ささやきのうた　#ウミネコ文庫

ぼくはくらやみのなかをいきている
たのしいことなんてまるでない
ぼくはきえてしまいたい
このよになんかうまれてこなければよかったのに
とにかくもうかくれてしまいたい
くらやみのおくのおくの
そのまたおくのほうまで

そのときだれかのこえがきこえた
あたまのなかで
ぼくをおちつかせようとするように
しずかなこえがきこえてきたんだ

あなたはおぼえているはず
あなたがまだおなかのなかにいたころ
きいていたあのうたを

それはみどりのなかをはねまわっていた
バッタだったころのことかもしれない

それはもりのほらあなのなかでねむっていた
クマだったころのことかもしれない

それはふかいうみをおよいでいた
サカナだったころのことかもしれない

とにかくあなたはしっているはず
よくおもいだしてごらん
あのささやきのうたを

あなたのちからでさがしてごらん
きおくのおくのくらやみを
きっとあなたのだいすきだったあのうたが
あなたのこころによみがえってくるはずだから

ぼくはいわれたとおり
きおくのおくをのぞいてみた
のぞくだけではみつからなかったので
おくのおくまでおよいでいった

すると、きこえてきた
ささやくようなうたごえが
ぼくはなんだかなつかしいような
きもちになりながら
そのうたのなかにみをまかせた

～～～～～～～～～～～～～～～～～

あなたはいま　まもられている
やさしいくらやみのなか
ぼんやりとしたひかりをみつめながら

あなたはいま　まもられている
ふゆのつめたいかぜから
あたたかなぬくもりをかんじながら

あなたのみらいになにがあっても
わすれないでね
あなたにつらいことがあったら
おもいだしてね

あなたはきっとだいじょうぶ
あなたはずっと
みまもられているのだから

あなたはいま　しあわせをかんじてる？
きびしいげんじつなんか
ふわりとやりすごしてしまえばいい

あなたはいまも　まもられている
あなたはきっとだいじょうぶ

あなたはずっとずっと
いまでもずっと
みまもられているのだから

～～～～～～～～～～～～～～～～～～

ぼくはみつけた
ぼくのなかのくらやみの
おくのおくの
そのまたおくのほうから

みどりのなかをはねまわった
たのしいけしきを
もりのほらあなのなかで
みをよせあったぬくもりを
みずをきってせんどうする
こころづよいせなかを

そしてかんじた
ぼくをみつめるやさしいまなざしを
ぼくにささやくあのこえを
ぼくをゆうきづけるあのうたを

ぞれはひかりのようだった
ぽかぽかとあたたかいひかりのようだった

そうだ
ぼくはひとりじゃない
ぼくはだいじょうぶ
だって
ぼくはたいせつなぞんざいに
いつだってみまもられているのだから

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ぼんラジさん、これ童話といえるでしょうか？
趣旨と違ったら遠慮なくはずしてくださいませ🐒