見出し画像

「諫早通信」野呂邦暢顕彰委員会

母が高校を卒業したその春、芥川賞受賞作家野呂邦暢(のろくにのぶ)氏が42歳の若さで急逝された。

その当時母は、作家である野呂氏が亡くなられたというニュースを聞いても、諫早高校の先輩であることさえ知らず、その著書を手にしたこともなかった。

それから34年後、たまたま訪れた書店の店頭に山積みされた「兵士の報酬 ― 随筆コレクション 1 」を目にした。
ずいぶん前に亡くなった野呂邦暢の本がなぜ今頃出版されたのか気になって中を開いてみると、懐かしい故郷諫早の街並みや作家の目を通した諫早の人々のことについて、まるで絵を見るように描かれていた。

その頃の母は、故郷を離れてすでに30年以上経ち、離婚して大学に通う息子と2人暮らしをしていた。

既に両親は他界し、故郷へ戻ることを諦めた今、母にとって野呂邦暢の遺した書籍の数々は、故郷そのものである。

ずっしりと重い随筆集
野呂邦暢の思いが
ぎっしり詰まっている
情景作家野呂邦暢の
描く世界は
いつまでも色褪せない

諫早市芸術文化連盟
第70回芥川賞 野呂邦暢顕彰 季刊誌「諫早通信」
https://www2.hp-ez.com/hp/isahaya-bunka/page9


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?