生まれて初めてアイドルを好きになった【3】
小学校に通っていた頃、宮沢賢治の雨ニモ負ケズを暗唱する課題があった。
どんな意味があったのかはわからないし、当時の年齢も覚えていないし、担任の教員の顔も朧げである。そんなわたしの記憶力でも未だにこの詩は暗んじることができる。
そして当時、こんな人生何が楽しいんだ、と日本を代表する文豪をこれっぽっちも尊敬していなかったことは、鮮明に覚えている。
わたしが年齢を重ね、自身の労働を対価に収入を得るようになった。今では強く思う。
慾はなく、いつも静かに笑っている。
そんな人間になれ