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はじまりの日⑪【メイの記憶】

ナツキがわたしに


「おかえり」


って言って、


わたしは


「ただいま」


そうつぶやいていました。

それがどうしてそうナツキが言ったのか
そのときは深く考えませんでした。


頭にそう聞こえてきたから
なんだかそう言った方がいい気がした

そんなことをナツキが言っていたようにも記憶しています。


冷静に考えると
おかしくて、不思議な発言ですが

その時の私には、ごく自然に響いてくる言葉でした。


私たちはそれから長い時間
手を繋ぎ、
ナツキ後ろから抱き寄せてくれていたので
身を任せていました。

それは当たり前のようでいて
ごく自然に密着しているようにも感じました。
永遠の時間をそのときに感じていました。

そして宇宙の采配の素晴らしさを
地球と言う乗り物で
やっと気が付けたという
不思議な感覚を体感していたような感じでした。


私たちの目の前には
イングリッシュガーデンが
豊かな緑を、美しい花を、そして小鳥の歌声を
響かせていました。

ずっとずっとそのままの体勢に
しばらくするとわたしは違和感を感じるようになってしまいました。


そっとナツキの身体から離れると

ナツキの胸の中に飛び込みました。

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