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「恋」を聞いて"Yellow Music"を勝手に紐解いてみる


今や日本で知らない人はいないのではないでしょうか。ドラマの主題歌で耳にする。そもそもドラマに出ていたりもする。音楽番組で見かける。本屋の棚で目が合う。


出会いの場がそこらじゅうに広がっていながら、それぞれの場所で"その人だけ"の存在感と雰囲気と声を持ち合わせて成り立っている空間があるように思う。


そんな異彩を放つ日本の誇るべき異人、星野源さんの音楽について探堀りしていきたいと、そう言った回です。


星野源さんは音楽家・俳優・文筆家の顔を持ち、2010年にソロデビュー。2016年にリリースした「恋」は自身が主演を務めるドラマの主題歌としても起用され、社会現象と呼べる大ヒットとなりました。2018年12月にリリースした「POP VIRUS」はオリコン・ビルボードなど主要ランキングで1位を獲得し、現在も大ヒットを記録。さらに俳優、文筆家などの幅広い活動が評価され、2017年3月に「第9回伊丹十三賞」を受賞しています。


この省略された経歴の中でも才能がありふれてることは一目瞭然なのですが、より深掘りできるよう曲を絞って何がすごいのかを私なりに調べながら、たまに主観を挟みながら解説していきたいと思います、、、


早速ですが、星野源さんが出演されていたドラマの主題歌「恋」や、初の紅白歌合戦で披露していた「SUN」などの有名な楽曲の中で歌詞を見ながら、使われてる楽器に着目しながら、聞いたことがあるでしょうか。
ないですよね!(大変失礼)(食い気味の決めつけ)


そもそも私が感覚的に聞いて口ずさんでいた経験しかないので食い気味の決めつけをしているのですが、今回の執筆にあたり、ありとあらゆるインタビュー記事や本を読んで、なんて私は勿体無い聞き方をしていたんだ。と落胆致しました。
なので皆さんにはそんな思いをして欲しくないと勝手に感じ、焦る思いで指を走らせている今日この頃です。


まず歌詞から深堀していきたいのですが
「恋」と言う楽曲の冒頭の歌詞をご覧頂きたい。

営みの街が暮れたら色めき
風たちは運ぶわ カラスと人々の群れ
意味なんかないさ暮らしがあるだけ
ただ腹をすかせて 君の元へ帰るんだ

恋/星野源

元々ドラマが先でそれに合う曲を作る流れだったそうですが、ドラマを全部見てた私でもこの歌い始まりは滅相も思いつきません。完敗です。KO負けです。


星野源さんの本「いのちの車窓から」で語られている「恋」の冒頭部分について、こんなニュアンスのことが書かれております。


"人にはそれぞれの生活があって、この場所には確かに季節があって、清々しい気持ちの中でふと誰かの手をギュッと握りたくなる。肌を重ねたくなる。
こう言う時に恋が生まれるんだなと思った。"


何気ない生活の中にそれぞれの幸せがあって、季節を感じられるほどの余裕があって。
そんなあたたかい感情の中で恋が生まれる、てなんて素敵なんだよ。と私まであったかくなった次第です。


またとんでもないパワーワードが"夫婦を超えてゆけ"。なんとまあ収まりと響きの良いワードセンス。恋に当たり前も固定概念もなく、それぞれが自由なスタイルで恋ができる今の時代に非常にフィットした言葉。"夫婦"という形が恋の目指す正解ではなくて、それぞれの正解があるように思う。
このフレーズの意味を知ったとき、私は完全に星野源様の虜になっていたように思います。


そんな楽曲の世界観を作り出す楽器でさえも一級品。冒頭が1番聞き取りやすいと思うのですが、聞き馴染みのない民謡楽器のような音が流れる瞬間があります。
その正体は中国の民謡楽器で二胡(にこ)という楽器だそうで、日本で言うと三味線に近い形の弦楽器をバイオリンの弓で弾くようなイメージです。
ちなみに女子十二楽坊でも使われてます!(世代ばれる)(でも1番ピンとくる)
気になる方是非調べてみてください、、、。


この発想は、インド音楽にハマったジョージハリスンがリボルバー(と言うアルバム)に放り込んだビートルズの発想と既視感を感じ、私は星野源さんの背中に未来の日本版ビートルズを見据えました。
また自身がプロ並みのマリンバ奏者であることから、あらゆる楽曲に使用しており、ニ胡とマリンバを掛け合わせた東洋らしい音楽感を作り上げています。
また、以前からフォークロックに影響を受けていたと言う原点も感じ取れる、まさに「恋」はあたたかくキャッチーで、さらにカルチャーまでも垣間見える詰まりに詰まった楽曲ということです!!!


繊細な日本語の言葉選びや日本の四季から連想される音楽、国を跨いだ民謡音楽の組み合わせが星野源さんの音楽を作り上げていてこれらがまさに"Yellow Music"なんだな、と感じることができました。


Yellow Music


さまざまな音楽を吸収しつつも真似するのではなく自分のフィルターをしっかり通した音楽。
これこそが星野源さんのつくるYellow m Musicで、好きを真似するだけじゃ結局自分のものにはならない。
参考にしながらも、それを見て自分が感じた感情や想いを反映させながら作るそんなものづくり、曲作りがYellow Musicなのかな。と私は解釈しております。


世界で日本のアニメや漫画が高く評価されてるのを、私たち日本人は当たり前のようにすぐ手に取り、調べることができる。
なおかつ同じ言語で読める贅沢さを日本人は意外と自覚してないのと同じで、こんなすごい才能の持ち主が日本に存在すること、その音楽を同じ言語で聞くことができるのは同じ日本人だからできることで、その贅沢さを存分に利用してもっと日本のことを知らなきゃいけないな。と思えるきっかけになりました。


最後に!どれだけ再生回数を伸ばし、最後まで聴き切ってもらえるかでクリエイターの頭を悩ます今日、イントロが年々なくなっているこの時代に、アルバムをフルで通して聞いてほしい!とおすすめできる日本のアーティストです!


是非時間を見つけて星野源さんの音楽をじっくりと聞いてみてください!


end

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