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究極の剣戟アクションゲーム『ゴーストオブツシマ』の戦闘がいかに素晴らしいか語らせて

「なにこのゲーム、つまんなさそう」

主人公の見た目は冴えないし、戦闘も地味そうだし、日本の世界を海外のスタジオが開発?どうせハリウッドみたいなトンデモジャパンだろ。

このゲームに対する私の第一印象でした。
その印象が540度ひっくり返ることになり、私は深い沼に誘われることになるのですが…

友人の「推し」

20年来の趣味を同じくする友人が
「このゲームは100点満点中、2兆点だ」と言い放ったのがきっかけでした。人として信頼できないが、ゲームの感覚は正直で鋭い彼なので
「そこまで言うんやったら、買ってみるわ」
彼を信頼して、購入を決意しました。
彼の一声がなければ、私はいまだにこのゲームのすばらしさを知らないままだったことでしょう。

アクションゲームばかり遊んできた


前述の彼をゲームの世界に引きこんだのは間違いなく私であり、それは彼よりもアクションゲームを多く遊んできたことを意味します。
アクションゲームについては、それなりに厳しい感覚を持っている私。ちょっとそれっぽい程度のゲームを簡単に称賛はしません。

とりあえず遊んでみた最初の感想は

神ゲーやん

無印良品よりシンプルな感想が口をついて出てきます。
様々な魅力があることは多くのプレイヤーが語るところですが、とにかくこのゲームのアクションは素晴らしいと確信したのです。

最初の一撃で分かったこと

このゲームは侵略してきた蒙古勢との派手な戦で派手に散ってしまうところから幕を開けます(宇随リスペクト)。
ざっくり言えば、その蒙古兵のボスであるコトゥン・ハーンの急死を切に願う対馬の民の思いを背負い、それらを救うべく主人公の境井仁としてプレイヤーが立ち上がるというおはなし。

最初の雑兵を倒した時点で、このゲームは面白いと確信しました。
敵を斬った時と「ズァッシュ」と気持ちのいいサウンド、大小細やかなコントローラーの振動、時代劇で連想される敵の大げさな死にリアクション。

たった一度の戦闘で、私は「ツシマ」の世界に強引に腕をつかまれ引き込まれたのです。

常に「美しい」という最大のポイント

このゲームの戦闘の特徴は、「すべてのトドメに美しいモーションが用意されている」こと。敵の体力を奪う最後の一太刀が、かならず美しいのです。


どんな戦いも必ず美しく演出されるため、まさに「酔いしれる」ことができる。
アクションゲームあるあるで、「ラストにしょうもない技を当ててしまい、なんとも締まらないフィニッシュを迎える」というものがありますよね。

「このパンチで削って、最後は大技でフィニッシュや!!!」
の「ジャブ」とかでクテーンと敵が力尽きる。「いやこっちがクテーンやわ」みたいなことが稀によくあるわけですが、ツシマは違います。

必ず、カッコよく決めてくれる。

アクションが常に美しい、だから多くのプレイヤーが魅了されているのだと私は思うのです。

意外と派手な戦闘

冒頭で「地味そう」と誤解していたことを書いたわけですが、意外と派手なんですこのゲーム。
最初の2回くらいしか使わない「刀に炎をまとわせる技」とか、るろうに剣心ばりの神速居合3連切りとか、思っていたより派手でスタイリッシュなこともできるんですね。痩せていると思っていた子が意外と巨乳だった、そんな趣があります。

「暗具」、ようするにクナイや煙玉といったサポート武器をうまくチャンバラに混ぜ込むことによって、戦略次第では大量の敵をスマートに、無傷で切り伏せていくこともできるという、戦略の自由度もまた魅力的でした。

シンプルで忙しい


このゲーム、やることはシンプルで

・敵の攻撃を受ける(捌く・はじき返す)
・隙を見せた敵に刀を振るう

基本的にはこの繰り返しです。でも飽きない、それはなぜか。

主人公の仁は4つの型を習得し、それを敵の特徴に応じて瞬時に切りかえながら戦うという、奥深いルール設定があるからです。

ジャンケンでいえば、敵がグーならこちらはパーをだす、チョキならグーを、ということをリアルタイムにどんどん判断して攻撃を当てなければなりません。

敵の弱点を突く「正解の型」を使うことで、すばやく敵をひるませ、隙を作ることが出来る。スマートに戦うために、瞬時の判断をし続ける。

当然、最初はうまくできません。
でも慣れてくると自然と指が動いて、的確に弱点を突いている自分が居るのです。

シンプルな中に、上達を感じられる奥深さが眠っている。
ここも大きな魅力だと私は考えています。

ツシマ戦闘の中毒性の正体

結論から言うと、ランダム性の高さが、飽きの来ない中毒性のあるアクションを成立させているのではないかと考えています。

たとえば、このゲームにはタイミングよくガードすることで攻撃をはじき返し、袈裟懸けに敵を斬る大技や、ギリギリで攻撃を回避することでカウンターの突きをお見舞いする技があります。

正直、かなり難しいです。
高難易度になるほど、この「ジャストタイミング」の判定が厳しいので、そう簡単にこれらの技は出せないのです。

「必ず決められる技」よりも、「うまくいくか分からない技」がうまく決まったほうが、脳汁の分泌量が多くなるのです。
ランダムに当たりが出ることで中毒にさせるパチスロに近いものがあるかもしれません。

高難易度になれば、一瞬のガードミスが死への近道になってしまう。
ヤバい局面で見事に弾き返して最後の一撃を決めたときや、神が乗り移ったかのように連続でカウンターを決めつづけて無傷で戦局を乗り切った時に、プレイヤーは上達を実感し、戦闘のとりこになってしまうのです。

刀一本のこだわり

アクションゲームと言えば、主人公があつかえる武器が複数用意されていることが多いですよね。ノーマル武器、重い武器、手数重視、トリッキーな武器、のように。様々な武器を選ぶことで

本作が凄いのは、メインの戦闘の武器は「日本刀」のみであるところ。

ここは開発者のこだわりで、とにかく日本刀のアクションを洗練して楽しんでもらいたかったという旨の発言がインタビューで確認できます。

つまり、日本刀一本で、重さも、手数も、すべてを表現しきっている。

だから、何十時間を刀一本で遊んで、飽きないんですね。
モーションの数、美しさ。「斬る」アクションゲームでは最高峰のクオリティなのではないかと思います。

あなたは、このゲームで悪虐非道の敵勢を華麗に切り捌く侍になれます。
まだやっていない?このゲームを今から楽しめるなんて本当に羨ましい。
記憶を消してもう一度このゲームのすばらしさを1から味わいたい私の代わりに、あなたがそれを叶えてほしいなと思います。

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