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NPOを解散させたら思ったよりお金かかったお話
お金も時間もかかるんで、ノリで作らないほうがいいよって話(?)。なんで解散させたかは本筋からずれるので割愛します。やってみた感想は
解散のノウハウがあまり共有されてない
けっこうお金かかる
おそらく士業の先生でも経験者は少ない
うちは比較的に恵まれていたので、難易度は「スーパーソフト」に分類されると思う。どの辺がソフトなのかはおいおい、、、
解散のノウハウがあまり共有されてない
「NPO 設立」という検索をかければ選びきれないくらい記事が出てきて、「ネットの記事を参考に自分でやってやろう!」というモチベーションが上がる人は多そうなんだけど、新しいことやろうとしている人や、NPOを隠れ蓑にひと稼ぎしてやろうという鼻息の荒い状態なので、設立は自分で頑張れると思う。でもね、「解散」ってもうそれ自体が敗戦処理みたいなもので、誰もやりたくないし、楽しくないし、お金もらえる士業の人しかやらない(やれない?)状況になってると思う。
解散ってことは事業が成り立たなくなってて、メンバーに不協和音が発生してるとか、負債で首が回らないとか。その状態で「NPO 解散」で検索して自力でやろうするだけのモチベーションがあるのか?ないでしょ(笑)
株式会社は「休眠」があったり、整理屋がいたりと表に裏に処理方法はあるんだけれど、NPOはまだその辺が整ってなくて、生かしておいても法人税が毎年かかる(県民税2万円、市民税5万円)ので、使わないなら解散するしかないんです。え?他にいい方法あるの?あるなら早く言ってよ(笑)
解散するにも金がいる。
手順は詳しく書いてあるサイトありますので
https://www.sgho.jp/blog/chisiki/npo%E6%B3%95%E4%BA%BA%E8%A7%A3%E6%95%A3
NPO法人の解散手続きの流れ
1.社員総会の決議
2.解散及び清算人就任登記の申請
3.所轄庁への解散の届出
4.解散の公告
5.清算業務
6.清算結了
7.清算結了登記の申請
8.所轄庁への清算結了届出
流れとしてはそうなんだけど、はい、問題です。この1~8を担うのは誰でしょうか?
「そんなの自分でやれるでしょ!ネットを調べればできそうだし!」
という人はどうぞ頑張ってください。
うちの場合、自分たちでやったのは「1.社員総会の決議」だけ。
「2.解散及び清算人就任登記の申請」「7.清算結了登記の申請」は司法書士
「3.所轄庁への解散の届出」「8.所轄庁への清算結了届出」は行政書士
「5.清算業務」「6.清算結了」は税理士
もうお分かりだと思うけど、とにかくお金かかるのが解散。たぶん、この費用を用意できずに解散すらできないNPOもいるのでは。前にも書いたけどNPOは株式会社のように休眠できないので、登記されている以上、法人県民税、法人市民税(あわせて7万円くらい)が毎年発生するので、とにかくお金がかかる。活動もできない、解散するお金もない、でも法人税はかかる、ともう目も当てられない状態が解散直前のNPO。いやー、悲惨だね、、、
素人にはかなりのハードル
はっきり言おう、プロに頼もう。こんな敗戦処理みたいな仕事を自分で調べて作業して費用を浮かすなんて、普通のメンタルではできない、と思う。ちなみに士業の方々に払った費用はおよそ40万円。内訳は公開しないけど税理士いわく「司法書士の報酬がバグってますw」とのことだったので、本当はもう少し費用がかかるのかも。ご参考に。ちなみに、解散手続きにあたって仕業3名と僕とで当初にミーティングをしたんだけど、みんなよくわかってなくて、誰がどのトリガーで動くのか整理するのが大変だった。注意点としては全体を仕切る人を立てないと、みんな「待ち状態」になるので、できればNPOの責任者か締めをする行政書士のどちらかが良いかと。プロが集まっても右往左往するんだ。素人にできるわけがない。
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負債があるのか、資産があるのか
最近はNPOでも銀行融資が受けられる(ウチも融資受けた)し、場合によっては代表者貸付で負債があるケースもあると思うけど、うちはありがたいことに資産が負債に勝る優良NPO(?)だったでの、代表者貸付をきれいにしたあとでも、まだ、資産が残る状況だった。けど、ここからが株式会社とNPOの違いで、NPOは余剰金の分配ができないことはご存じ?
ちなみに余剰金はどこかに「帰属」させることになっていて、帰属先は
他のNPO法人
国又は地方公共団体
公益社団法人または公益財団法人
学校法人
社会福祉法人
更生保護法人
上記の他に「国または地方公共団体」か「国庫」に帰属するので、ワケマエはない。通常の事業収益の分配ができないのは知っていたけど解散時も適用されるとは盲点だった。これについてできるアドバイスは「税理士とうまいことやってくれ!」としか言えない。ゴメン。
解散しても金をとられる
NPOは2年ごとに役員登記の報告をする必要があって、変更がなくても必要らしく、うちはやってなかったので、「過料」として数万円を支払うことになった(代表、ゴメン)。ちなみに、過料とは、、、
過料とは刑罰ではなく、国や公共団体が国民に課す金銭納付命令のことで、行政上の罰です。
罰金ではないけど、死んでも金をとられるのがNPO。
最初から最後まで金の話かよ、と思った人もいるだろうけど、NPOを運営していれば必ずついて回る話なので、余裕があるうちに50万円程度をどこかの口座に確保しておくことお勧めします。
どんな団体でも設立の時は勢いもあるし華々しいものだけど、解散となるとひっそりとしたものなのはウチも同じだった。まあ、最後の数年はほとんど活動していなかったので、そんなに名残惜しさもなかったけどね。あ、当時、運用していたウェブメディアは次を担う人たちにお譲りして少々の金銭と交換させていただきました。売れる資産は売って解散費用に充てよう。
着手から9か月かかった
4月くらいにミーティングして、終わったのが1月だった。スムーズに進めばもう2カ月くらいは短縮できた気はするけど、そもそもどこがつまづくポイントなのかよくわからないから、3歩進んで1歩さがるくらいになってしまう。ちなみに余剰金の経理処理をやり直したくて、清算業務の時間を確保したので長期化してしまった。でも、どこのNPOもここは時間がかかりそうなので、やっぱりこれくらいの期間はかかるのかも。
ネタになる面白い話はなかった
これを読んでくれた人のほとんどは「解散で悲惨な目にあった話」を期待してたと思うけど、ゴメン、ほんと恵まれてた(笑)
負債無し、理事会揉めない、周囲への影響少ないと、これ以上何を望むのかというくらいソフトな環境だった。これから解散しなきゃいけない人がいたら、ほんと、頑張ってください。まだ運営中のイケイケなら50万くらいどっかにプールしておくことお勧めします。ではでは。
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