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凄い洋画予告編。多少大げさでも許しちゃう勢い。闘志に火を点ける映像たち

前回の邦画編に続き凄い予告編を紹介。今回は洋画編です。

かつては(作品の出来は問わず)如何に面白く見せて客を集める(騙す)かの配給会社による総力戦が行われた時代が日本にはあります。

YouTubeに残る当時の貴重な映像を見ると、激しいシーン、言葉少なめでも心に残るナレーションが共通しており、やはり、心を掴むのではなく、首根っこ掴むんだという姿勢が大事だった事が分かります。

この辺の少し狂った時代の詳細は下記の書籍「映画宣伝ミラクルワールド」で知る事ができます。

イヤー・オブ・ザ・ドラゴン(1986年)

ミッキー・ロークvsジョン・ローン。
一匹狼の刑事とチャイニーズ・マフィアの若きボスの一騎打ちを描くバイオレンスドラマ。

轢き逃げ、頭破裂からの激突爆発、銃弾で手に穴が開くなどマイケル・チミノ印の衝撃シーンが続々。太鼓ベースの音楽をバックに最終決戦の舞台、線路上のカットを2人の写真で挟んでタイトルで終わり。

ローンのギラギラ感とやさぐれロークは共に色気抜群の全盛期。
ただ、いきなりゴッド・ファーザーのテーマは反則でないか?

男たちの挽歌(1987年)

ジョン・ウーの出世作にして名作中の名作ですね。
「香港映画50年の歴史を変える凄い映画がやって来た!」と紹介され、2丁拳銃、噴き出す鼻血、友情の握手、そしてあのテーマ曲。。

ナレーションを務めた小林清志氏の言葉は「香港映画50年の歴史を変えたスーパー・エクスプロージョン・アクション」。

スーパー・エクスプロージョン・アクションって何?という疑問も些末に聞こえる男気に満ちた内容に最後はチョウ・ユンファの憂いを帯びた顔で終わり。主に男性の観客を鷲掴みにしたであろう内容です。

ランボー3 怒りのアフガン(1988年)

私が贔屓にしている映画ライター「ビーパワー ハードボイルド」"DIE"sukeさんも取り上げていた凄い予告編。

ナイフが3本上から落下してギリシャ数字の「Ⅲ」に変形。

炎をバックに「怒りのアフガン」のゴシック体が1文字ずつ表示。

お馴染みのテーマをバックにヘリ3機撃墜マシンガン連射爆破の画がひたすら続く。

内海賢二氏のナレーション
「いま、15万のソ連軍最強師団の中へ ランボー3 怒りのアフガン」

最後は「東宝東和 提供」のテロップの中、ランボーがバズーカで敵陣爆破で締め。

本編だと「15万もいた?」というツッコミも浮かびますが、見ようと思わせる予告だというのは間違いなく、宣伝としては正しい、首根っこ掴む予告の極致といって差し支えないでしょう。

レオン(1995年)

フリスクの空き缶で真似したくなるゲイリー・オールドマンのキマリ演技
初々しいナタリー・ポートマンと寡黙なジャン・レノのシンプルな会話

あとは爆発シーン多めでナレーション「12歳の女の子に愛された、殺し屋」でサブタイトルは「凶暴な純愛

あと流れている音楽は本編にはなくリュック・ベッソン監督の前作「ニキータ」の曲です。折角なのでこちらも。

ナレーションは「名前は、ニキータ。泣き虫の殺し屋」。
サブタイトル「凶暴な純愛映画」。

構成が大体同じ。キャッチコピーも似てる!

ヒート(1996年)

アル・パチーノ、ロバート・デ・ニーロの共演で引き締まる作品。
壮絶な銃撃戦も勿論お披露目。お互いに「お前を殺す」と宣戦布告するやり取りも収録。

クロノス・カルテットによる旋律と共にデ・ニーロ吹替担当の津嘉山正種氏のナレーション。

「叫ぶか黙るか 2人は出会った 今高鳴る銃撃のシンフォニー」

デートムービー目当てで来たカップルを黙らす漢の戦いを見せる予告です。

総括

やはり洋画編は中身が濃いのが多く全部書くと長くなってしまいますね。
ひとまず前回より1つ多い4本で。他に短い説明で紹介できるのは。。

見事なネタバレ回避「エイリアン」(1979年)と「プレデター」(1987年)
逆にネタバレ全開ロッキー4 炎の友情」(1986年)
夢を見ていた感覚「ラストエンペラー」(1987年)
達人、チャンピオン大集合「少林寺」(1983年)

辺りでしょうか。「ラストエンペラー」と「エイリアン」は素晴らしかったのですが、タイトルの勢いと闘志には当てはまらないかなという事で除外しました。スミマセン。

とはいえ、予告だけで鳥肌が立つ作品というのもまたね。
見てみたいですね。


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