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読書感想-果つる底なき

池井戸さんのデビュー作。銀行マンが殺人事件を解き明かすという設定が大胆だ

■「銀行ミステリ」の面白さは、無機質な数字とカネの流れから、愛憎と権謀術数が浮かび上がるところだ。半沢直樹にもつながるセンスを感じた

■一方、池井戸作品のテーマは意外と普遍的である。出世競争に呑まれる人、減点主義に怯える人、組織に良心を委ねた人たちの狂騒曲――。それは日本のサラリーマン全般に馴染みのある光景だろう

■銀行の慣習は知らなくても、嫌味な上司や同僚はゴマンといる。「知っている」と「知らない」のバランスが、ヒットの秘密なのか。

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