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11からなる機構は『日向坂で会いましょ』をついに動かし

今回も『日向坂で会いましょう』おもしろかったですね。

言葉を噛むことが増えている。それはもう歯痒いまでに。

加齢により言葉が出にくくなるのは逆らえない老化痛なのだが、わたしの場合はそれとは異なり言葉を噛むのだ。それは口頭でも、筆記でもだ。

いつも会話をするときは相手にイメージを伝えたいがために思い浮かんだ映像や物体を投げながらニュアンスを伝えるので、独り言のように口から垂れ流してる瞬間が多々ある。わたしのテキストで「~~~のような」「~~~みたい」が多用されるのはそのせいである

それ自体は問題ないと思うのだが、問題なのはここに「その言葉は正しく使用できているのか」「文章としてスマートなのか」などの自意識が働いて勝手に焦るので、結果言葉を噛む。筆記の場合は、日課であるノートに歌詞を書き起こす時に「夢でもし逢えたら」と書くところを「夢でし」と一文字飛ばしたりなどするので、この”噛み”は誤入力に近い感覚である

投げながら会話をしていくと自然と頭の回転数が上がってしまうので、いわゆる瞬発モードにスイッチした場合には思考や会話の回転数を落とせば思考と動作が同期する(熟考モードの場合は上げる)。頭ではわかっているのだけど、なにぶん近頃は会話よりテキストにする機会のほうが多いからうまくいかないのだ、ということは言い訳として言っておきたい。

このスムーズにいかないアウトプットは、たとえば電話口で要件を説明する時などに難儀するのだが、今回の【若様とフレンドリーになって希望の名前で呼んでもらいましょう!】はこのアウトプットがキーワードだった気がした。

見ての通り今回は4期生が主役だった。『日向坂で会いましょう』に4期生が参加してからここまで経過を踏まると「4期生だけで番組が成立するのか?」と言わんばかりに挑戦的なメンバー構成だった。援護者として先輩を数人配置していたが、終わってみれば結果的に先輩の力をほとんど借りることなく、ほぼ4期生の力で今回の収録を乗り切れたのではないか、とわたしからは見えた。

今回も他4期生メンバーのエピソードをトークする形式だったのだが、この収録を成功させたのはつまりトーク力の成長、解像度をあげるとスムーズなアウトプット力の成熟があったからではないかとわたしは考えた。メンバーごとに個人差はあるので一絡げに語ることはできないが、逆にその個人差によってアウトプットを段階的に捉えることができる。

たとえば山下葉留花や石塚瑶季は思考と動作(活舌)が同期不全であるため、言葉に詰まったり噛んだり意味不明なことを口走ったりするのだろう。つまり瞬発モードの傾向が強いのだ。逆に熟考モードの傾向が強い場合は、大人数の会話の流れについてこれずに置いてけぼりをくらってしまう。傍から見ていて小西夏菜実や清水理央がそうなんじゃないかな。

しかしながらそれぞれのモードの違いはありつつも、これまでの収録の経験で平均的なバランス調整能力がボトムアップされたことが今回の企画につながったのではないかとおもう。ようはみんながスムーズに会話に参加できるようになったということである。

『日向坂で会いましょう』でおもしろい場面が生まれる時は、MCからメンバー、メンバーからメンバーへとフレキシブルにパスが回り思わぬ場所にたどり着いた時だとおもうので、渡辺莉奈の初めてのディズニーでフィーリングカップルしたり、宮地すみれが山下葉留花を翻訳して富田鈴花が恥をかいたり、と今回オードリーと以外にトークが発展していってたのがおもしろかった。

最近宮地すみれの人となりを掴んできたのだが、彼女はとても真面目な性格で人の言うことをよく聞きよく理解する。だがその理解は表面のみであり裏面の理解というものが存在していない。彼女は「押すな」で押さないのだ。その理解が正しいゆえに〈1=0.9999…の証明〉のように正論が折り重なってバグを引き起こした時、彼女は困るのだ。周りがちょっかい出すのもそのせいで、そこが彼女がいるだけでおもしろいところなのである。

今回は若林からの呼び名を争奪する若林イジリ回だったけど「4期生だけで番組が務まるのか?」という卒業検定的な位置づけになる回だったとおもう。それに見事応えてみせた4期生のこれからの更なる活躍が見られる日が楽しみになった。おもしろかった。

おしまい。

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