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青山学院中等部の2023年度国語入試|本の紹介

青山学院中等部の2023年度国語入試で使用された本と
著者、他の作品を紹介します!


好井 裕明「「感動ポルノ」と向き合う 障害者像にひそむ差別と排除」

岩波書店 (2022/1/7)

内容紹介

健気に頑張る、あるいは尊敬すべき障害者ーーメディアや映像作品でおなじみのイメージは、健常者の感動の道具として消費するだけの「感動ポルノ」なのではないか? 最近のそんな批判に対し、名作とされる映画からドキュメンタリー、パラ五輪まで個々の表現に分け入り、何が語られていないか、その可能性まで含めて考える。

著者紹介

好井裕明(よしいひろあき)

1956年生まれ.東京大学大学院社会学研究科博士課程単位取得退学.筑波大学大学院人文社会科学研究科教授を経て,2012年より日本大学文理学部社会学科教授.京都大学博士(文学).専攻は,差別の社会学,エスノメソドロジー,映画の社会学.

著書に『批判的エスノメソドロジーの語り――差別の日常を読み解く』(新曜社),『「あたりまえ」を疑う社会学――質的調査のセンス』(光文社新書),『違和感から始まる社会学――日常性のフィールドワークへの招待』(光文社新書),『差別原論――〈わたし〉のなかの権力とつきあう』(平凡社新書),『排除と差別の社会学』(有斐閣選書),『戦争社会学――理論・大衆社会・表象文化』(明石書店),『他者を感じる社会学――差別から考える』(ちくまプリマー新書)などがある.


著者の他の本

「「あたりまえ」を疑う社会学 質的調査のセンス」
光文社 (2006/2/16)

■数字データでは語れないさまざまな現実を、いかに取り出すか

本書は、社会学における社会調査、特に質的なフィールドワークをめぐるものである。ただ、社会調査論の教科書などに見られるような、技法や方法論、倫理などを一般的に説明するものではない。
これまでの私自身の質的なフィールドワークの経験や、多くの優れた調査結果を語る作品を読んだ印象や思いを中心に、「世の中を質的に調べる」うえで、基本であり大切だと考えるセンスについて、好きに語ったものである。(「はじめに」より)


「「今、ここ」から考える社会学」
筑摩書房 (2017/1/5)

社会学とはいったいどのような営みなのでしょうか。
 法学は法律を扱い、経済学は経済を扱い、心理学は心理を扱います。では社会学は社会を扱う学問ということになります。社会学が社会を考える知的実践であることに間違いはないのですが、これだけでは、まだよくイメージができません。

女子高出身のあるゼミ生は、相手を一目見た瞬間に、その人が女子高出身か否かがわかると言います。自らの母校だけでなく数多くの女子高の理念を調べ、教員や生徒への聞き取りを重ねることで女子高特有の文化や生活世界を明らかにし、「女子高出身」を判別できるという「謎」を解こうとする「女子高の社会学」、等々。

「社会学とは他者の学である。社会学とは他者を考え、そこから
私という存在を考え直す学である」と言っておきます。
 では、どのように他者を考え、私という存在を考え、社会を考えていったらいいのでしょうか。この問いへの答えを考える営みこそ、まさにこの新書をこれから読もうとしているあなた自身の課題なのです。

https://www.webchikuma.jp/articles/-/455



山本 文緒「庭」ファースト・プライオリティーから

角川書店; 一般文庫版 (2005/6/25)

内容紹介

31歳、31通りの人生。変わりばえのない日々の中で、自分にとって一番大事なものを意識する一瞬。恋だけでも家庭だけでも、仕事だけでもない、はじめて気付くゆずれないことの大きさ。珠玉の掌編小説集。

著者紹介

山本 文緒
1962年横浜生まれ。神奈川大学卒業後、OL生活を経て、87年「プレミアム・プールの日々」でコバルト・ノベル大賞、佳作受賞。92年、少女小説から一般文芸に移行。99年「恋愛中毒」で第20回吉川英治文学新人賞、2001年「プラナリア」で第124回直木賞受賞。

著者の他の本

「恋愛中毒」
KADOKAWA (2007/12/1)

もう神様にお願いするのはやめよう。――どうか、どうか、私。これから先の人生、他人を愛しすぎないように。他人を愛するぐらいなら、自分自身を愛するように。哀しい祈りを貫きとおそうとする水無月。彼女の堅く閉ざされた心に、小説家創路は強引に踏み込んできた。人を愛することがなければこれほど苦しむ事もなかったのに。世界の一部にすぎないはずの恋が私のすべてをしばりつけるのはどうしてなんだろう。吉川英治文学新人賞を受賞した恋愛小説の最高傑作。

「自転しながら公転する」
‎ 新潮社 (2022/10/28)

中央公論文芸賞受賞!島清恋愛文学賞受賞!本屋大賞ノミネート!
恋愛、仕事、家族……30代女子の悩みは止まらない!
読者から圧倒的な共感を集めた傑作長編

母の看病のため実家に戻ってきた32歳の都(みやこ)。アウトレットモールのアパレルで契約社員として働きながら、寿司職人の貫一と付き合いはじめるが、彼との結婚は見えない。職場は頼りない店長、上司のセクハラと問題だらけ。母の具合は一進一退。正社員になるべき? 運命の人は他にいる? ぐるぐると思い悩む都がたどりついた答えは――。揺れる心を優しく包み、あたたかな共感で満たす傑作長編。(解説・藤田香織)


緑川 聖司「晴れた日は図書館へいこう」

ポプラ社 (2013/7/2)

内容紹介

茅野しおりの日課は、憧れのいとこ、美弥子さんが司書をしている雲峰市立図書館へ通うこと。そこでは、日々、本にまつわるちょっと変わった事件が起きている。六十年前に貸し出された本を返しにきた少年、次々と行方不明になる本に隠された秘密…… 本と図書館を愛するすべての人に贈る、とっておきの“日常の謎”。知る人ぞ知るミステリーの名作が、書き下ろし短編を加えて登場。

著者紹介

緑川聖司(ミドリカワセイジ)
大阪府出身。2003年『晴れた日は図書館へいこう』(小峰書店)で第1回日本児童文学者協会長編児童文学新人賞の佳作となりデビュー。主な作品に「本の怪談」シリーズ、「怪談収集家 山岸良介」シリーズ(ともにポプラ社)、「七不思議神社」シリーズ(あかね書房)などがある。『世にも奇妙な物語』(集英社みらい文庫)、『炎炎ノ消防隊』(講談社青い鳥文庫)など、ドラマや漫画のノベライズも手がけている。

著者の他の本

「怪談収集家 山岸良介の帰還」
ポプラ社 (2015/12/31)

ひょんなことから怪談収集家、山岸良介の助手をすることになった浩介。彼の仕事は「百物語の本を完成させること」だというのですが、その実情は・・・。人気作「本の怪談」のコンビがおくる、おもしろくってちょっと怖い、新シリーズスタート!!


「七不思議神社」
あかね書房 (2019/8/8)

リクは小学5年生の夏休みに、都心から引っこしてきた。ばあちゃんがひったくりにあってけがをしたからだ。近所の神社へお参りにいくと、どこか風変わりな少年タクミと出会う。「ここは七不思議神社とよばれていて、絵馬に七不思議をかくと、願いがかなうんや」と教えてくれる。リクは犯人をつかまえたくて、怪談や不思議話を集める。妖怪たちと接近したり驚くことの連続のなか、新しい仲間たちと友情を深めていく。毎日新聞の人気連載を単行本化!

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