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ブックレビュー『一度読んだら絶対に忘れない世界史の教科書』(SBクリエイティブ)

私のように「日本史は得意なのに世界史はナゼか苦手」というかたへ、全力でオススメです。日本史も世界史も苦手というかたへも、これまた全力でオススメです。
発売されたのは2018年。もう4年前です。
4年間、勤務先の売り場で全力でオススメし続けて現在に至ります。いまだに売れ続けていて、すっかり「定番書」の座に着いた印象です。

私、自分で言うのもなんですが、受験生当時、日本史は大変に得意でした。偏差値もかなりの数値でしたし、学校の日本史の授業が毎回楽しみでした。もともと好きな教科であったことに加えて、その先生が「物語を聞かせるように」授業をしてくれたことが良かったのだろうと思います。
しかし、世界史は全然ダメでした。
カタカナでの固有名詞が覚えられず、現在の世界地図もイマイチ把握できていないこともあって(地理はいまだに苦手)、サッパリ取っ掛かりの無いまま高校を卒業してしまいました。
勤務先で世界史の棚を担当することになり「これは勉強しなければ」と思ってもなかなか良い方法が見つからず、『テルマエ・ロマエ』や『チェーザレ』などの「世界史モノ漫画」を読んではみても、いわゆる「キャラ読み」をするだけで、どうにも時代背景と繋げられずにいました。

そんな時に発売された、本書。
「人気YouTuberが著者だ」と聞いてもピンとこなかったのですが、「はじめに」に書かれていた「1つのストーリーに基づき、世界史を解説する」という方針に、ひざを打ちました。
「それだよ!」と。
なぜ私は、日本史は得意なのに世界史はサッパリなのか。
思い当たる理由の一つに「話が飛ぶ」ことにあるだろうなと、常々思っていました。1つの単元が終わると、場所も時代もポーンと飛んでしまう世界史。せっかく覚えた固有名詞とは全く別の文化圏に飛んだり、逆にむしろ似てる名称で同じ人たちだと思ったら全く別の集団だったり、かと思えば以前に出てきた民族がしれっと登場してきたりする世界史。混乱の極みです。

そこを本書は、古代から大航海時代直前あたりまでを、地域ごとにまとめて話をしてくれているんです。日本史のように、一つの地域の流れを把握し、そこの人たちがどんな歴史を紡いだのかをブレずに追いかけることで軸ができ、次のエリアの物語になったときも、その軸とどう関わっていたかを見ながら記憶に定着させられるという仕組みになっています。

書き手は現役の先生。現在の高校世界史の教科書の内容を、非常に分かりやすく、ポイントを押さえて語ってくれています。しかも、一つの項目を見開き2ページでまとめるという神業を成し遂げていて、そこに不可分なく情報が収まっているうえに、読みやすい単語を駆使してあって「勉強」という堅苦しさを薄めていて、いやはやもう、本当に凄い書籍だなと、いま、このレビューを書くために見返していて、改めて思います。

ぜひ本屋さんで、この青い世界史の本を、手に取ってみてください。
姉妹編の日本史(オレンジ)、世界史経済編(黄色)、宗教編(紫)も絶賛発売中です。


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