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アニメ「平家物語」第一話

先ほどアニメ「平家物語」の第一話を視聴した。山田尚子監督の最新作。わっくわくである。

あまり考えも纏っていないが、とりあえず書いてみる。

今回述べたい点は、ざっと4つだ。



1.京アニ的リアリズムモーションからの脱却。

第一話冒頭で登場した蝶のモーションでは、従来のアニメ的なコマ送りのモーションが使われていた。

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些細なことだが、京都アニメーション特有の膨大な線画を組み合わせて作られたあのぬるぬるなモーションではなく、コマ送り的なモーションを見て「ああ、山田監督はもう京アニにはいないんだ」と感じた。

しかし、OPの監督のクレジットが出た瞬間はやっぱり嬉しかった。

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2.Popな音楽。

本作は歴史物語であり、平家が栄光を極める時代から始まる。清盛は福原に新たな住居を構える際、壮大な建設計画を重盛に語るが、その語りに添えられるBGMが少しPOPで違和感を覚えた。


3.暴力的シーン

そしてやはり本作で注目したいのは、山田監督の暴力シーンの描写である。「平家物語」は武家の物語であり、残虐描写がおそらく多用されると予想していた。そして予想通り第一話から父が武士に殺されるという残虐シーンが現れた。

今回、山田監督は切られるシーンでは視聴者の目線を被写体から少しずらし、切られる瞬間には画面を少しぼかすという手段で、直接的な描写は避けた。しかし、これからも戦乱の中で暴力的描写が増えるだろう。

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サイエンスSARUは『デビルマン』をはじめ、複数の微グロ作品を制作してきたからその辺には理解があるが、山田尚子の作風をそこへどのように落とし込むのだろう。グロを避ける京アニでは出来ないチャレンジであり、これからも注目したい。


4.中性的な主人公

山田監督の女性キャラクターといえば、「たまこまーけっと」や「けいおん!」の女性キャラクターに象徴されるように、「女の子らしさ」が押し出された、それでいてギリギリ性的消費にカテゴライズされないキャラクター造形が特徴的である。(これは堀口悠紀子氏のキャラデザの功績かもしれないが)

しかし、本作の主人公は女性でありながら社会的事情のもと男性として暮らす、いわば中性的な存在として描かれている。

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しかし、彼女が清盛の悪行を琵琶法師として語るシーンでは中性的な見た目は幾ばくか残しつつも、山田監督が描く女性(女の子)らしい顔つきや手つきが現れており、山田作品の名残が感じられた。

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この彼女は成長した姿なのだろうか?


とりあえず、ざっと気になった点を求めてみた。個人的にも山田監督の新作はとても気になっているので、これからも視聴を続けていきたいし、監督がサイエンスSARUでどのような成長を遂げるのか、見届けたい。


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