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読書感想-「私の個人主義」夏目漱石

昔は講演会も立派なマス・コミュニケーションだったのかな。それが数百円の古本で読める。良い時代だ。

■漱石の指摘は、ほとんど現代に通じるものばかり。専門家のタコツボ化や、世間に合わせない人を誹る風潮など、明治の人なのに「隔世の感」を思わせない。

■どの講演も面白いが、表題「私の個人主義」は何度も立ち返りたい。「自分の個性を発揮するなら、他人の個性も尊重しなければならない」という。

■それを未来のエリートが集う学習院で述べたのが良い。お前たちは権力を握るのだから、倫理的にも修養を積むべしと。心に刻んだ学生もいただろう。

https://bookmeter.com/books/579033

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