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SIDE TRACK(サイド トラック)

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トゥーヴァージンズ発の新たな連載メディアです。 本線(本来の道)とは別の“もうひとつの道”。 そんな脇道にふと入っていった先に、 まだ見ぬ言葉や文章、景色との新たな出会いがありま…
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記事一覧

第16回 ベイビー、強く抱きしめて

百円玉の乗った手が脳裏に焼き付いて離れない。男のものにしてはほっそりしていて、女のものに…

第5回 「初の大規模振り返り」

自身初の大規模個展(どこからが大規模?)の準備を理由に、ふた月ほどこの連載を休んでしまい…

第15回 脚本家は撮影現場に行くべき?

数年前からインティマシー・コーディネーターという職種をよく耳にするようになりました。僕自…

第15回 明日に向かって祈れ!

みんな、休日はどう過ごしているの? ずっと気になっているよ。特に、わたしと仲良くないひと…

第14回 共同で脚本を書くことの面白さと難しさ

ドラマや映画作りにおいて脚本という作業は基本的にたった一人でやるので非常に孤独な作業とな…

第14回 さやけき園

高校の同級生で落語家になったひとがいて、真打に昇進することが決まったらしい。すごいことだ…

26 狂気と正気

人は基本動物で、動物のままなのが、イコール人間の狂気なのだと思う。 なぜ始まったのかもう誰にも説明不可能で、そしてもうどうしてもやめられない戦争というのは、ある狂気の正体なのだと思う。 燻った、動物の攻撃本能としての怒りエネルギーの発散の正当化。 中島敦の『山月記』やカフカの『変身』が魂にズシンと響くのは、わかってしまうからなのだろう。 虎や巨大な昆虫は、狂気の比喩だ。 知性やセルフコントロールの放棄だ。 李徴は詩人となる夢に破れ、グレゴール・ザムザは繰り返す日常を拒否し

第13回 着想はどこから得るか

この4月からシナリオ作家協会が主催しているシナリオ講座というところで講師を始めました。以…

第13回 ムイシュキン

この文章は、筆者による世直しの提案である。私事で恐縮だが春から勤務地が変わり、著しく混雑…

25 でべそとボタン

子どものころ、でべそだった。 母は、わたしを病院に連れていった。 医者は、「成長につれて…

第12回 「ダメな人」を書くのはますます難しくなる

僕のシナリオにはよく「悪い人が出てこないよね」と言われます。これはまったく褒め言葉ではな…

24 存在と情報

存在とは、言い換えると情報のこと。 存在感があるとは、つまり情報量が多いことなのだろう。 …

第4回 「今年は服が来る」

先日渋谷に行って確信した。服は流行っている(これマジ)。 以前何かのテレビ番組で「今年は…

23 花火とケンカ

花火は、ケンカだ。 ケンカは、花火なのだ。 どちらも、内部情報の短時間での全暴露。 だから、人は見物する。 あの化学薬品とあの化学薬品を掛け合わせると、あの色になるのか。 つまりこの人の現恋人があの人の前恋人なのか。 一目一聴瞭然。 一年かけて、この花火大会のために仕込んだのだから。 自分の青春をかけて、恋愛をしたのだから。 コスパが高い。 見世物として、成り立つ。 花火大会では、失敗は禁物。 ケンカでは、ここでケリをつけねば一生の恥。 ゆえに、緊張感が半端ない。 そ