国での議論を踏まえて学校教育における全体アーキテクチャを描いてみた
年度末やら何やらで、メチャクチャ忙しくなってしまっているのですが、宣言通り何とか週次ペースを維持したいと思います。
今回は前々前回の最後に予告していた「国での議論を踏まえて学校教育の全体アーキテクチャを描いてみた」をやってみたいと思いますー
今、全体アーキテクチャを考える意味
そもそもなぜ、今のタイミングで「国での議論を踏まえて学校教育の全体アーキテクチャ」を考える必要があるのか。
アーキテクチャって言葉が聞きなれない方もいらっしゃるかもですが、e-Wordsによると以下です。
GIGAスクール構想や、世の中が言い始めているデータ駆動型社会(教育分野ではデータ駆動型教育)を実現していくために、このシステム全体の構造・設計=アーキテクチャを大きく見直すことが求められています。
上記は私がセミナ等で使っている「DXの3段階のステップ」を説明するスライドです。
学校教育の「今」は、GIGAスクールの環境整備によるデジタイゼーションを経て、過渡期である2段階目=デジタライゼーションの段階です。
この過渡期でシステムの全体アーキテクチャの転換が求められ、それが今後のDXに繋げていく成否に大きく影響してきます。
学校設置者の皆さんにとっては、過渡期の今が情報が少なく対応が最も難しい時期なんじゃないかと感じています。そしてその分、とても大事な時期。
なので、私自身が得ている知識や経験をフル動員して、今現在での「国での議論を踏まえて学校教育の全体アーキテクチャ」を描くことで、少しでも皆さんの参考になったらと考えています。
追い切れない数の会議体や事業
そうなると「国での議論を踏まえて」と書いているので、国での会議体や事業などでどんな議論がなされていて、それがどう初等中等段階の学校教育の全体アーキテクチャに影響しているのか、を詳らかにしていく必要があります。
そのためには、学校教育全般に関わる抽象度の高い議論や、ICTやデジタル関連の会議体や事業を抽出し、その内容を確認しないといけません。
ざっと抽出すると、以下辺りとなりそうです。
文部科学省
総務省
総務省|情報信託機能の認定スキームの在り方に関する検討会|情報信託機能の認定スキームの在り方に関する検討会 (soumu.go.jp)
総務省|地方行政のデジタル化|地方公共団体における情報セキュリティポリシーに関するガイドライン (soumu.go.jp)
経済産業省
内閣府
内閣官房
デジタル庁
業界団体(文部科学省委託事業内)
うぐぅ、いくらなんでも多すぎ…。
これらを全て踏まえて、学校設置者としてシステム設計するなんて無理ゲーなんじゃないかと。
さらにそれぞれの議論は、抽象度が高いもの or 一部を検討しているもの、なので全体を俯瞰し組み合わせるのは困難です。
まあ、でもその辺りの解説をやるのが自分の役割だと勝手に思っているので、頑張ってみます!
一応、自分はこれらの議論を概ね目を通していますので(自分自身が委員やオブザーバとして参加している会議もあります)、これらの議論を踏まえ、全体を俯瞰・整合させて求められるアーキテクチャを描いてみます。
全体アーキテクチャはこんな感じ
では、これらの会議体や事業等での議論を踏まえた全体アーキテクチャはどんな感じなのか。こんな感じです。
ドドン!!
うーむ、Googleスライドの埋め込みだと小さくてめっちゃ細々する。でもこれで、国での議論をほぼ網羅した全体アーキが描けたはず。
もう少し大きくして詳細ご確認いただきたい方は、リンクも置いておきますのでそちらでご確認いただけたらと。
国での議論を踏まえた学校教育の全体アーキテクチャ - Google スライド
データの相互運用性に関する標準仕様がある部分は、それぞれリンクも埋め込んでいます。コピーとかもできる設定にしていますので、必要に応じて勝手気ままにお使いください。
あ、Googleスライドは職場によってNGあるかもなので、パワポも置いておきます。
以下、注意事項です。
なかなかこれだけだと意味分からない部分が多いと思うので、図の見方について補足させてください。
全体アーキテクチャの読み方補足
簡単にですが、この図の読み方の補足させてください。
まずは利用者の示し方について。
利用者の記載
上記の通り、上段に「システム利用者」として対象になりそうな人を記載しています。「システム利用者」の意味は、記載されているアプリケーション群を利用して授業・学習や業務を行う人として記載しています。
また「今回は教育データに着目して」描いていますので、上記の通り、下段に「データ利用者」として対象となりそうな人を記載しています。記載されているアプリケーション群を利用して生成される学習データを利用する方を記載しています。
システムの場所に関する記載
それぞれのアプリケーションやデータがどこに置かれているのか、については薄い色の網掛けで表現しています。
大きくは「ガバメントクラウド」と「パブリッククラウド」に大別。
地方公共団体の基幹業務システムの統一・標準化の対象、いわゆる法令20業務については「ガバメントクラウド」に、それ以外のシステムは政府のクラウド・バイ・デフォルト原則とセキュリティポリシーに関するガイドラインから「パブリッククラウド」としています。
アプリとデータの置き場、その間のデータの流れを矢印で記載
さらに真ん中に肝心のアプリケーションとデータの置き場、各々のシステム間でのデータの流れを矢印で記載しています。
四角い箱がアプリケーション、円柱がデータの置き場(正確には各アプリにデータベースもあるのですが割愛しています)、データをやりとりする部分を矢印で記載しつつ、そのやりとりの方法について標準仕様がある場合はリンク付きで追記しています。
ざっと読み方はこんな感じです。うーむ、この補足だけで読む気が失せてしまうかも。できるだけ簡略化できる部分は省いたのですが、それでも複雑な図になってしまいました…。
おわりに。各の項目の詳細は次回で。
うぅ、全体アーキテクチャが求められる背景と図を描いて、読み方記載しただけで結構なボリュームに…。
読んでいる方もこの時点でお腹一杯なんじゃないかと思うので、今回は全体アーキテクチャの図を出したところで終わりさせていただき、次回以降で各項目がどの会議や文書のどこを参照し、どんな意味のモノなのか、などの解説をしておきたいと思います。
なかなかシステムに詳しい方でないと理解難しい部分かと思いますが、、、
最初に書かせてもらった通り、これからデータ駆動型教育を実現していこうというなかで、学校設置者の皆さんにとっては過渡期の今の設計が最も難しいところなのだと思っています。でも、成否を分ける最も大事な時期とも言えます。
全てを理解することが難しいとしても、大きな枠組みを理解しておくだけでも大分違うと思います。可能な限り分かりやすく書いてみたいと思いますので、お付き合いいただけたらと。
ではまたー。
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