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自主学習ノートはどんな力を育むか

自主学習ノートという自分でテーマを決めて、調べ、調べたことを一冊のノートにまとめていくという学習方法があります。

大きなテーマで、長い時間をかけて探究して深ぼるというよりは、日常的に疑問に思ったことを簡単に調べて、ノートにまとめるという感じです。

家庭学習の一環として、井垣尚人さんが開発したものと私は認識しています。

教員をしていた頃は、どんな学年を担任しても必ず宿題に自主学習ノートを導入していました。

その自主学習ノート、約して「自学」が、先日NHKで放送された「むこう岸」に登場しました。

主人公の男子中学生が、同級生の生活保護家庭の女子の将来の夢を叶えるために、生活保護や社会保障について調べる場面があり、
男子中学生の調べる力の前提が「自学ノート」で表現されています。

お話の途中で、男子中学生のお母さんが
「あなたは昔から調べることが好きだった。」
と言っていて、野菜の流通を調べたり火山のことを調べたりした記録が「自学ノート」にまとめられていました。

お話の最後には、主人公が自主学習ノートを見返して「自分は学ぶことが好きだった」と自信を取り戻していきます。

その男子中学生の調べ方がすごいのです。

「生活保護を調べよう」
・インターネットで調べる(お父さんにパソコンを没収される
・図書館にで調べる
・司書さんに聞く(この時点で生活保護法の条文を手にしていて、分からないところを明確にするように展開していきます。
・役所に行く
・塾の先生の元ケースワーカーの人に聞く
・生活保護の条文の該当箇所に付箋を貼って、内容をノートにまとめていく
・同級生の課題に対する解決策を塾の先生のアドバイスをもとに示してノートにまとめ提案する

すごくないですか?!

これが「自学の力」!!

まず、自分の疑問から出発する
1人で調べず、司書さん、塾の先生と人を巻き込む
調べたこと、読み取ったこと、分かったことをとことんノートにまとめる
問題点を明確にして、(この時、おそらく塾の先生との対話が、考えを深め、はっきりさせていると思います。
解決策を考え、まとめ直す。

ここに至るために、
自主学習によって身につく力は

・自分の疑問をキャッチする力(ちょっとしたなんで?を逃さない)
・資料を探す力
・資料を読む力
・分からないことを質問する力
・情報のプロ(図書館司書)を頼る力
・専門家を探す力
・行き詰まったときに他のやり方を探す調整力
・自分に必要な情報を精査する力
・課題を明確にする対話力
・調べ続ける粘り強さ

私の現時点での考えはこんな感じです。

この力を日常的につけることができるのが
「自主学習ノート」です。
これだけのものを1週間に一回とか、2週間に一回とか、その頻度でやると
探究の基礎体力がつくと思っています。

好きなことをとことんやってみるのに自主学習は最適だと私は思っています。


では、今日はこの辺で。


自分の信じた世界から自分を高める
共に学ぶ舎「HAG」

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