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続・オンラインキッチン検証。次回のsio鳥羽さん&次々回のミスチ田村さんと話したこと

先日の投稿にとても大きな反響を頂きました。ありがとうございます。嬉しいことに、続いて代々木上原『sio』の鳥羽周作さん、Mr.Cheesecakeの田村浩二さんともご一緒できることになりました。彼らとの会話含め、引き続き脳内を全公開でいきたいと思います。

前回投稿のダイジェスト:

●テーマは「オンライン化」ではなく「お店との新しい関係づくり」
●料理人はパーソナルトレーナーになる
●オンラインキッチンは「手軽に便利に」「料理のナレッジが身について」「シェフや参加者と友達になれる。楽しい」
●料理人は料理をしなくてもよい
●投げ銭は1人2000円程度だった

「飲食店の働き方改革」というビジョン仮説

今回も最初に僕の結論を書きます。今回のプロジェクトが目指している未来の姿(=ビジョン)について思考と議論を深めた結果見えたのは、「飲食店の働き方改革」ということでした。(門外漢が恐縮ですが……)

A. オンラインキッチンがカルチャーになって、
B. ちゃんとお金の流れも確保できたら、
C. レストランが週休1日増やせるのではないか?

こういう思考の流れです。

飲食業界、どなたと話しても出てくる根本課題は「長時間労働と低賃金」です。毎日お店をあけて仕込み-営業-片付けをこなし続け、死ぬほど新規参入が多い中でお客さんを集め続けるという戦い。超古典的で超レッドオーシャンな市場では、ごくごく一部を除いて労働環境は厳しい。本当に頭が下がります。(ここらへんの思いは以前詳しくnoteに書いたので是非)

詳細後述しますが、僕らは3000円×10〜15名という価格をベースとして設定しました。つまり、1回やると3万〜4.5万円。しかもこれはほぼ粗利で、これまで培った技術という資産を別の形でお金に変えるというものです。

先日「コロナは何故飲食店を殺すのか」という記事が広くシェアされていました。ここでモデル店舗は30席、客単価3000円、FLコスト60%(食材原価&人権費)というもので、1日の売り上げは12万円と試算されています。FLコストを引いた利益は40%をかけて4.8万円です。なんだか数字似てませんか、、、?

オンラインキッチンやれば週に1日休めるじゃん!というのはもちろん超短絡的です。何よりお店は看板シェフだけのものではないですし(ただ、テーマは「お店との関係」なので、1人の料理人である必要はそもそもなく、「今日はこの若手と一緒にやります」みたいのも面白そうです)。

でも、もしこれが実現できたら、その日は社員は自己研鑽に費やすことができて技術やサービス向上にもつながる。結果お客様ももっとハッピーになる。そんなサイクルを生み出せないかと妄想しています。

僕はWithコロナはソーシャルディスタンス社会と(いまのところ)理解しています。オフラインの機会が減るということは、オフラインの選択肢がより厳しく選別されるということ。営業日を減らしてでも、より良い商品やサービスを提供できるお店こそが求められる。オンラインでパーソナルにつながれること、自己研鑽の結果の新メニューが食べられること、そういうお店の常連に僕はなりたいです。

3000円という価格は実現できるのか

ここまでは、供給側の視点です。それを実現するためには、「A. オンラインキッチンがカルチャーになって、B. ちゃんとお金の流れも確保できたら」、つまりユーザー側の価値が必要です。

僕はどうしてもビジョンから引き戻してしまうので、3000円×10-15人は「思い」と「感覚」であり分析ではありません。もちろん1000円×30-50人という計算式も成り立つのですが、前回の投稿で「ライバー型」とした通り、それはごく一部の影響力ある店舗しか実現できないので僕は選択しません。

計算式を分解して考えます。まず10-15人という人数について。

前回投稿の通り、パーソナルトレーナー型として、関係性が生まれたり、満足できるコミュニケーションがとれることが大切なので「少人数」は前提です。その人数は何人までなのか?ここが一番検証したいところです。

前回の松嶋啓介さんは10人までかなあとおっしゃっていました。含めて相談したところ、今週土曜日にご一緒するMr.Cheesecake田村さんは、「15人できるかやってみましょう」と乗ってくれました。(※次回開催のチケットは1日で売り切れました、noteで告知できずすみません。今後のイベント情報はLINEで配信します

続いて、3000円という価格設定について。

いま大手含めてオンラインの料理教室となると、1000-1500円くらいのものが出てきています。また、料理家さんたちはインスタライブなどで料理教室動画を無料で流しています(ライバー型です)。そうした中で、3000円という設定は受け入れられるのか?いや違う。どうならば受け入れられるのか?

具体策は次に書きますが、考え方は明確です。オンラインの料理教室としないことです。価格はどうしても既存のものとの比較で評価されるものです。オンラインキッチンが比較されるべきは料理教室ではなく、「お店に行く体験」なのです。

少人数で一緒に料理をする時間を過ごしたら、一回で「常連顔」ができるようになった。あの店の看板メニューを家でも再現できるようになった。もっとファンになった。今度行った時に、シェフに別のお気に入りメニューの作り方を聞いてみよう。

それはお店に行くのとはまた別の、特別な体験になるに違いない。そしてそれは、オフライン価値を高めるものになるはず。こうした時に、3000円は高いだろうか?ここにチャレンジしたいんです。

食卓に料理人が遊びにきてくれる

次回開催sio鳥羽さんとの打ち合わせで、鳥羽さんが大切にしていたのは、参加者の自宅での景色でした。「難しい料理じゃなくて、誰でもできる。でも美味しい。それを僕は届けたいんです」。

そんな彼が選んだのは、明太子パスタとほっけパクチー。ただつくるだけじゃなくて、セッション後の食卓までイメージしている鳥羽さんの愛に感動したし、最高だと僕は思いました。(鳥羽さんも即日売り切れですすみません。今後はLINEを

Mr.Cheesecke田村さんはこんなことを言ってました。「僕が料理の技術を教えるんじゃなくて、集まってる人たちがいて、そこに技術が乗っかることでより楽しい場になる。そんな順番がいいと思うんです」。

2人とも大人気のいわゆるインフルエンサー。でも、すごく参加者の目線なんです。参加者の生活においてどんな価値ができるのか?を自然に思考しているからこそ人気なんだと思います。

これを言葉にするなら、いろんな「食卓」に料理人が遊びにきてくれる、そんな感じじゃないかと思います。オンライン店に「行く」というより、実は自分のところに遊びに「来てくれる」。

だから、鳥羽さんの会は「普通だけどとびきり美味しい平日ディナー」。土曜日の午前中にやる田村さんの会は「ちょっと特別な極上のサタデーブランチ」がテーマです。こんな「日常+アルファ」が、いろんなお店とつながることで実現できたら、それはwithコロナ時代の素敵な生活だと思うのです。

仲間を募集してます

長くなったので、本稿はここで終わりにします。いよいよ今晩は鳥羽さんと、土曜日に田村さんと、オンラインキッチンを開催します。またそこでの学びを書こうと思いますので、是非ご注目いただけると嬉しいです。そして、できたら一緒に「お店との新しい関係」を考える仲間にいなってください。具体的には……

●WEBサイト公開!(4/28)ぜひチェックして、一度体験してください

●まずはイベントを体験してください。フィードバックください。イベント情報をいちはやく配信するので、LINEに登録ください。

●ご興味の飲食店の方はご連絡ください。この店のオンラインキッチンを希望したい、というリクエストも募集します。(連絡先:bishok.club@gmail.com)

●オンラインキッチンの形作りを手伝ってくれる人、募集します。チームに入ってもらってガシガシ手を動かせる人。(連絡先:bishok.club@gmail.com)

よろしくお願いいたします!

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