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待ちに待ってた「ラ・ラ・ランド」デミアン・チャゼル監督最新作!!ヴィジュアルから伝わる派手で楽しそうな「バビロン」見た

Babylon / 2021年製作の映画
鑑賞:2023.2.15 記事公開:2023.2.19
監督・脚本:デイミアン・チャゼル

ストイックな「セッション」、あまりにも幸福な「ラ・ラ・ランド」(と「ファースト・マン」)のデミアン・チャゼル監督最新作。
見ずにはいられない。
ちょうど時間も合ったので早速IMAXで。


予想してたよりテンション高めのノリできた。
「ファースト・マン」が合わなかったので期待値は低め。のせいか映画は普通に面白かった。ちゃんと楽しくて笑えた。

今作で良かったのは音楽の使い方。ファーストマンの音楽の使い方は覚えてないけど(確かその場の生音ぽいで激伴のようなものは印象に残ってない)、今作はもう一人の5人目の主人公かというくらい音楽が立ってた。「ラ・ラ・ランド」 のようにストーリーや登場人物に沿ったものでは無く、適度に対立を起こしながらとにかく劇中で鳴り響く。他の映画では見られない斬新なアプローチだった。これは凄い。

内容は普通と言えば普通。普通というか「ラ・ラ・ランド」と共通のもので、映画話法はちょっと上品になってた気がする。
音楽に「ラ・ラ・ランド」の曲のメリディも紛れ込んでいるので、二作の絡みは意図した物だと思う。「ラ・ラ・ランド2」と言われても納得できるような内容。

印象深いエピソードは、ジョヴァン・アデポさん演じるトランペット奏者が撮影のためにメイクをするシーン。この展開は皮肉が効いてて本当に面白かった。

若くして成功した監督が自身の前作を越えるために苦しんで足掻いてるようにも見えて、そこは是非もがき苦しんで頂きたい。
マーゴット・ロビーの頑張りは素晴らしい。実際の人柄はわからないが、キャラクターがちゃんとそこに息づいているように感じた。「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」よりも、ハーレイ・クインの方がしっくりくるので今作もマーゴット・ロビーが輝いて見えた。
ブラット・ピットは、今の年齢の彼しか出来ない説得力を放っていた。それほどキャラクターの説明は無かったと思うけど彼の背負っているものが伝わってくるのはすごい。初めて見たディエゴさんも良かった。まだキャリアは始まったばかりのようだけどこれだのメンツについて行けてるのが凄い。
他のキャストも癖がありつつ、実際にいそうな存在感でみんな良かった。

最後のシークエンスは無くても良かった気がする。無くても充分伝わるような。
これを見たお客さんがどこかで彼と同じことを感じる時、この映画が観客の記憶の中に蘇って初めてエンドクレジットが流れるのではなだろうか。
けどそれは確かに気の長い話ではあるし、それを監督は期待できなくなっている事もこの作品の意図なのかもしれない。

帰って聞いたサントラがいい。こんなに盛り上がるのはエミール・クストリッツァの「アンダーグラウンド」以来かも。

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