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同担と推しの聖地に行ったら推し活観が変わった

「全まなふぃへ、ピューロランドへ行きましょう」

ツイッターでたまたま見かけた号令の下、”まなふぃ”であるわたしはサンリオピューロランドへ行ってきた。ピューロランドは友達と何度か行ったことはあるのだが、今回は同じ人を推す者同士(同担)、しかもわたしにとって初めてのオフ会であった。

なんのこっちゃわからない方へ説明すると、「まなふぃ」とはわたしの推しである日向坂46 高瀬愛奈の愛称である


この名前には続く物語があり「全まなふぃ」に繋がってくるのだが、日向坂46内で自分のファンを総称するファンネームを名づけることが流行っていた時期があった。

当然、高瀬愛奈にもファンからファンネームを付けようという声が上がったのだが、彼女はその答えとして「ファンに名前をつけてしまうことで、ちょっと気になったり、初めてファンになってくれた人を一歩踏みだしにくくさせてしまうから」という理由からファンの総称を特定しないことを表明した上で、「わたしが活動できているのはみなさんのおかげ、ファンのみなさん含めて”まなふぃ”ってこと」とつづけた。これにより”まなふぃ”は彼女の価値観の象徴として広く知られるようになり、今ではファンやそうでない人にも親しまれている言葉となった。

この”まなふぃ”に集約される価値観は彼女が愛してやまないサンリオの世界観からくるものであり、その熱量は日向坂46冠番組『日向坂で会いましょう』の企画でサンリオピューロランドを紹介するほど。ちなみにわたしはこの放送がきっかけでピューロランドに興味を持った

つまり「全まなふぃへ、ピューロランドへ行きましょう」とは、高瀬愛奈の価値観に触れる聖地巡礼である。こんなおもしろそうな機会はまたと無いとおもった。

さらに目的として「まなふぃを感じつつ、まなふぃをアピールする」という高瀬愛奈の実益を狙っちゃおう、とのこと。そう、非常に残念なことなのだが、日向坂46には他にも大人気なメンバーが多数在籍しているので、とくにグループ内コンテンツ(自身のYouTubeチャンネルなど)においてまなふぃに順番が回ってくることが非常に少ない。由々しき事態である。

つまり「全まなふぃへ、ピューロランドへ行きましょう」はファンによる推しのための草の根運動でもある。なんだかおもしろそうだ

身近に熱狂的なおひさま(日向坂46のファンの総称)がいないので、いわゆる推し活というものの経験がなく、noteにて運営している、主に『日向坂で会いましょう』の感想などを記している「おひさまnote」をひとまずの推し活ということにして、ひとりでゆるやかに楽しんでいた

しかしその一方で、誰かと一緒にする推し活にも憧れていたし、このオフ会はおそらくわたしよりも濃度と熱量の高いオタクと交流できるすごく良い機会になると直感した。もうこれは行くしかない

前置きが長くなってしまったが、そんなこんながあり、わたしは同担の皆さんと推しの聖地へ行くこととなった

当日はドラムレッスンがあったので、現地には14時半ごろに到着した。18時に閉園するピューロランドにしては遅すぎる入園だったが、今回はピューロランド自体を楽しむというより、”まなふぃ”の皆さんと一緒に楽しむことが目的だったので、最後のハロウィンパレード「Makkuro Halloween Party」さえ見られればそれでわたしは満足という心持ちだった。

入園してすぐエントランスショップの前で合流したのだが、当日ご一緒した皆さんには大変な失礼を承知の上で申し上げさせていただきますが、見事におじさんばっかりだった

いや、事前のオープンチャットで皆さんがそう自称されていたのでそれは事前に承知していたのだが、明らかにピューロランドに普段いないであろうおじさんたちがそこに集まっていた。高瀬愛奈の推しキャラのシナモンくんのグッズをお揃いで身につけて集まっていた最高に可愛かった。すごく優しく受け入れてくださいました。

伺うと、おじさんであることに後ろめたさを感じて思いあぐねていたそうで、念願叶ってやっとピューロランドに来ることができてうれしいということを皆さんおっしゃっていた。

最後にこのピューロランド初めておじさん達を朝から一手に引率していたサンリオ有識者の女性・きららさんにご挨拶をし、わたしの初めてのオフ会はスタートした。

このあとの行程はハロウィンパレードとそのための場所取り、シナモンくんとのミート&グリートだった。運よく見やすい場所を確保できたので、パレードまでの1時間弱の間に、「Wish me mell のChance for you」というショーを見ることができた。

ピューロランドで、みんなの笑顔をつなぐお手伝いをしているウィッシュミーメル。
メルはなぜ、みんなの笑顔や気持ちをつなぐお手伝いをするようになったのでしょうか?
メルのことをきっともっと好きになる、心温まるレビューショーです。

サンリオピューロランド公式HPより

ショーを見ながら「やっぱりピューロランドは居心地がいいな」と思った。他のテーマパークではほとんど感じない、ここでしか感じない「居ていい居心地」。楽しむ努力や元気の無理強いをしないというか。ここ自体が”楽しい”を目的にしてないようにさえ感じるというか。受容や共生を達成した場所にある優しさのようなものをここに来るたびに感じている

それは高瀬愛奈の”まなふぃ”に通じる優しさであり、わたしがもっとも好きな価値観である。この度で3回目、来るたびにピューロランドが好きになってる気がしている

わたし以上にどっぷりサンリオに浸かっていて、ピューロランド初めておじさん達を楽しんでもらおうとするきららさんの姿勢は見習いたくなるほどで、「Makkuro Halloween Party」の間、折りたたんで痺れた足を引きずりながら次の行程であるシナモンくんのミーグリに向かっていく背中はあまりにも素敵で印象的だった。なんかもうホスピタリティで目が血走ってたとおもう

すべての行程を終えて、サンリオピューロランドを後にして、隣駅にある居酒屋・亀ハウスへ向かった。予約のときに「まなふぃ推しの集まり」ということは伝えたら、カクテルやケーキを用意して下さったりと大変良くしていただいた。ご覧の皆様もピューロランドに遊びに行った際、ぜひ立ち寄ってみてはいかがでしょうか。

この亀ハウスで"まなふぃ"の皆さんと食事やお酒を楽しみつつ、今日行ったピューロランドや高瀬愛奈について楽しいひとときを過ごした。アクスタを並べて写真を撮ったり、まなふぃのここが素敵、こういう仕事をしてほしいなど、わたしが今までネットで見かけていたような推し活が行われた。

すっごく楽しかった。あの衣装が可愛かった、こんな感じの衣装を着てほしい、もっと活躍してほしいからわたしたちも運営や関係者にアピールをもっと頑張ろうとか、ファンレター書いてみようよ、など高瀬愛奈にまつわる希望や情熱が雲のようにわくわくと膨らんでいくのを感じていた

中でも1番熱かったのが、ピューロランドのイベントホール貸切についての話題になった時。イベント目的でシアターを貸し切るには最低でも50名を集める必要があるのだが、3000人を集めるとピューロランド全館を貸し切ることが可能となる。もし実現できたらピューロランド内全員が”まなふぃ”である夢のようなイベントを打つことができる。アイドルとファンの関係性が作る世界の理想みたいな話だ。

今まで1人で感じていたことを他人と共有して、共感してもらい、かつ想像以上の夢を見ることができる。推し活最高だな、って思った

推しを同じくする同志と情熱を共有するうちに、相乗効果によってわたしの推しに対する熱気が上がっていくのがわかる反面、今までnoteで記事を書くだけの、自己満足止まりだった己の推し活のぬるさをすこし恥じた。というか、ほとんど何もしていなかったに等しい。

実をいうと近頃、日向坂46に対して以前のような情熱を持てていない自分がいた。発表される楽曲がことごとく自分の趣味に刺さらなかったり、運営の高瀬愛奈に対する態度への不信感や世代交代に少しばかりついていけてなかったりして、気持ちが明るくないことに気づいていた。

そんな折に、高瀬愛奈を熱心に信じている皆さんをふれあってみて、わたしに足りないのは高瀬愛奈へのたゆまぬ応援の表現と、推してると言うに足る行動で、シナモンくんに「高瀬愛奈ちゃんって子がいてね…」と懇々と説明する行動力だと、反省することばかりだった。そう思えるということは、わたしにはまだ少なくとも高瀬愛奈を応援しようとする気持ちがあるということで、だったらもうすこし踏み込んで応援してみようと暗澹たる気持ちに快方の兆しが見えた。

このオフ会を通じてわたしの中の推し活の在り様が変わったし、まだ改善の余地があることも知ることができたし、なによりも持てる時間や知恵や行動を用いてめいっぱい表現する推し活はすごく楽しそうで、身を投じてみたくなった

これを書き終えたら、わたしはまずファンレターの筆を取るところから始めたいと思う。今までこつこつとnoteを続けていたことがやっと実益に繋がりそうな予感がする。点と点がつながったここが、わたしの推し活の再スタートの地点だ。

サンリオピューロランドはすごく良い場所です。忘れられぬ大変良い思い出になりました。また行きます。

おしまい。

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