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カラー・アウト・オブ・スペース 遭遇(2019年製作の映画)

Color Out of Space
鑑賞:2020/08/07、記事公開:2020/08/08
監督・脚本:リチャード・スタンリー

ラヴクラフトでも好きな作品の一つだし、ホラーは劇場に限るということで鑑賞。間に合ってよかった。「人を蝕む見たこともないような悍ましい色彩」という文章だったらそれで済むものをどうヴィジュアル化したのかをすごく見たい!

※※多少ネタバレあり※※

こんなだっけと思いながらも、これはこれで大変よかった。
映画用の盛り上げ要素も良かったし、諸々のクオリティも大変良かった。人智を超越した恐ろしさを描くコズミックホラーを味わえて大満足。

キャストもみんなそれぞれ良かったし、音楽も作品の雰囲気に合ってたし、サービス的登場のクリーチャー的な造形物もいいアクセントになってた。映画ならではの付け足し要素も原作やラヴクラフトの世界観から逸脱しているようには見えず、何から何まで適切な作りになってと思う。
ラストも変にオチをつけずわからないものはわからないという結論でこれも嬉しい。
ドラマを家族間にフォーカスして緊張感を怪現象頼みにしなかったのもいい作戦ですね。「色」の恐ろしさを描くために、それに影響を受けて壊れていく家族の恐ろしさを描写することで表現。家族が変わっていく様子もあからさまでは無く普通にありそうな小さな行き違いが徐々に大きくなって行くのでような見せ方でうまい。

最後の盛り上がりも派手で良かったし。多分原作にはないクリーチャーも、ジョン・カーペンターの「遊星からの物体X」的な造形でストーリーにも無理なく嵌ってる。

いやーとにかく何もかもが良かった良かった。

監督のリチャード・スタンリーさんはよく知らないけど、ラヴクラフトへの思い入れは凄いあるんじゃなかろうか。 製作国がポルトガル、アメリカ、マレーシアとあり製作に関しての理解の苦労をうかがえる。
この作品が大きく話題になることは難しそうだけど、上手くいってデルトロの狂気山脈とか諸々に繋がってくれたらそんな幸せはない。

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