[20]パイロットまで、あと2年。
日曜は、ブン太と東川と一緒に行動した。
正直行きたい場所があるわけでもなく、
すぐ美術館に行こうという話になった。
東川はあまり興味がなさそうだが
特に行くあてもないらしく
渋々とついてきた。
2日連続で同じ美術館でも全く問題なかった。
ホテルで図録をめくっていたら
だんだん読み込んでいき深夜まで熟読した。
実物大で観れるというのなら
ぜひもう一度鑑賞してみたい。
一緒に行っても会話をするわけでもない。
それぞれのペースで展示を鑑賞していく。
俺とブン太はほぼ同じ速度。
東川はやたらと早い。
壁画の足元には武器があったらしい。
なぜこの洞窟に絵を描いたのか。
そこで武器を保管する意味とは。
言語を持たない彼ら、彼女らは何を思ったのか。
全ては想像の域を出ない。
「そういえば、俺たちは休暇が始まる前に
射撃訓練があるんだよな。」
そうだった。
まずは武器のパーツを全て覚える。
バラバラにすると木片・鉄片とバネになる。
それを分解して組み立てるまでの時間を
テストすることになる。
「帰ったらまた訓練だな」
「ああ。美術館、いいな。」
「だろ?」
ブン太には気に入ってもらえたみたいだ。
彼女はしばらく必要ない。
とりあえずパイロットにならなくては。
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