北陸大学 杉森 公一 先生のプレゼン「主体的な学びの場を形成するためのFDの役割」
1ヶ月前ほどに参加した東京工業大学 教育確信センター(CITL)主催のイベント「オンライン学修環境シンポジウム-主体的な学びの支援を可能にする学修管理システムの未来-」へ参加したので、そのnote に書き留めておいたものを整えて記憶にとどめておく。
https://www.citl.titech.ac.jp/lpg_sympo2021/
北陸大学 高等教育推進センター センター長・教授 杉森 公一先生からの話題提供。
主体性をどうとらえるのか?
大学教職員と学生にとって、対面授業の価値が稀有なものとなり、オンライン化・デジタル化にともない、一斉に孤立してしまった。
対面授業の価値はなんであったのか?を問い直された。
優れた授業実践のための7原則
1. Encourage contact between students and faculty
2. Develop reciprocity and cooperation among students
3. Encourage active learning
4. Give prompt feedback
5. Emphasize time on task
6. Communicate high expectations
7. Respect diverse talents and ways of learning
集合対面であろうとオンラインであろうと変わらないのではないか。
東京工業大学 学びの7か条 自ら学び続ける力をみにつけるために
https://www.titech.ac.jp/guide/guide_2021/graduate/pdf/00-03.pdf
文言の中からピックアップされていた言葉(主体性に関わる言葉)
「・・・社会にでれば、自分で考え、学ばなくてはならない」
7か条の内容を、デジタル技術はサポートするツールとして活用されていく。
学習環境の要素(山内ほか2010)
空間:オンライへ
活動:オンライへ
共同体:ワークショップ 学習活動を持続的に展開するためには必要
人工物:対面・非対面の混在するなかで、BYOD、LMSでつながっていく
非対面型にともなうぺタゴジー(教育技法)の変化
さまざまなITサービスを活用した教育を教育工学とは異なる言い方で表現している。
Teaching with Technology は、次項に焦点をあてている
ー 学習者を中心とした活動へ(student engagement)の関与
ー 対面とオンラインを有効に組み合わせた授業設計
Learning with Technology は次項に焦点をあてている
ー 多様な学習形態を、学生が選択できる学習設計
ー 学習環境を整える
ー オンラインに対応したテーチング・アシスタント、チューターの育成
コロナ以前にもテクノロジー活用も実践されていた。オンライン上に配置された動画教材を授業中に視聴し学習し、その後、ジグソー法やポスターツアーで共同学習する。オンライン化やテクノロジー活用は、コロナ以前でもすでに一部で根付いていた。
ハイフレックス型の授業は大変難しかった。どういった所が具体的に難しかったかは語られていなかった。機材環境面は整えることができたと話されていたので、目の前の教室にいる学生と、オンライン上にいる学生を混ぜたり、切り替えたり、時には対応したりといった学習運営が難しかったのだろうと推測する。
非対面型大学を支えるには
学習環境の4要素(空間・活動・共同体・人工物)をオンラインに合わせて再構築する。
北米型学習技法の潮流は、教職員以外の教育関連専門家(学習開発者、インストラクショナルデザイナー、アカデミックアドバイザ)が関わるが、日本はどうなの?
FDの役割
・ 学生の学びを中心にすえる
・ 教育/学習 設計の再焦点化(テクノロジーの活用を前提とした設計)
・ 学習環境の再構築を支える専門家・担い手の再役割分化
ハードウェアやソフトウェアは整いつつあるが、それらを活用する側(教員組織) ヒューマンウェアが大切
Beyond the LMS
「LMSは制限的な構造であり、教師のオンラインでの教え方を支配している。」
使うツールの枠に囚われて教育・学習を設計してしまわないこと。使い所を考えるのと、使わない勇気も必要。
よろしければサポート宜しくお願いします。研修用機材購入にあて記事にさせて頂きます。