認識とはなにか その8

A⇆Bという認識の組み合わせがあるとする。

Aが“聴覚である”という認識が成立するとき、
聴覚⇆B となり、聴覚が対象の場所に、Bが対象の内容になる。
認識の組み合わせの一方が聴覚や身体感覚などの感覚の認識である場合、感覚が対象の場所になることは自然なことに思える。

Aが感覚の認識ではない場合はどうであろうか。
対象が思考である場合、思考の内容となる認識と、思考の場所となる認識が一組の組み合わせとなって出現するはずである。
思考は身体の一部分ではない。しかし、「頭の中で考える」という一種の比喩表現があるように、自分はこれまでに得た情報、知識や経験や記憶を思考の場にアウトプットしながら物事を考えていく。
このアウトプットされた情報、知識、経験、記憶の集合が、“思考”という対象の場所の認識として機能していると考えられる。そして、この集合もまた単に思考と言われたりする。

保存されている情報、知識、経験、記憶などの認識は、新たに出現する認識を意味づけると同時に、アウトプットされた情報の集合する場所の認識が、新たに出現する対象の場所の認識として機能するものと考えられる。

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