はじまりの日⑮【メイの記憶】

私たちは帰らなくてはいけない時間になってきました。

帰り道も
今までの事、思っていたことなど
話すことは尽きませんでした。

話していくと

お互いの異性に対する好みのポイントを
お互い持っていることにも気づきました。

へぇーとお互い驚いたり
ちょっと嬉しかったり。

手を繋ぎながら
駅までの道を歩きます。


ちょっと遠回りして
ナツキが出来る限り電車に一緒に乗っていてくれました。

離れるのがとても名残惜しく
一週間後に逢う約束をしているとわかっていても
それはとても切ない時間でした。

別れ際、私はそっとナツキにキスをしました。

それがわたしの精いっぱいの
表現でした。

その日はそれからどうやって帰ったのか
何を思っていたのか
あんまり記憶に残っていません。

夢のような時間を過ごしていましたが
私には
現実も待ってます。

ただ、
今日と言う日をちゃんと迎えられたことに
驚きと
喜びと

強い決心をしている自分がそこにいました。


次の日の朝
素敵な写真と共に
ナツキからメッセージが届きました。

おはようございます^_^
こちらは小雨と霧の朝です。
今日もよき出会いを。


それまで
この1ヶ月半の間、ナツキからメッセージが
やってくることがほぼ無かったので
ものすごく
詩的な文章と写真に感動していました。

それはまるで私が送っているかのようでした。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?