com (☆→@)
公式ウェブサイトはこちらです。​


-書記係からのコバナシー

わたくしの夫は資本主義の申し子です(爆)
職歴より車歴を言うほうが早いでしょう。
フェアリディZ⇒BMW⇒ベンツ。
資本主義はパートナーシップにさえ格差をもたらすモンスターです(うちだけかもしれんけどな)。
昔、夫婦ゲンカでこう言われたことがありました。
「俺に意見したいなら俺より稼いでから言え!」
…チーンΣ( ̄ロ ̄lll)

最近彼を見ていると辛くなります。
お金で自分を計っているのって辛くないのかな。
急に病気やけがで働けなくなったらどうなるの?
人はみんな死に至る病を持っているよ?
平等に老いていくよ?
そうなったら、あなたの価値は暴落するの?

そう思ってほしくないと思ってこの対話後、「こんなことを話したよ」的にチラリと報告みたけれど、やっぱりピンときていないようだった。
その後ため息をついてWar wor tonight(つづり忘れた)と歌う生活に戻っていった(古)。

隣でハムスターが回し車の中をカラカラ回ってた。
うん、君たち二人は似てる、色白なところまで似てる。
籠の中で育ったら、籠の外に出るほうが、怖いんだよな。

記録・文責:F.MIKITY


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