世の中には2種類の人間がいる
トラムのドアが開き
黒いジャケットの集団がぞろぞろと乗り込んでくる
あの光景は一生忘れないだろう。
黒いジャケット集団とは、
そう。
不正乗車のインスペクター達だ。
俺は一瞬にして悟った。
あ、終わった。。。
4人のインスペクターか手分けして乗客のMykiカード(Suicaのようなもの)をチェックし始めた。
そしてそのうちの1人は1人目に俺を選んだ。
たまたまその日はMykiを持ってすら無かった。聞かれる前にタッチオンすることも出来ない。逃げようがない。
職員: 「Can I check your Myki card?」的なことを言っていたと思う。(イヤホンしてて聞こえなかったけど流れは知ってるからそんな感じ。)
僕: 「Ahhhm, I forgot to bring it today.....」
その後は何言ってるかほぼ理解できなかった。
理由は2つ。
1つは、シンプルに英語力の問題。
2つ目は、莫大な罰金額が頭を支配していて何も頭に入ってこなかった。
まあ、流れは知ってたから対応は出来た。
書類に名前、DOB、住所を書き、IDを見せる。パスポートの画像を見せた。その後、住所を証明出来るものを見せる。ペイスリップを見せた。
他の職員がチェックを終え、4人俺の元へ来て囲まれる。
そしてその後急に言ってることか理解でき始めた。
職員: 「anything you say, anything you do, these are going to be evidence.」
僕: 「...(え、取り調べやん。こわ。)」
人間、本当にやばい時は苦手な第二言語も聞こえるようになる。
その後、大事になった時(違反者が逃げたり滞納したり)用にその時の理由(言い訳)を聞かれる。
僕: 「I just forgot Myki.」
一言一句同じに書かれてて少しにやけそうになった。
そこからはまた罰金額に脳内が犯される。今後の流れをすごく説明してくれてたけど、何言ってるか理解できなかった。が、流れは知っている。
レターが家に届き、$273を払う。
今までトラムでインスペクターを見たことが無かったから完全に油断していた。
世の中には俺なんかよりも悪いことをしているのにバレてない人が沢山いる。
人を殺したり、薬物売りさばいたり、売春したり、浮気したり。
メルボルンは不正乗車が半端なく多い。半分は言いすぎだけど、4割くらいはまじで無賃で乗ってる。(たぶんみんなうまく使い分けてる)
でも俺は無賃乗車で罰金を払わなければいけない。
悪いのは誰か。
間違いなく自分。www
でも思う。おそらくこの先、悪いことへの抵抗がなくなり、何度も続けていたと思う。
そうか。神様は「お前は悪事が似合う人間ではない。そもそも弱い人間なんだからやめとけ。」と伝えてくれたのか。
世の中には2種類の人間がいる。
悪事と共生できる人間とできない人間。
改心して真面目に生きていきます。笑
【罰金大国オーストラリアの豆知識(VIC州の場合)】
・無賃乗車・・・273ドルの罰金
・電車やトラムで座席に足を乗せる・・・252ドルの罰金
・Jウォーク(信号無視や歩道以外を渡ること)・・・79ドルの罰金
・外で酒を飲む・・・125ドルの罰金
他にも、ヘルメットをしてない、電車等での飲食、路肩の芝生の上に駐車など。
日本のように悪事をさせないように対策するのではなく、悪事が出来るような環境だけど泳がせてネズミ捕りで罰金を巻き上げる国です。笑