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今の時代
生まれ育った家や
子供の頃の思い出のつまった家が
大人になっても残っていることは
当たり前じゃないんだ。

私自身の実家はもう無いけど
唯一ずっとずっとあり続けてくれたのが
おじいちゃんとおばあちゃんの家でした。

しょっちゅう遊びに行ったし
夏休みには何泊もして。

広くて暗くてひんやりした
この立派な日本家屋は
私をはじめ子供たちにとっての
まさにワンダーランドでした。

老朽化するにつれて
維持が大変そうだったけど
この家を作り守って来た
おじいちゃんとおばあちゃんが亡くなるまで
頑張ってくれました。

いつか無くなると知って
私なりの方法で形に残したのが
2022年に発表したWedding Artです。

間に合って
本当によかったなぁ。

そしてそれから1年半
この度ついに取り壊しが完了しました。

親戚が送ってくれる写真を見るだけでも
心がぎゅっと苦しくなるのだから
実際にその場で過程を見守っている人たちは
もっともっと辛いだろうな。

台所
もうこんなに何も無いのに
どうしてもおばあちゃんの後ろ姿が
鮮明に思い浮かぶ。

ひいおばあちゃんが
いつも隣に座ってた私に
おかずのお芋をくれたっけな。

こたつの部屋
おじいちゃんに「来たよ〜!」と声をかけると
応接間や和室に出て来てくれて
みんなでお茶をしたね。

私たちも猫たちも走り回った廊下。

玄関
なんかもう信じられない光景だけど
いまを生きるみんなにとっての
新しい希望の始まり。

そんな大切な家の前で
私がちびっこの頃に撮ってもらった写真。

まだ弟もいとこたちも生まれる前で
私が大人たちの愛を独り占めしてた頃です。

形はなくなっても
ここで育まれたもの全部
ずっと私の中にあるから
ありったけのありがとうを込めて
さよならしたい。

人が人のための場所を作り
それを壊して
また新しい人のための場所を作る。

その切なくも美しい過程を見せてくれて
本当にありがとう
お疲れさま
おじいちゃんとおばあちゃんの家!

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