8/18/’24「熊谷悠一アワー」(渋谷のラジオ) No.332 プレイリスト
【Tracklist】
Aretha Franklin "Think"『Aretha Now』 (1968)
The Beatles “Day Tripper” (1965, 2023 Mix)『1962-1966 [50th Anniversary Edition]』(2023)
Becca Stevens “Now Feels Bigger than the Past” single (2024)
SAULT “Valley of the Ocean”『Earth』(2022)
SAULT “In The Air”『11』(2022)
SAULT “Run”『Today & Tomorrow』(2022)
SAULT “4am”『AIIR』(2022)
SAULT “God Is On Your Side”『UNTITLED (God)』(2022)
Alice Coltrane “Journey In Satchidananda”『Journey In Satchidananda』(1970)
エンディング曲
Jackie Mittoo “Time Is Tight” (1969)『Studio One Soul』(2001)
放送後記
8月も早くも後半に入ってきました。今月のリクエスト・テーマ「旅」、残すは来週のみです。旅と聞いて思い出す曲などあれば、21日ぐらいまでにお送りください。
通常のリクエストや感想メイルも同時募集しています。よろしくお願いします。
まず番組でお知らせしたライヴ情報はこちら。
ベッカ・スティーヴンス ソロ
8月24日（土）、25日（日）
東京・恵比寿 BLUE NOTE PLACE
番組の後半では、SAULT (ソー)の小特集・後編をお届けしました。
先週の前編では、発売日順に5枚のアルバムと1枚のEPをご紹介しました。
『5』2019年5月発売
『7』2019年9月
『UNTITLED (Black Is)』2020年6月
『UNTITLED (Rise)』2020年9月
『NINE』2021年6月 10曲34分 ※こちらのみ、現在はフィジカル(CDあるいはレコード盤)のみで入手可。99日間だけ無料ダウンロードできたようです。未入手のため今回は割愛しました。
『AIR』2022年4月
『10』 (『Angel EP』と表記される場合もあり)2022年10月
その続きとして、今回は2022年11/11に同時発売された5枚を取り上げました。
『UNTITLED (God)』
『Today & Tomorrow』
『Earth』
『AIIR』
『11』
まとめて聴いてみると、アルバムごとに毛色はかなり異なっています。中軸となるのは引き続きヒップホップやソウルさらにはゴスペルまで含むブラック・ミュージックでありながら、ときにレゲエっぽくもあり、パンク・ロックに振り切ったり、果てはクラシック/映画音楽的なものまで幅広いです。
おそらくSAULTという名のもとに多種多様な音楽家たちが集結し、自由裁量でそれぞれの表現を行なっているのでしょう。今回の5枚はいよいよ情報がほとんどない中、まるで目隠しをされながら一枚一枚聴き進めていくようで、やはり戸惑いはありましたが得難い体験でした。
中心的存在だったヴォーカルのCleo Sol (クレオ・ソル)も頻繁に登場はしますが、この集合体におけるうちの一人ぐらいの位置付けとなり、参加者たちはより相対化というか平等になってきていると思いました。そのことで、グループとしての匿名性はさらに高まっているようにも感じます。
私自身も作品によって好みの濃淡は当然ありますが、総じて内容は質の高いものだと言えます。
そしてこの後、昨年末に最初で最後と宣言しロンドンで行なったライヴでは未発表のアルバムを丸ごと演奏。『Acts of Faith』と題されたその作品は先月に期間限定(数日間のみ？)で無料ダウンロード配布されていたようです。こちらは未聴ですが9曲ほどを一塊にして、1曲32分という扱いになっているそうです。
ライヴの様子は、お客さんが撮ったらしい短い動画をたまたまインスタグラムで見かけましたが、本当に覆面しながら演奏していて驚かされました。そこまで徹底して音楽業界の既存手法を拒否する理由は何なのか。
もちろん音楽がカッコ良いという大前提があるからこそ、その独特の手法にも関心が向くのですが、SAULTが投げかけている問いについては個人的にも引き続き考えていきたいですし、この先どのような動きを見せるのかにも注目していきたいと思っています。
と、ここで締めるつもりが日本時間の8/15未明、インスタグラムとツイッターが珍しく更新されており、何やら思わせぶりな数字だけの文面に、牛？が複数写っている画像が添えられ投稿されています。
早速ファンの間では様々な憶測が飛び交っている様子。どうやら私もSAULTの術中にはまっているようです。
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