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青山学院中等部の2021年度国語入試|本の紹介

青山学院中等部の2021年度国語入試で使用された本と
著者、他の作品を紹介します!



永田 和宏「知の体力」

新潮社 (2018/5/16)


内容紹介

「答えは必ずある」などと思ってはいけない。〝勉強〟で染みついた呪縛を解くことが、「知の体力」に目覚める第一歩になる。「質問からすべては始まる」「孤独になる時間を持て」「自分で自分を評価しない」「言葉にできないことの大切さとは」――。

細胞生物学者にして日本を代表する歌人でもある著者が、これから学ぶ人、一生学び続けたい

人たちにやさしく語りかける。自力で生きぬくための本物の「知」の鍛錬法。

(目次)
I部 知の体力とは何か
1 答えがないことを前提とせよ
2 質問からすべては始まる
3 想定外を乗り切る「知の体力」を
4 なぜ読書は必要なのか
5 活用されてこその知である
6 〈私〉は世界とつながっている

II部 師弟関係はどう結ぶものなのか
1 落ちこぼれ体験も大切だ
2 多様性にこそ価値がある
3 先生にあこがれる
4 大学に質を求めるな
5 親が子の自立を妨げる
6 価値観の違いを大切に
7 自分で自分を評価しない

III部 思考の足場をどう作るか
1 二足のわらじには意味がある
2 みんなが右を向いていたら、一度は左を向いてみる
3 メールで十分と思うな
4 ひたすら聞きつづける
5 「輝いている自分」に出会うには
あとがき


著者紹介

永田 和宏
1947(昭和22)年滋賀県生まれ。細胞生物学者。京都大学名誉教授、京都産業大学、タンパク質動態研究所所長。歌人として宮中歌会始詠進歌選者、朝日歌壇選者もつとめる。

紫綬褒章受章、ハンス・ノイラート科学賞受賞。『タンパク質の一生』『近代秀歌』『歌に私は泣くだらう』など著書多数。

著者の他の本

「歌に私は泣くだらう」
新潮社; 文庫版 (2014/12/22)

歌人、永田和宏と河野裕子。
生と死を見つめ、深い絆で結ばれた夫婦の愛と苦悩の物語。

その時、夫は妻を抱きしめるしかなかった――歌人永田和宏の妻であり、戦後を代表する女流歌人・河野裕子が、突然、乳がんの宣告を受けた。闘病生活を家族で支え合い、恢復に向いつつも、妻は過剰な服薬のため精神的に不安定になってゆく。

凄絶な日々に懊悩し葛藤する夫。そして、がんの再発……。発病から最期の日まで、限りある命と向き合いながら歌を詠み続けた夫婦の愛の物語。

【目次】
私はここよ吊(つ)り橋ぢやない
ああ寒いわたしの左側に居てほしい
茶を飲ませ別れ来しことわれを救える
助手席にいるのはいつも君だった
夫ならば庇(かば)つて欲しかつた医学書閉ぢて
私は妻だつたのよ触れられもせず
あの時の壊れたわたしを抱きしめて
東京に娘が生きてゐることの
いよいよ来ましたかと
一日が過ぎれば一日減つてゆく
歌は遺(のこ)り歌に私は泣くだらう
つひにはあなたひとりを数ふ
あとがき


「生命の内と外」
新潮社 (2017/1/27)

私たちの命は、どのような働きで維持されているのか? 生物はあたかも「膜」のようである。内と外との境界で閉じつつ開きながら、必要なものを摂取し、不要なものを拒み排除している。恒常性(ホメオスタシス)とは、そうして生命を維持させていくシステムのこと。身体のあらゆる箇所で機能している緻密で考え抜かれた生命の本質を、日本を代表する細胞生物学者が平易な言葉で説く。


本川達雄「生物学を学ぶ意味」何のために「学ぶ」のか:〈中学生からの大学講義〉1から

筑摩書房 (2015/1/8)

内容紹介

大事なのは知識じゃない。正解のない問いに直面したときに、考え続けるための知恵である。変化の激しい時代を生きる若い人たちへ、学びの達人たちが語る、心に響くメッセージ。

【目次】
知ること、考えること(外山滋比古)
独学する心(前田英樹)
学問の殻を破る―世界に向けて自己を開放すること(今福龍太)
脳の上手な使い方(茂木健一郎)
生物学を学ぶ意味(本川達雄)
学ぶことの根拠(小林康夫)
「賢くある」ということ(鷲田清一)

著者紹介


本川達雄(もとかわ・たつお)
1948年(昭和23年)、仙台に生まれる。71年、東京大学理学部生物学科(動物学)卒業。東京大学助手、琉球大学助教授(86年から88年までデューク大学客員助教授)、東京工業大学大学院生命理工学研究科教授を歴任、東京工業大学名誉教授。理学博士。専攻、動物生理学。

https://www.chuko.co.jp/shinsho/portal/101947.html


著者の他の本

「ウニはすごい バッタもすごい - デザインの生物学」
中央公論新社 (2017/2/19)

空を飛ぶ動物といえば鳥と昆虫。
鳥は骨が体内にあり、骨が支えている筋肉を動かすことで羽ばたく。からだを飛ばすためにはたくさんの酸素が必要なので、肺呼吸で取り入れた酸素を血液にのせてからだの隅々まで行き渡らせる。一方、昆虫の体内には骨がない。かわりにキチン質の硬い皮で体を覆い、素早く羽ばたくのに筋肉とクチクラを組み合わせたバネ振り子を使う。昆虫も飛ぶために酸素を必要とするが、肺をもたない。では、どのようにして酸素をからだにとりこんでいるのだろうか――。

同じ飛ぶ動物でも体のつくりがまるで違う。本書は、刺胞動物、節足動物、軟体動物、棘皮動物、脊索動物の五つのグループを取り上げ、それぞれに異なる体のつくりを持ち、それぞれに繁栄しているその多彩な世界を紹介する。

「ウマは走る ヒトはコケる-歩く・飛ぶ・泳ぐ生物学」
中央公論新社 (2024/2/21)

背骨と手足を得て、脊椎動物は速く長距離を行けるようになった。走る、泳ぐ、飛ぶとやり方は異なるが、動物それぞれが速い動きを可能にする体のデザインを持っている。ヒトはコケつつ歩くが、これがめっぽう効率が良くて速い。なぜ? 鶏の胸肉はササミよりも3倍も大きい。なぜ? 渡り鳥が無着陸で何千㎞も飛べる。なぜ? 魚やイルカには顎がない。なぜ? 皆、納得のいく理由がある。動くための驚きの知恵が満載の本!


「想いであずかり処 にじや質店」

ポプラ社 (2019/4/4)


内容紹介

満月の夜だけ開店する「にじや質店」。そこはある条件を満たせば、お金を貸してくれる代わりに「願いを一つだけ叶えてくれる」質屋だという。そんな不思議なお店で働くことになった女の子・いろはと、どうしても叶えたい願いを抱えるお客たちが織りなす、優しく温かい物語。

著者紹介

片島麦子
1972年広島県生まれ。2013年、『中指の魔法』(講談社)で作家デビュー。他の著書に『銀杏アパート』『想いであずかり処にじや質店』(ともにポプラ社)、『レースの村』(書肆侃侃房)がある。


著者の他の本

「レースの村」
書肆侃侃房; 四六版 (2021/4/22)

幽霊の世話をする人々、女性だけの村、姿が透明になる犬……。
とても不思議なのに、どこか懐かしい光景。
日本のどこかに、こんな場所がまだあるのかも、と思えてくる。
豊かな発想から物語を紡ぎ出す、新しい語り部の誕生だ!
松永美穂(翻訳家/早稲田大教授)

「ことばと」掲載の表題作を含む4編を収録。

【あらすじ】
大学の友人サクマの帰省に同行したぼくは、そこで幽霊と暮らす奇妙な村人たちと出会う…「幽霊番」。女性だけの村で育った卯月と、「騙されちゃ、だめよ」と云い、突然いなくなってしまったハルカ。サナさんの秘密の儀式を偶然目撃した卯月は、自分の知らない世界があることに気づいてしまう…「レースの村」。夫との関係はいつも少しずれていると感じる杏子はバイト先の店長とのふとしたはずみで起こった出来事により…「空まわりの観覧車」。透明になった犬の夢二、病気がちで寝たきりの姉綾子とともに過ごす日々はあの雪の日のように儚い…「透明になった犬の話」。綻びのできたレースのように繊細で不可思議な世界を紡ぎだす四編の物語。

「未知生さん」
双葉社 (2023/7/26)

協調性がなくてマイペース、それでいて人畜無害な、いい人――そんな羽野未知生が不慮の事故に遭い、41歳の若さで突然この世を去った。

葬儀に参列した高校の同級生や大学時代の元カノ、会社員時代の同期や上司は、在りし日の想い出を振り返りながら、自分自身の〈今〉を見つめ直す。

そして遺された家族もまた、未知生のいない日常を歩みはじめるが――。

イマイチつかみどころの無いキャラの未知生と、生前うっかり関わってしまった者たちの〈これから〉を描く書き下ろし長編小説。

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