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【本】Marcel Proust: 失われた時を求めて(À la recherche du temps perdu)

<2008年01月20日の手記より>

記憶って、うちの押入れみたい。

「こんなの入れたっけ?」ってなものがたくさん詰まってます。気づかないうちに増えていきます。今さっき入れたものも、ちょっと前に入れたものも、だいぶ前に入れたものもあります。急にふっと、なんかの拍子にガサゴソ出したくなります。そしてちょっと悲しそうに笑ってしまいます。そしてまたそっとしまっちゃいます。

押入れには失われた時が詰まってるのかもしらん。

そしていつかきっと、この本を読んでいたことを、窓に射す光の微妙な角度だとか、揺れる電車のアナウンスの声だとか、ちょっと温めのオレンジジュースの味とか、そういった何の関連もなさそうなことをきっかけにして、ぶわぁぁーーーっとかじわぁぁ~~~って思い出すんやろうなぁ。そんとき想ってたコとか、悩んでたこととか、いろんなおまけつきで。

こういうのって寂しいような嬉しいような気持ちやけど、すてきやと思います。ぼくにとっては、失われた時ってそういう存在な気がします。

※集英社1992年版は表紙が特に素敵です(画像参照)

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