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レンタカーの怪

屋久島ではRがレンタカー担当だった(予約から)。
3泊4日のうち、3~4日目。R希望の車種は「アクア」だったらしいが、実際に割り当てられたのは「パッソ」。残念。きっとまた機会があるよ。

車音痴・茶ぶどう

茶ぶどうは無免許人間で、車のことは何もわからない。
車を見ても、「車だな」としか思わない。
サイズの違い・色の違いは認識するが、それがなんという名前の車かまでは考えようともしない人種である。
助手席に座ったのも、父の運転する車と高校の同級生が運転する車くらい。
なので、自分の「助手席力」にはおおいに不安があった。
助手席に座る者が遵守すべきマナーは……?
すべきこと、してはならないことは……?
しかしRは寛大で、「私の運転にいちいち文句をつけなければそれで十分」だという。
マジか。乗せてもらう分際で言うわけない、運転の良し悪しなんぞわからんし。
 
レンタカーでいざ発進。
Rは運転が好きだという。親御さんが運転下手で、そのせいで小さい頃は車酔いで苦労したそうだ。
「運転している人はブレーキをかけるタイミングが自分でわかるから酔わない」
ほーん。そういうものなのか。

しゅっぱーつ

レンタカーを借りてからは、
・ヤクスギランドへ、50分コースをガイドなしでまわる
・スイス人女性(写真家)をレンタカーに乗せる
・湯泊温泉に入る
・素敵な貸しコテージへ
・夜のウミガメ観察会に参加する
・千尋の滝を見に行く
・海カヤックに乗る(←記事アップ済み!)
――ざっとこんなことがあったので、まあいずれ別記事に。
 

茶ぶどう 助手席での活躍

さて、2日間レンタカーの助手席に乗った。
Rいわく、茶ぶどうは「ナビが上手」らしい。ちゃんと地図(※1)を見て、道の看板と照合し、「まだ先」「次〇〇が出てくる」など実況するので助かる、と言う。やった!
まあ、屋久島は道が非常に単純で、メイン道路は島の外周1本なのだ。茶ぶどうは本来、地図は苦手である。
でもほめられてご満悦。
 
車の画面?(R注:メーターパネル)に出てくるサインが何を意味するか、説明書の該当箇所を読み上げることもできた。
茶ぶどうは読み上げ機能つき。優秀。(手がつけられない増長ぶり)
 
Rはドライバーらしく運転の実際を話してくれた。
レンタカー(しかも女性ドライバー)だとなめられやすい、
8割以上の人は安全運転するけど「かっこよさ」を追求する人たちも一部いる、
海カヤックのガイドさんは道を知り尽くしていて上手に運転している(なんとかを使ってないとかなんとか)(←理解できてない)、
車を持つと維持費が子ども並みにかかる……
「あの車、両側がへこんでいるでしょ。低いポールかなんか2本いっぺんにぶつけたんだよ。」
「下手ってこと?」
人間観察力がカンストしているRだが、車観察力もすごかった。
 「下手な車とは車間をしっかりとる」のが安全のため大事らしい。

最終ミッション:レンタカー返却

さて、4日目の海カヤック→尾之間温泉のあと。
我々の屋久島における最終ミッションは「レンタカーを時間内に返却する」であった。
 
温泉から、屋久島空港付近のレンタカー屋まで、ギリギリ間に合わなさそう。
しかも、レンタカーというのは返却前にガソリンを満タンにするものなのだという。ガソリンスタンドに寄らねばならない。
「茶ぶどうさん、悪いけどレンタカー屋に連絡してくれる?」
ぴ ぽ ぱ
Rが必死に運転する傍ら、茶ぶどうは電話した。
――今〇〇にいて18時に返却できるか微妙なんですが。
「あー、今そこだと間に合わないですねえ……
ガソリンは入れてこなくていいのでそのまま来てください」

でもRはがんばった。私もガソリンスタンドを地図上で探し、ナビにつとめた。
「もうすぐ……あった!」
Rはガソリンを満タンにして、時間内にレンタカー屋に到着した。
これにはお店の人も驚いていた。
 
飛行機の時間までは多少余裕があったが、車の中の荷物はどうにかせねばならない。
Rが返却手続きをする間、茶ぶどうは懸命に荷下ろしをした。
車のポケットや座席の下もよく見る。
元教員として、忘れ物をするなどという不面目は避けなければ。
 
空港まではレンタカー屋さんの車で送ってもらった。歩けない距離ではなかったが、荷物もあるのでたいへん助かった。屋久島は本当にすばらしい。
 

屋久島の小さな思い出

無事に空港着。ソファに荷物をおいて、トイレタイム。
戻ってみると、Rがなんか言いたそうなニヤニヤ顔をしていた。
「どしたの?」
「茶ぶどうさん……これごと抜いてきちゃったの?」
???
 
Rと私がスマホ充電に使っていたケーブル。
その先に……

わっつ ずぃす?

「これは、車の付属品」
「!!!」
 
茶ぶどうは
 シガーソケットに刺さっていたUSB差込口

充電ケーブルごと引っこ抜いてきた
のだった。


笑うR。
「いやあ、言われなきゃわからないよねえ!」
「私は……なんということを……(フルフル)」
 
茶ぶどうは自分の愚かさに絶望した。
走って返してこようと思ったが、飛行機の時間もあるので、帰ってから郵送しようということになった……
 
帰宅した翌日。
茶ぶどうはRの丁寧なインストラクション(※2)のもとレンタカー屋さんに電話を入れた。
「すみません……〇日にレンタカーを返却した者です……
実は誤ってUSB差込口を持って帰ってきてしまい……そちらに郵送する形でいいでしょうか」
すると
「ああ、高いもんじゃないんで破棄してください。郵送しなくていいですよ」
とのおこたえ。
 
えっ……いいの?
 
事の顛末をRに報告。「屋久島最高!」と二人で感動を新たにした。
問題のブツは、R所有の「茶ぶどう思い出ボックス」(?)に収蔵される予定である。
(※3)

今度 持っていくからね


 
※1 るるぶ。家から持参していたが茶ぶどうがスーツケースから取りだしたのは3日目、車が出発した後ようやくだった。(It was not until ... that...構文)
 
※2 どこに電話するか、ブツはなんであるか、借りた車の種類とナンバー、「違約金を払え」と言われた場合の対応など。Rは元教員らしく、指示が丁寧でわかりやすく、隙がない。私も元教員のはずなのだがどうしてこんなに隙だらけなのか。

※3 本記事は下書き(画像つき)をRにチェックしてもらった上で投稿しています

(↓↓4日目 シーカヤックの記事↓↓)


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