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6/16/’24「熊谷悠一アワー」(渋谷のラジオ) No.323 プレイリスト



【Tracklist】

  1. The Doobie Brothers “Rainy Day Crossroad Blues”『Stampede』(1975)

  2. XTC “Ballet For A Rainy Day”『Skylarking』(1986)

  3. Madeleine Peyroux “California Rain”『Half The Perfect World』(2006)

  4. Macy Gray "Here Comes The Rain Again"『Covered』(2012)

  5. Dr.John “Rain”『City Lights』(1978)

  6. Ethel Waters “Stormy Weather” (1933)『Cotton Club: Harlem 1924 - Broadway 1936』(1998)

  7. Pillow Queens “Like A Lesson”『Name Your Sorrow』(2024)

  8. Bonny Light Horseman “When I Was Younger”『Keep Me on Your Mind/See You Free』(2024)

  9. Bonny Light Horseman “See You Free”『Keep Me on Your Mind/See You Free』(2024)

  10. Amaro Freitas “Sonho Ancestral”『Y’Y』(2024)

エンディング曲
Amaro Freitas “Encantados”『Y’Y』(2024)






放送後記

Amaro Freitas アマーロ・フレイタスは昨年に続いて来日公演を行いますね。
「Piano Night Tour 2024」と銘打って、

6.25 (火) 19:30 BLUE NOTE PLACE (Tokyo)
6.26 (水) 19:30 100BANホール (Kobe)
6.27 (木) 18:00 東京芸術劇場 (Tokyo)

と回るようです。
27 (木)は「METROPOLITAN JAZZ Vol.04 TOKYO PIANO NIGHT」として総勢5名のピアニストが登場、中にはシャイ・マエストロも含まれています。

新作『Y’Y』が一言でまとめると自身のルーツを追求した、さらに一回り音楽家としての器を大きくした一枚だったので、かなり注目です。


さて、今週取り上げた新作はさらにもう2枚。

アイルランドはダブリンの4人組バンドPillow Queens(ピロウ・クイーンズ)はこの3枚目のアルバムで初めて知った。
音楽以外の側面は敢えてあまり調べないようにしているが、どうやらヴォーカルの人は性的少数者(Queer クィア)を自認しているようで、ほとんどの歌詞はうまくいかなかった恋愛関係についてだと思う。単純に考えて、自分のような性的多数者よりさらに困難を抱える場面が多いのだろう。そういう鬱屈とした行き場のない感情を燃焼させ昇華させる必要性があるから、これだけ芯の詰まった音になるのだろう。楽器を鳴らし自作曲を歌う必然性を彼女たちは持っているのだ。だから説得力がある。音を出さざるを得ない。そういう人の音楽を聴きたい。
まだまだこれから良い曲は書けるだろうし、どういうライヴをするのか観てみたくもある。音楽性も変化していくだろう。
とりわけ先行シングルになっていた3曲が優れている。ここでは番組で紹介したのとは別のものを、厳密に言うとヴィデオ・クリップではないが貼っておきます。暗さと重さを兼ね備えた曲なので、できるだけ大きい音で聴いてほしい。

Pillow Queens - Gone (Visualiser)



もう1枚は、自分にとってほぼ年間ベスト10確定のBonny Light Horseman(ボニー・ライト・ホースマン)3枚目のアルバム。
現代アメリカ屈指のシンガー・ソングライターであるAnaïs Mitchell(アナイス・ミチェル)を擁し、やはりそれぞれソロでも活動しているEric D. Johnson、Josh Kaufmanの3人が組んだグループ。
これまでの彼女たちの活動を鑑みても必然的にフォーク音楽を基軸とした内容になるが、とにかく今作は曲の粒が揃っている。考え方として「2枚組アルバム」を設定していて、実質的に全18曲、1時間ほどの大作となっている。
この番組でもずっと取り上げ続けているグループだけど、枚数を重ねるごとに3人それぞれが有機的に混ざり合い、いよいよバンドらしく融合している。創造的な絶頂期を迎えているのかもしれない。
今のところヴィデオ・クリップとして唯一作られているのがこちら。映像では、一瞬の妄想を巧みに演出していて手が込んでいる。カメラを動かしすぎるのは酔ってしまうから好きじゃなかったりするけど、楽曲の出来としてはこれも素晴らしいです。アナイス・ミチェルの歌声を聴くだけで幸せな気持ちになれる自分は、ただのファンなのだろう。

Bonny Light Horseman - I Know You Know (Official Video)


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