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クラウドファンディングを堅実な一手に。 小さなお店の考える「CAMPFIREとnoteの繋げ方」

「オリジナルグッズは作らないんですか?」

お店をしていると、お客様からふとした拍子にそんなことを訊かれる。
もちろんお客様には悪気はない。
うちのお店でしか買えないもので、うちのお店の感性なりこだわりなりが詰まったものがあれば見てみたい。
そういう気持ちで訊いてくださるし、それはありがたいことだ。

でも、お店をやって心底体に染み渡っているのだけど、「在庫をもつことは恐ろしい」ことだ。
例えば、自分のお店のロゴマークをいれたボールペンを作る事自体は難しくない。
今どきいろんなところが対応してくれる。
なんならアスクルだってちょっとしたノベルティに対応してくれている便利な時代だ。

でも、その商品を「売る」となると簡単ではない。
普通の商品に自分のお店のロゴを入れて、割高で売って利益が出るだろうか?
そもそもそこらへんで手に入るペンにマークを入れるだけで、欲しくなるのか?
じゃあオリジナルアイテムをメーカーと開発して、たくさんの数を作って原価を落として、たくさんの在庫を抱えて・・・在庫がなくならなかったらどうする? ねえ、どうするの?

だいたいそのあたりで、私の脳はオーバーヒート。
在庫の山に押しつぶされる自分の姿を思い浮かべながら、次第に視界がブラックアウト。
回復までに数日を要してしまう。

思えばお店を始める前。
私は「小売再生」という本を読んで、実店舗を持つことを決めた。
AMAZONをはじめとして、世界の小売店舗は危機を迎えている。
そんな中でも、店舗をメディアとして活用することで、実店舗にはむしろこれまでにない未来が待っている。
そんな内容に心が動き、知人のカフェの隣を間借りして、6坪程度の小さなお店を始めた。

そして、暗中模索の手探り状態で作り出した自分なりのnoteとBASEをつないだ活用方法は、多くの皆さんに読んでもらえる一つの結果となった。
中でもnoteの代表の加藤さんにお手本のようと言って頂けたことは、本当に勇気づけられた。

この投稿から4ヶ月近く経った私はいま、お店をメディア化したその先で、冒頭の「うちにしかない商品」を作り出すというチャレンジに取り組んでいる。
クラウドファンディングのプラットフォーム「CAMPFIRE」と、情報発信のプラットフォームである「note」
この2つのサービスを組み合わせることで、10月1日から始めたクラウドファンディングは、初日に20万円という目標金額を達成。
10月10日時点で、支援者数293名、目標金額達成率326%を超えて進捗している。

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今回のnoteでは、オリジナルアイテムを作ることに怯えてきた私が、どうやってCAMPFIREとnoteを繋げてクラウドファンディングに挑んでいるのかをご紹介したい。
そして、この投稿が同じような悩みをもつ誰かの助けになればすごく嬉しい。

クラウドファンディングで、オリジナルアイテムの需要を測る

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クラウドファンディングに抱くイメージといえば、誰かが夢見たアイデアにたくさんの金額が集まって、初期負担を抑えて商品が簡単に作れちゃう!・・・みたいなものがあるのではないだろうか。

もちろんそういうケースもある。
なんなら私もついつい夢見てしまいがち。
ただ、このプロダクトが世界を変えるんだ・・・なんてアメリカンなドリームは、抱いてもいいけれども、ハイリスクな分ハイリターンだと思う。

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そもそも、クラウドファンディングと言っても、集まる金額は様々。
設定する目標金額だって、10,000円から設定できるのだから、そんな無闇に大言壮語を吐く必要はない。

これまでお店が培ってきたお客さんとの関係性、SNSでの影響力、クラウドファンディングのプラットフォームを利用する人々と自分のお店の相性等。
そういったものを検証するために、クラウドファンディングはいい腕試しとなる。

これは、過去に自分自身に語りかけている言葉でもある。
というのも、自分自身「クラウドファンディング」と力みに力みまくっていたので、失敗したらどうしようとか、成功したらどうなるんだろうとか、そんな心配や邪念に振り回すだけ振り回されて疲れてしまっているところがあるからだ。

でも、実際にやってみてわかったのは、クラウドファンディングは「背水之陣」で挑む必要は必ずしもないということ。
むしろ、無謀になりがちな挑戦のリスクを和らげるための手法としてとても有効だということだ。

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例えば今回私がクラウドファンディングで提案したアイテムの一つに、A4サイズのドキュメントホルダーという物がある。
ポケットもなく、しっかりとした素材で紙の資料を挟み込むだけというミニマル極まりない道具なので、果たして一般受けするかどうか悩んで、一時は販売をやめようか悩んでいたアイテムだけど、フタをあけてみれば10日間で150個以上売れる人気ナンバーワンアイテムとなっていた。

商品として生産をしてから販売するとなると、こういった自信のないアイテムは淘汰されてしまい、可能性を試すこともできない。
しかし今回は、クラウドファンディングという形で発注前に需要を測ることができたおかげで、その可能性の芽を摘まずにすんだ。
また、想定以上の予約注文が発生したことで、メーカーさんにも多いロット数での注文が可能となり、原価を抑えての仕入れが可能となった点もクラウドファンディングならではのメリットだと思う。

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図になおすとこんな感じのイメージで私はクラウドファンディングを活用した。
先に原価やサンプルの作成を行い、どのくらいの資金が集まればどのようなことができるのを計画。
その上で、今回のクラウドファンディングでは商品のリターンを決めていく。
商品の割引も、その場で利益を出そうと考えると決断しにくいけれど、商品を今後もお店で販売していこうと考えているのであれば、新商品の需要を確認しながら反応が良ければ多めに作って原価を下げる。逆に反応が悪ければ、クラウドファンディングでの製造だけの限定商品として判断をして撤退することだって可能となる。

小さなお店が堅実な手としてクラウドファンディングを活用するのなら、クラウドファンディングを博打にしないという意識は必要だと思う。
はじめから派手な花火を狙わずに、少しお得な価格で用意をして、ロット数が多く集まれば原価を下げて初回注文ができるかも・・・。そのぐらいの期待度で、お店のオリジナルアイテムを世に問うためにクラウドファンディングを活用することは、地味だけれどもリスクをとれない小さなお店にとっては非常に使える手法だと思う。

クラウドファンディングの記事をnoteで作る

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今回、クラウドファンディングを行うにあたって、私はnoteを使ってクラウドファンディングの本文を作成してからコピペした。

文字の太さなど、一部反映はされないけれど、基本的な文章の構造はそのままコピーして貼り付けられる。
それに、画像を移すのも下書き保存した記事からドラッグで移せるのでそんなに大変じゃない。
なぜわざわざそんな手間をかけるのかというと、理由は2つある。

1つは「noteで文章を書くのは気持ちいい」ということ。

画像の差し込みや、文章の記入、記事の表示された時の美しさ。
noteは情報発信のプラットフォームとして人気を集めるだけあって、文章を書くのがとても楽しい。
今回のクラウドファンディングでも、私は1万字近い文章を書いたけれど、それ自体はもちろん大変な作業だ。
そんな大変な作業にあって、少しでも苦痛を取り除けるに越したことはない。

もう1つの理由は、「noteでもクラウドファンディングのプロジェクトを発表したかった」からだ。

今回、クラウドファンディングが始まったと同時に、noteでもクラウドファンディングの本文と全く同じ内容を発信した。

この記事の投稿によって、noteのフォロワーさんにしっかりとクラウドファンディングの開始を伝えるだけでなく、たまたま記事を読んだ人にまでプロジェクトを伝えるチャンスを得ることができた。

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実際に投稿から10日間で、ページビューの数は9000を超え、たくさんの方にプロジェクトについてご覧いただけたことが、クラウドファンディングの初速につながったと実感している。

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noteの文章の下部にはキャンプファイヤのプロジェクトページのリンクを組み込むだけで、あっという間にわかりやすいプロジェクトへの誘導ボタンが設置できるのもnoteのすごいところ。
こういったことが気軽にできることで、慌ただしい時間の中でも効率的にプロジェクトの周知を図ることができた。

一方で気をつけたいところが、クラウドファンディングの記事はある程度「斜め読み耐性」を意識した方がいいということ。
クラウドファンディングの魅力のひとつに、これまで交流のなかった人々にプロジェクトを通じて繋がれるという要素がある。

noteで5000字以上の文章でもじっくりと読んでくださる方が多いイメージだけど、クラウドファンディングではどんなプロジェクトを提案しているのかを画像や動画だけで判断する人も多い。

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どんな人にこのプロジェクトの商品が必要なのかをまとめた画像や、

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noteでは普段使わないこんなgif動画、商品の魅力を伝えるためには非常に有効的なので、ぜひ活用してみてほしい。

じゃあ、効率的に要点を抜き出してプロジェクトの本文を書いたがために欠けなかった、商品に込めた溢れる想いはどこで見せたらいいのか。
もちろん。その想いがあればあるほど活用の舞台はきちんとある。
それはぜひ、次のnoteでの情報発信についての項目でご覧頂きたい。

プレスリリースより爆発したnoteの威力

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クラウドファンディングでプロジェクトが始まった。
noteでもプロジェクト本文と同じ内容を発信したからそれで終わり・・・とはならない。
むしろここからがnoteの出番だった。

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CAMPFIREでは、プロジェクトページの中に「活動報告」という機能がある。
ここに、プロジェクトに関する進捗状況(◯◯%達成しました!)や、追加で行うリターンの情報なんかを書いていくのが一般的なのだけど、私の場合は「プロダクトストーリー」と題して、商品に込めた想いを書いたnoteへのリンクを何回も書き続けている。

支援を迷っている人からすれば、商品のことをもっと深く知りたい時に判断材料にすることができるし、noteで記事を記載することでプロジェクト本文同様にnoteからCAMPFIREへの流入も見込まれるからだ。

その中でも、前述のA4のミニマルすぎるドキュメントホルダーに関する記事は、noteの編集部のおすすめというコーナーで取り上げていただくことができた。

noteでは各ジャンルのプロが面白い記事を見つけてきて、オススメとして紹介してくれることによって読み手も書き手も恩恵をうけることができる仕組みがとても充実している。

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実際先程の記事は現在17,920ページビューを獲得し、CAMPFIREのプロジェクトへの流入に間違いなく貢献した。

上の図で言えば、2行目の記事以外は全てクラウドファンディングについての記事であり、合計すると46,348ページビューを獲得。
特にお金もかけずに、ここまで露出をすることができる手段は本当に限られると思う。

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一方で3万円のコストをかけて行ったPR TIMESでのプレスリリース記事のページビューは792程度。
もちろん、PR TIMESのことを研究して、定期的にプレスリリースを行えばもっともっと効果的に見てもらうことができるようになると思う。

しかし、予算も限られる個人のお店が情報発信の手腕を鍛えながら、たくさんの人に情報を届けたいのであればnoteは十分に効果的であることを身をもって思い知る結果となった。

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トップ画像にしているこの図式の通り、noteでの情報発信は「クラウドファンディングをはじめました!」というスタート以降の動きを非常に助けてくれる。
うちのお店の今回のクラウドファンディングでCAMPFIREのキュレーターさんに驚かれている部分として、日々の支援者数がなかなか減らないというところがある。

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CAMPFIREの参照元別PVレポートを見ても、Twitter、Facebook、Instagram以上に「その他」のアクセス数が「サイト内訪問(CAMPFIREユーザー)」「直接アクセス(CAMPFIREのメール等?と予測)」についで高い。

思い当たるのはやはり「note」
10/2の17時頃に投稿した最も読まれた記事からのアクセスは特に、10/3の1797PVという形で顕著に現れている。
その後の1週間も、毎日10人以上の人にご支援を頂けているのは、noteを活用することができているからだと推測している。

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また、CAMPFIREのユーザーさんも、このプロジェクトを通してnoteに流入する逆のケースも発生しており、いつもnoteの文末につけているInstagramやTwitterのリンクから新たにフォローをして頂くといった流れも生まれている。

このように、CAMPFIREとnoteを意識的につないで行動することで、プロジェクトそのものの認知度アップだけでなく、今後も長く交流していける関係性もまた構築していけているように感じている。

CAMPFIREとnoteで小さなお店ができることがある

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売場も小さな6坪のお店を作って、情報発信をしながら「お店をメディアにしていきたい」と思いながら走ってきたけれど、オープン当初はそのメディアをどうやって活用するかまでは考えることもできずにただただ走ってきた。

ただ、実際に5000名以上のフォロワーさんに見て頂く事ができるようになった時、何をすればその先に行けるだろうかと考えた末にチャレンジしたのが今回のクラウドファンディングでした。

CAMPFIREさんでは、現在サービス手数料12%と決済手数料5%を完全無償化する新型コロナウイルスサポートプログラムを開催中です。
実はうちのお店がクラウドファンディングに挑戦できたのもこのプログラムのおかげでした。
クラウドファンディングが気になっている方がいたらぜひチェックしてみてください。

もしnoteでの情報発信や、クラウドファンディングが気になっているけれどどうすればいいのかわからない・・・という方に、うちのお店のチャレンジで得られた結果が参考になれば嬉しく思います。
そして、これからもチャレンジをしていくうちのお店の発信を、フォローしていただいたり、必要な人がいればシェア頂ければ大変嬉しく思います。

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大阪の気軽にアクセスできない場所にあるお店ですが、今後もnoteを通して皆様と交流できれば幸いです。

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10月末まで開催しているクラウドファンディングのページはこちらからどうぞ。
1000円台からリターンをご用意しておりますので、ぜひぜひご支援いただければ嬉しく思います。

今回のクラウドファンディング関連で最も読まれた記事はこちらからどうぞ。
プロジェクト本文に書いたらとても斜め読みできないような濃厚さに仕上がっています。

たくさんの方に参考にしていただいた「ネットストアをメディアにする方法」についてのnoteはこちら。
今回のnoteの前編にあたるような内容となっておりますので、小さなお店をしている人にこそ参考にして頂ければ幸いです。



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