とある女の子と付き合おうか悩む君へ

こんにちはマンボウくん、お便りありがとう。
はてさて悩ましい事案ですね。
端的な答えが出せず、お手紙という形で返答というか感想を綴りたいと思います。
 
 
君が付き合おうとしている彼女は今どういう生活なのか、どんな恋愛遍歴だったのか、二人はどこで出会ったのか、彼女はマンボウくんの何を好きになったのか、マンボウくんは彼女の何にひかれているのか、など色々疑問はでますが、それは置いといて勝手に彼女について想像をします。
 
父が自殺し、母にも捨てられた。まず生きる設定がハードモードすぎますね。
彼女はどうやって世界を生き抜いてきたのだろうと想像します。
職業柄なのか苦しい方に想像してしまいます。
 
幼少期に愛情をうまく受けることができず、基本的な安心感・世界にいていい理由というのをうまく見つけられず、ここまで生きてきたのかもしれません。彼女はどうやってこの世界に安心感を見つけているのか、逆に言うと何をすればこの世界にいていいと思っているのでしょう。嫌な見方かもしれませんが、恋愛関係という場に自らを性的な意味も含めて差し出すことが、自分がこの世界にいていい理由を確認する数少ない術なのではと考えてしまいます。勝手に想像しといて悲しいです。
 
また彼女にとって安心感の持てないこの世界を見る方法は、人を敵か味方の二択にわけることかもしれません。その方がわかりやすくて不安になる事も減るからです。そうすると好きな人を理想化しやすいですが、理想に合わない要素があると絶望し、一転敵に置き換えるという揺れの大きさも出てきます。好きと嫌いが裏表。愛憎劇。あ、でもこれはみんな多かれ少なかれそうですよね。わたしも心当たりあります。

 
あとは年の離れたマンボウくんに親の姿を重ねている部分もあるでしょうか。個対個という関係としての恋愛ではなく、マンボウくんの一部として一体化し守られる関係を望んでいるとしたら、それは果たして対等な関係での愛なのか。そもそも愛ってなんですか。そもそも愛ってなんですか!!
 
 
全部想像です、全然そんなことない安心感まみれの子かもしれませんが、想像のまま続けます。
 
これらは彼女が生き抜いてきた方法です。人生を歩くための杖であり否定されるべきものではありません。むしろよくやってきたよあんた状態。でもこの杖は脆いです。そして根本にある、そのままの自分で愛(広義)されたいという願いは満たされることなく穴のように広がっていき、感情面行動面での不安定さが顔を出しはじめます。ホロウです。虚。
 
 
こういうパターンって珍しくありません。よくいます。そして恋愛に飛びつき傷つき、運が悪いとDVも受けたりして、生活も困窮したりすると、どんどん余裕がなくなっていきます。でも彼女が生き抜く杖は脆いまま。気づいたら人を信じるエネルギーすらも失ってしまいます。彼女はまだ若い。若いからこそ長く使える新しい杖をつくっていってほしいと思います。

自立って依存しないことじゃなくで依存先をたくさん持つこととよく言われます。だからいろんな人やモノや芸術にこれでもかってぐらい助けて貰えばいいんです。ただ少ない依存先の杖は摩耗します。彼女にはしなやかな杖をたくさん持って欲しいです。
 
じゃあどうするのかって答えはわかりません。
ただ言えるのは、彼女にとって恋愛とは世界全体をなんとか生き伸びる数少ない術なのかもしれないと思って関わることだと思います。とりあえず付き合ってすぐ別れても、深くかかわってうまくいっても、なんだかどうかなってうまくいったりいかなかったりしても、基本的な安心感をもっている人と比べると、それらが与える影響は良い方にも悪い方にも大きいと思います。

また彼女はマンボウくんの何をを必要としているのだろう、マンボウくんは彼女のどこに惹かれているのだろう。このあたりを掘って言葉にしていくことも2人の関係性を整理するのには役立つでしょうか。

 誤解を生みたくないのは、彼女に救いがあることも大事ですけど、それよりも一番大事なのはマンボウくんが苦しくなく生きる事です。著しい自己犠牲の上に成り立つものなんて良いもんじゃありません。そんな美談苦しいです。僕も絶対に自分ファーストです。彼女のそういった背景を想像して関わることは自分のリスクヘッジにもなります。

 
 曖昧な語句並べたけれども、結局どうしましょう。なんか案を出すなら、一定期間友人として、恋愛関係を介さなくても支えあえる関係があることを示してあげるのがひとまずの中庸案なのでしょうか。半年とかのそういう関係性での経過をみてまた考えていく。そんなあたりしか思いつきませんでした。

いろんな想像全部間違っていたら怒ってください。

散文となりましたがここで筆(指)を置きますね。マンボウくんに幸あれ。