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再会⑨【メイの記憶】

ナツキに6年ぶりに再会し
その日から一週間ぐらい経ったある日

友人と食事に出ていました。

ふと、美味しかった珈琲の話になり
ナツキのお店で撮った写真を
見せてあげようと見返していました。

私は、出されたコーヒーやデザート
お店の風景の写真を数枚
iPhoneに保存していました。


そのとき、ナツキのお店では
全く気がついていなかった
とある写真に目を奪われました。


レアチーズケーキの乗ったお皿の端に

小さい黄色い粒が固まって見えました。

それは黄色いミモザの枝が
ワンポイントで描かれているお皿だったのです。


あった、黄色・・・・・・・・・・・


私は友人に、ツインレイがいると
気づかされたときに

本当にその人がわかるようにと
自分に設定をかけていました。


それは


『黄色』


の目印があるということ。

でも、ナツキに逢ったときは
それが見当たらず

私が決めたことだから
外れることもある。

もしくは、ナツキがそうじゃない可能性もある。

と思っていました。

でも、
そのお皿には

黄色い小さなミモザが
そっと囁くように
描かれているように見えました。


わたしは、もしナツキがそうであるなら
わたしたちがそうであるなら

わたしらしい、
ナツキらしい、
わたしたちらしい、黄色の配置の仕方だなぁって
思ってしまいました。


でも
頭の中では
本当にこれを信じていいのか
分からず


心と、頭と、感情と
ずっと様々な意見が飛び交って


結論はやっぱり
もう一度会ってみないとわからない。よね。

なんど相談し合っても
そこにしか辿り着きませんでした。

またあるときは
ふとWebでナツキのお店の様子が出ていたので
見入っていました。


ナツキはお客様と並んで
嬉しそうな笑顔でそこに立っていました。


そして、あのときはなかなか
見えなかった、見ていなかった
ナツキの手の甲が
そこには映されていました。


それはよくみたことのある甲で
わたしの手にそっくりだったのです。

ナツキとの間に、探せばどんどん共通点が
見つかることに
唖然としてしまったり
驚いてしまったり
安堵してしまったり


その内側の激動を感じながら


通常の家庭と言う場所での
母と言う立ち位置を
保ち続けるのは
正直大変な想いをしておりました。


わたしは

二度としないと思っていた
恋を

し始めてしまった。


そして

母としてではなく
妻としてではなく


メイという人間であり、女であることを
思い出してきた、時期であるかもしれません。

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