A-2 本

あなたは本を読むだろうか。
ここで言う本とは、雑誌・漫画を除く、活字で構成されたものだ。ジャンルは問わない。小説でも新書でも、学術的な内容のものでもよい。
私は人に興味を持ったとき、本を読むかを尋ねる。そして、この時の返事は多くの場合「読む」という旨の答えが返ってくる。つまりは私が興味を持つ人は大抵本を読んでいるということだ。軽く調べてみたところ、日本人で本を読む人の割合はざっくり半分くらいのようだ。
現代では様々な手段によって情報を得ることができるが、そういった面では本を読むというのは最も効率の悪い手段であると勝手に思っている。なぜなら本というのは主体的に目を通さなければならないものだからだ。youtubeや映画などの動画、様々な音楽、他人との会話など、多くの場合は受動的な姿勢であっても勝手に情報が入ってくる。もちろんこれらにも主体的な姿勢で向き合えば考察を行ったり情報を整理することで頭を使うこともある。ただし私がここで言いたいことは、受動的な姿勢でも情報が入ってくるかどうかということだ。ここで一度まばたきをし、10秒ほどボーッとしてみてほしい。おそらくこの画面からなんの情報も得られなかっただろう。今あなたが読んでくれているこの文章は本ではないが、ただの文字の羅列という点では本と同様だ。冒頭で漫画と雑誌を省いたのもこの点からである。絵や写真というのは何も考えなくても視界で認識できるが、文章はそうではない。
では何故私が興味を持つ人は本を読んでいることが多いのだろうか。これには2つの理由が考えられる。まず、基本的に私は主体的な姿勢のある人間が好きである。受け身でなるようになるだろうみたいな考えの人間とは基本的に合わない。この点はまさに少しでも本を読もうという発想があるというだけで関係してそうである。もう一つは、本を読むことによる深みだ。一般的な文庫本の文字数は、10~12万らしい。読書感想文というのは私の嫌いな課題の1つであったが、これだけの文字数を読んで得られる感想はせいぜい1000字だろう。なんなら新書を読んだ後なんかは、心に残った一部分しか感想として出てこないことも多いと思う。これらに共通して言えることだが、感想として残らなかった部分は無駄ではないということだ。それらの情報を自分の中で処理したという経験、感情の変化などが人としての深みに繋がっているのだと思う。もちろんリアルでの行動における積み重ねなどがその人の多くを作っているのだろうが、一方で本を読むことはその人が実体験から取り入れることはなかった要素が取り入れられる。よって人間としての深みが出るのだと思う。これら2つの理由から、私は私が興味を持つ人間は本を読んでいることが多いのだと考える。
もしこの文章を読んであなたが少しでも本に興味を持ったのなら図書館へ行くことをオススメする。そして本を3冊借り、そのうちの1冊を読んでほしい。面白くなかったら別の本を読めばいいのだ。とにかく1冊でも最後まで読むという経験をすると、しばらくは本を読むという選択肢が生まれるだろう。

本を読むやつは興味深い。
ジョジョが好きなやつは面白い。
ジョイマンが好きなやつはいいやつ。

この3つだけは間違いないと自信を持って言える。

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