2023/04/14

親の宗教二世問題と、多産と、文学(結局私は浅いところしか知らないけど)を語ることができる人は少ないと思うから、できるだけ日記を続けたい…というところまで書いて、つまるところ自分の満足で書いているのに違いないのでした。全ての言葉は早い遅いはあるにしろ誰かに書かれる。私は思考の補助線と補助線の記録のために書いている。

身を切るような異質さに震えながら、表面温度を下げた私の皮膚が金属の光を宿すようなそんな歌。
そして、そんなどこかを感じ取った後で振り返ったとき、この世界もまた漂わせているはずの異境の気配をうたう歌。一度限りの世界に滞在している居心地の悪さと幸福感。不安、おそろしさ。美しさ。
/二階堂奥歯『八本脚の蝶』(河出文庫、2020年)


「生存のための言葉」を探すようになり、いよいよ短歌に対して誠実さを欠いてきた。スローガンを求めていて、ひたむきではあるけれど真摯ではない。今思い浮かべている言葉の数々が透明だったり、水溜まりの油のような虹色だったり、羊羹のように光を沈め続ける暗さだったりしながら、細かい破片となって骨を関節を突き刺す。私はだんだんと動きを鈍くしていき、体を曲げてうずくまるのが難しくなり、直立か、仰向け(現時点ではどちらか分からない)の姿勢で固まる。破片はやがて結晶となって私の身体の密度を越え、石になっていく人間は意外と話すのだということを色んな人が分かる。

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