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読書感想-「タタール人の砂漠」

勤勉と無為は似ている。自分がする仕事の意義を誰かに任せて、ただ忠実に……

■舞台は、国境の砂漠地帯にある忘れられた砦。華のない職場で、誰もが千載一遇の機、すなわちタタール人が攻めてくる日を夢見ている。「無駄じゃなかった」と言えるその時を

■若い主人公が、環境に慣れていく様子がおそろしい。異動を望むのは、自らダメな奴だと認めることではないのか?――見栄を張るうちに数か月が数年になる。出世をし、居心地は良くなっていく

■30歳で「まだ若い」と思っている自分の心根を見透かされた気がした。勤勉に仕掛けられた甘美な罠だ。

https://bookmeter.com/books/6622517

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