6/18/’23「熊谷悠一アワー」(渋谷のラジオ)プレイリスト
【Tracklist】
The Temptations “Papa Was a Rolling Stone” (1972)『The Definitive Collection』(2008)
Oreka TX “Herrenka”『Koklea』(2019)
Jenny Lewis “Cherry Baby”『Joy’All』(2023)
Jason Isbell and the 400 Unit “Save the World”『Weathervanes』(2023)
Jess Williamson “Hunter”『Time Ain't Accidental』(2023)
Dudu Tassa & Jonny Greenwood “Ahibak (feat. Safae Essafi)”『Jarak Qaribak』(2023)
Cécile McLorin Salvant “Doudou”『Mélusine』(2023)
Glenn Gould “Goldberg Variations, BWV 988 : Aria”『Bach•The Goldberg Variations』(1982)
エンディング曲
Glenn Gould “Goldberg Variations, BWV 988 : Variatio 9 a 1 Clav. Canone Alla Terza”『Bach•The Goldberg Variations』(1982)
放送後記
今週はライヴのお知らせが二つ。
まず「Peter Barakan‘s LIVE MAGIC! 2023」については、この先も継続的に触れる予定。
ひとまず日程と、第一弾の出演者が今のところ発表されています。
日程:10/21(土) ・22(日)
会場:恵比寿 ザ・ガーデンホール & ザ・ガーデンルーム
もう一つの公演は、さらなる飛躍を見せているCécile Mclorin Salvantで、ピアニストのSullivan Fortnerと共に来日します。
6.27 tue., 6.28 wed.
丸の内コットンクラブ
さて、今週取り上げた新作は4枚。
どれも大変な充実作。
それぞれ、放送でかけたものとは別の推薦曲を貼っていきます。
まずJenny Lewis (ジェニー・ルイス)は少し久しぶりの5枚目。
ラテン風味の打楽器とアクースティック・ギターを中心に、敢えて音数を絞った、隙間の多い音作りが心地良い。
そこは現代を代表するプロデューサー、名盤請負人と勝手に呼んでいるDave Cobb (デイヴ・コブ)の手腕が光る。
相当に楽曲は練ってきていて、どれも優れた出来。
このヴィデオも最後の方はライヴ演奏と繋がっているようで、それを見る限りアメリカ本国では大人気のようだ。少なくともアリーナ以上の大きさ?
オチもある。あの人だよね?
Jenny Lewis - Puppy And A Truck (Official Video)
Jason Isbell (ジェイソン・イズベル)、私の世代つまり40歳前後のロック好きはこの人と共に生きていくのだなぁと思わされてきたここ10年だった。
私にとっても彼の音楽は人生のサウンドトラックでもある。
それこそアメリカ本国では最高度の評価と名声を獲得しているはずで、なのに活動のペースも落とさず、楽曲の質も高く保っており、それだけでも賞賛に値する。
海外評ではBruce Springsteenと比較され語られてもいたが、私的見解ではNeil Youngに近いところもあるかなと。
いつもの彼のバンドを率いて、今作は自らプロデュース。
大味になることなく、真摯に自分の音楽と向き合っていると感じた。
やっぱりカッコ良いですね。
この曲もメロディの運び方など巧い。
Jason Isbell and the 400 Unit - Middle Of The Morning (Official Lyric Video)
今週一番のお気に入り、Jess Williamson (ジェス・ウィリアムソン)。
こういった少しカントリー成分があり、でもやはり現代的な音響も配したシンガー・ソングライターは今最も好きなところで、理想的なバランスを体現している人。
昨年、Waxahatcheeと2人で組んだPlainsという名義でのアルバムもかなり良くて、彼女のソロ作をちゃんと聴くのは初めてだったが発売前から期待はしていた。
声が好き、というのはそれだけで採点がだいぶ甘くなる。
この音楽的才能に惚れ惚れする。
伸び盛りだし、一つの創造的頂点を迎えているのではないかな。
アルバム・ジャケットにも連なる映像の、冒頭のタイトル曲をどうぞ。
Jess Williamson - Time Ain't Accidental (Official Video)
最後は少し異なる領域から。
イスラエルの音楽家Dudu Tassa (ドゥドゥ・タッサ)が、長年の友人であるらしいJonny Greenwood (ジョニー・グリーンウッド)と組み、各国から様々な歌い手を迎えて制作したアルバム。
Jonny GreenwoodはもちろんRadioheadのギタリストとして最も知られるところだと思うが、バンド・メンバーの中では最も伸び伸びと音楽的興味と関心の幅を広げているように私からは見える。
ポール・トーマス・アンダーソン監督の映画音楽をずっと手がけていることもそうだし、ここではレバノン、パレスチナ、エジプト、モロッコなどからゲストを招いている。
発売数は少ない分、傑作しか出さない音楽レーベル、ワールド・サーキット・レコーズからというだけで内容は保証されているようなもの。
細かく説明するよりライヴ映像が一目瞭然だと思うので、こちらをどうぞ。
Dudu Tassa & Jonny Greenwood - Taq ou-Dub (feat. Nour Freteikh) (Live At The Hamam)
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