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ブックレビュー『漫画 バビロン大富豪の教え』(文響社)

超定番ベストセラー商品の、漫画版。
我が家にあるのはこの漫画版のほうだからか、元の本よりもこの深緑の表紙のほうの印象が強いです。勤務先の書店で日頃から両方とも目にしてるはずなのですが。

お金についての自己啓発本です。

お金って、付き合い方が難しいですよね。
少なくとも私は常日頃「もっとお金があればな」と思っていますが、でも一方で「宝くじが当たった人は性格が変わってしまう」的な話を聞くと、そうだろうなと思いますし、でも無いと困りますし、あればあるだけ出ていくし、無ければ無いでなんとかなる気もするし、いやいや、そうは言っても老後のために「資産」は無いとダメだからやっぱり……
……などと、「お金」について考えだすと無限ループが止まりません。
不安と欲望が脳内に渦巻いて、収拾がつかなくなります。

そんな脳内の「お金への欲求」を整頓して、前向きな気持ちにしてくれる本です。
お金哲学。
人生における、お金との付き合い方の指南書。
人類の「知恵・財産」だなぁと感じました。
「お金」というよりも、「お金とともにある人生」についての「視点」を授けられるというか。お金に振り回されなくなるというか。
将来が不安でグルグルしてしまうときにコレを読めば、落ちつけると思います。現状が苦しくても、前向きに努力するチカラをもらえるというか。
まさに、自己啓発。

私はたぶん、少なくともこれまでの人生において、「お金」について悩み考えることが一般平均よりも多かったと思います。
一人暮らしなのに「好き」だけを優先して本屋のアルバイトを数年続けて低所得生活だった頃、精神的に不安定でした。お金と将来の不安で、リアルに「夜も眠れない」ことが頻繁にあったり(手取り12万で家賃月4.5万の生活とか、そりゃ無茶です)。
かと言って、所得優先で出版社の事務職に転職したら今度は「やりがい」を全く感じられなくて「一生この仕事はイヤだ」と思ってました。結婚して生活費に余裕ができたら「やっぱり、たとえ給料が低くてもやりがいを優先したい!」と、せっかくの正規雇用を辞めて書店の非正規雇用に転職してしまったり。
正規雇用と非正規雇用を行ったり来たりしているので、その都度、生活水準の感覚修整が大変でしたが「お金はあればあるだけ出て行くし、無ければ無いで何とかなる」ということも感じています。
でもそれではダメで、ちゃんとお金との付き合いかたをコントロールして、「あればあるだけ出て行く」ことを防いで、欲望の優先順位をつけつつ、老後のことを考えて行動しておかねば、と、本書を読んで改めて思っているところです。

漫画版なので、全編漫画です。途中でコラム的に文章パートが入り、現在における具体的なノウハウを解説していますが、それはほんの少しです。
時々あるような、「漫画でわかる~」とかタイトルで謳いながら各章の導入部分だけに漫画が入っているようなレベルとは段違いに、きちんと「漫画版」です。
しかも、マンガ読みの私が読んでも、しっかりと面白い作品になっています。グイグイ読ませる漫画です。病院の待合室などで読み始めたら、たぶん呼ばれても気付けないくらいに入り込んで読んでしまうレベルの作品です。

「お金、欲しいなあ」と思っている全人類にオススメです。
きっと、人生観が変わります。

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