見出し画像

そのnote、「倍速再生」対応ですか?

「朝礼が長い!」

社会人になって、お店のスタッフさんに共有事項を伝える仕事、「朝礼」を担当することになったころ、先輩社員さんによく怒られた。

自分だって一応、関西人の端くれ。
ちょっとでも笑いを誘うような工夫を練り込みたくて頑張るのだけど、その頑張りは見事に裏目に出てしまった。
もちろん、話術で場を和ませたりすることができればいいのだけど、お店が忙しい時や急な欠員でスタッフの人数が足りないときには、必要な情報だけをピックアップして短時間で伝えることが重要になってくる。

まだ会社の仕組みもろくにわかっていない新入社員に、そんなさじ加減が判断できるわけもなく・・・。
不器用な自分であればなおさらうまくできなかった。

そんな私でも10年間、毎日毎日スタッフの前で朝礼を繰り返していれば少しは成長する。
本当にのろのろとした歩みだったけれど、何が必要で、どんな人が相手で、どれくらい時間に余裕があるのかに合わせて話せるようになっていった。

そんな経験も、会社を辞めて個人のお店をはじめたら、不要な技術になってしまった。
そう思っていたんだけど、この頃気づいたことがある。

「あれ? この朝礼の技術、noteで長文を書く時にも役立ってるんじゃない?」

今回は、長文で想いを伝えつつも、急いでいる人にはササッと呼んでもらえる。
特に、noteでは「なんか気づいたら5000字ぐらい書いてしまったな」という文章の方が読まれたりする傾向もある。
その理由を自分の経験を元に行った分析と、さながらYOUTUBEの「倍速再生」みたいなnoteの書き方をご紹介できればと思う。

長文が意外と読まれるnoteの世界

ネットの文章は、長すぎると読まれない。
必要な内容を短くまとめて書くべきだ。

そんな話を聞いていたので、ついつい4000文字オーバーの記事を書いてしまったときには「誰も読まないな、これは」と思った。

ただ、結果としてはnoteを始めたばかりの割に、この記事はかなり読んでもらった。
その傾向は今も変わらなくて、ついつい熱が入り込みすぎてしまった記事ほど読まれているように感じる。

その理由はなぜなんだろうとずっと考えてきたけれど、「何を言おうとしているか」以上に「どんな人がその結論を導き出しているのか」が吟味される時代になっているからではないかと自分は考えている。

誰もが「発信者」として情報を世の中に送り出せる時代に、「こっちが正しい」「いや、あっちが正しい」と様々な結論が世の中には溢れている。

それらしいことが書いてあっても、事実とは異なる情報がネタ元だったりして、ツイッターを始めとするタイムラインを眺めていて頭痛を覚えているのは私だけではないと思う。

そんな時に、長文で何かを表現していると「どんな人間が、どんな価値観で、どんな立場で、どんな理由で、なんのためにこの文章を書いているのか」ということが、否が応でもにじみ出てくるのだと思う。

思いのない内容に対して長文を書くことは難しい。
それは、私自身を省みてもそう思う。
結論だけを述べて終わりにする方法だけではなくて、読み手が書き手の情報を読み取れるような手がかりをきちんと提示していく方法

noteで長文が読まれているのは、世の中でそういった情報発信の形が求められているからではないのかなと私は思っている。

リズムの悪い長文は読みたくない

実を言えば長文のnoteを書くのが短いnoteを書くより難しいかと言えばそうでもないと思う。
というか、個人的には長文のnoteを書くほうが楽だ。

極端な例を出せば、5・7・5の俳句を書くことの難しさが、テレビ番組でも近年改めて取り上げられているように、短いフレーズに魂を込めて文章を吟味し推敲していくのには時間も手間もセンスも求められるからだ。

画像1

だからといって、4000字全てを文章だけで作り上げているわけじゃない。
基本的に文具店として商品を紹介している私のnoteでは、商品の写真が何枚も登場することになる。

あらかじめ、商品の特徴に注目した写真を何枚も撮影しておいて使用する。
そのやり方は、たぶん文章術というよりは「プレゼンテーションの技術」に近い。

ただ、ここでひとつ重要なのが、画像に複数の情報を詰め込みすぎないこと。
よくあるプレゼンテーションのように、画像のなかに文章や相関図などを詰め込みすぎてしまうと、読者のnoteをスクロールする手が止まる。
動画も短いものであっても挿入すれば、読み手のリズムにはブレーキがかかる。

私も試行錯誤するうちに、スティーブ・ジョブスになったつもりで画像だけを挿入して、その内容を口頭で行う代わりに文章で綴るといった形に落ち着いてきた。
商品の説明したい特徴を写真におさめて併用すれば、文章で全てを表現する必要性はなくなる。
画像を見て、その特徴が伝わりきらない場合は文章で補完できるし、その逆ももちろん起こりうる。

長文を迷子にしない方法

さて、長文がnoteで比較的読まれるといっても、だらだらと関係のない話を垂れ流されてもたまったものではない。
私は、こんな時に必要なのが「文章のテーマ」だと考えている。
それを気づかせてくれたのが「読みたいことを書けばいい」という本の存在だった。

こちらの本。
読んで頂ければもちろん参考になるのだけど、それ以上に「タイトル」で既に答えが出てる。

自分が読みたいと思うことを、書けばいいんだ。
実際読んでみると、著者の田中泰延さんのとことん楽しい文章が色んな所に連れて行ってくれて、凝り固まった頭を柔らかくしてくれる。
でも、必ず書いている内容は「読みたいことを書けばいい」というタイトルからは外れない。

人を引きつけるようなタイトルって、正直なかなか浮かばない。
それでも「この文章で1つ伝えるとすれば何をつたえるべきだろうか」と考えて、テーマを先に絞り込んでおくと、多少話が脱線しても軸がブレなくなる。

いいテーマは、書き手が書く文章の落とし所を導いてくれるし、テーマが一貫した文章は読み手にとっても理解しやすい。

画像3

さらに言えば、しっかりとテーマを決めて書いた長文は「読み飛ばしやすい」

「せっかく書いた内容が蔑ろにされてるじゃないか!」
「読み飛ばしやすいとは何事だ!」

そんな風に、せっかく読んだ文章は一から十まで丹念に読んでほしいと思う人もいるかもしれない。
けれども、YOUTUBEでも急いでいるときは倍速再生や結論だけ見たくなるように、パッと読みたい時もあるのが人間だと思う。

そんな時に、書き手が伝えたい内容がきちんと明示されていて、画像でその部分について何が書いてあるのかがある程度明示されていて、気になるところだけ詳しく読めれば、読み手としては結構ありがたい。

なにせ世の中にはたくさんの情報が溢れている。
書き手である自分のことを知らない誰かが、その忙しさに応じて読み方を選べることは、結構noteを書いていく上でも大切なことだと感じる。

そのnote、「倍速再生」対応ですか?

いいnoteの形はもちろん人それぞれだ。
人によっても、そしてこれからも時代によって変わっていくと思う。
ただ、情報を発信する上で、長文を書くことは一つの手段になりうるし、読み手の間口を広げる上で、斜め読みできることは重要だと思う。

このnoteが、情報発信に悩む誰かのお役に立てば嬉しい。

こちらの記事を面白いと感じて頂けた方は「♡マークのスキ」を押していただければ幸いです。(スキは非会員でも押すことができます)
また、フォローやシェアも大歓迎でございます。
大阪の気軽にアクセスできない場所にあるお店ですが、今後もnoteを通して皆様と交流できれば幸いです。

↓↓↓ぜひtwitterやinstagramのフォローもよろしくお願いいたします!↓↓↓

twitter @tyarinko
instagram @docketstore

この記事が参加している募集

noteの書き方

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?