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読書感想-ひと
失うことは悪いことばかりじゃない。両手が塞がっていなければ、新たな出会いも受け取れる
■父を事故で亡くし、母を病で喪い、主人公は地元から切り離されて東京で暮らす。「不幸」と言うのは簡単だ。しかしこの作品はほのかに明るい
■前向きで素直な感性と、若さのためだろう。それはいつだって人生の味方だ。大望でないが、夢がある。人に何かを譲れる心の豊かさがある。だから助けてくれる人も現れる
■これは悲しい運命をくじく話だ。そこに強い意志や、血反吐を吐く努力はいらない。ただ、素直な明るさが、人生を徐々に好転させてゆく。
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