はじまりの日⑫【メイの記憶】

わたしはナツキの胸の中に飛び込みました。

そのとき、ナツキは少し動揺しているようにも
感じ取れました。

そこはあたたかくて
安心できる場所をやっと見つけたような
そんな気持ちを感じていました。

抱き合っているのに、
私しかいない、ような感覚。

ナツキはそこにいるのに
ナツキが、私自身にもなっているし
わたしが
ナツキ自身にもなっているような

何か、今までにない
普通すぎる不思議さを感じていました。

その時には
ツインレイ云々よりも

ナツキのことが好きだという
その純粋な気持ちに動かされている私がいました。
本能、といえばそうかもしれません。

そこに理屈は何もありませんでした。

私はようやく、ナツキに、この1ヶ月半の間の
ことを話せるようになりました。

ずっとずっと
ナツキにどうやって気づいてもらおうか

どう伝えていいかと
悩んできたので

ナツキとこうやって、抱き合うことができること自体
私にとっては心からの喜びでした。
本当に嬉しかったのです。


わたしはこう伝えました。


「ナツキのお店で話しているときから
本当は側に寄って話したかった」

「今は?」

「近い。。。」


小さくも広い地球の中で
そして広大な宇宙の中で
私たちはこうやって
出逢い、側にいることができる神秘的な体験を
しているんだなぁと
そのとき思っていました。

宇宙の中には
私たちしかいないような感覚になっていました。


でも、昨日までは
そっけなかったナツキが
急に態度が変化してくることに
正直、驚いていました。

今日も何も進展せずに終わるかもしれないと
実は心のどこかで思っていたのです。
一日そっけなく終わることも覚悟の上での
今日の予定でした。

でも、ナツキの私を抱きしめてくれる腕の力が
徐々に強くなり

そして、唇を重ねた時には

ものすごく喜びを感じていたのと同時に、
ナツキが私を求めていることを
感じてしまったので

昨日までの態度とは全く違うナツキがここに
存在することに驚き、

何か、塞き止められていたナツキの何かを
開けてしまったのかな、、と

逆に動揺してしまう私がそこにいました。

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