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食べて楽しむ!映画の世界

『ザ・ホワイトタイガー』よりオクラ炒め


 Netflixで配信中の『ザ・ホワイトタイガー』に出てきたオクラ炒めを作ります。本作は、インドの庶民であった主人公・バルラムが、富豪のアショクの家に仕え、這い上がっていくという究極下剋上物語。オクラ炒めは、アショクの妻が突然家を出てってしまい、アショクが落ち込んでいるところにバルラムが励ますために出す料理として登場します。庶民のバルラムにとっては身近な料理です。日本語字幕ではオクラ炒めと出るだけで、具体的な料理名がわからなかったため、まずは「オクラ炒め インド」とGoogleで検索。最もヒットした料理名はビンディマサラとサブジ。

問題発生。
……映画の主人公のバルラムが作っていたのは一体どっちだ?

そこで改めて、英語字幕付きでオクラ炒めが出てくる場面を見返しました。大皿ではなく小皿に載って出てきた料理なので、主菜というよりおかずポジションだと思われます。一瞬しか映りませんが、オクラ以外の野菜などが一緒に調理されたようには見えませんでした。英語字幕ではオクラ炒めについて「crispy」「hot」と表現していることがわかりました。さらにビンディマサラを調べたところ、炒めるというよりも煮る料理のようで、crispyとは違う触感だと思われます。次にサブジ。サブジのレシピはサイトによって様々でしたが、このサイトのレシピは、「カリカリしていてこれはこれでピリ辛で美味しいんですw」とコメントがありました。お、これはまさに映画とそっくりの表現ではありませんか。


http://www.amit-indianrecipes.com/vege/okra.html


ということで、こちらのサイトのレシピに従って、オクラのサブジをつくっていきましょう。(果して、実際バルラムが作っていたのがサブジかは謎のままですが……)
オクラを1センチくらいずつに切って、炒めるというだけの簡単なレシピでしたが、とにかくスパイスが多い。さすがスパイスの国、インド。部屋中がカレー屋のような香りになります。

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ところで、Atlas Bigのデータによれば、インドのオクラの生産量は世界一だそうです。インドの人々にとってとても身近な野菜なのですね。
https://www.atlasbig.com/ja/%E3%82%AA%E3%82%AF%E3%83%A9%E3%81%AE%E7%94%9F%E7%94%A3%E5%9B%BD#:~:text=%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%89%E3%81%AF%E4%B8%96%E7%95%8C%E3%81%A7%E6%9C%80%E5%A4%A7,%E3%81%AE%E7%94%9F%E7%94%A3%E9%87%8F%E3%81%8C%E3%81%82%E3%82%8A%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82

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さて、完成しました。コンビニに売ってるオクラスナックのような見た目ですね。

いざ実食。炒めたオクラとスパイスがサクサクしていて、噛むたびにスパイスの香りが広がります。おかずとしてではなく、おつまみとして食べてもいいかもしれません。

今回はオクラのサブジを作ってみましたが、もう一つの候補であったビンディマサラも美味しそうなのでいつか作ってみたいですね!

『ボーイズ・イン・ザ・バンド』よりラザニア


 『ボーイズ・イン・ザ・バンド』、こちらもNetflixで配信中の映画です。舞台はブロードウェイ。主人公・マイケルの友達であるエモリーが、二人の共通の友人・ハロルドの誕生日パーティーのために作った料理としてラザニアが登場します。
ラザニアの発祥の地はイタリアですが、アメリカではポピュラーな料理で、海外ドラマでも家族みんなで食べる料理や、ご近所さんに配る料理などとしてよく登場します。

https://theryugaku.jp/3157/
↑こちらのサイトによれば、アメリカで作られたイタリア料理はイタロ・アメリカーナと呼ばれ、1800年ごろからイタリア移民がアメリカの食材を取り入れながら考案したものだそうです。代表的なものとして、ラザニアやピザが挙げられます。日本のあんぱんやすき焼きが生まれたのと似たような経緯をたどった料理と言えるかもしれません。

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 今回用意したのは、カルディのラザニアキット。ラザニアの生地、ホワイトソースとミートソースが入っていて、これらをレシピ通りに重ねて、オーブンで焼きます。

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劇中でカウボーイが「ミートボールスパゲッティをぺちゃんこにしたみたい」と言ってましたが、本当にその通りの見た目ですね。

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 完成。映画に合わせて、ハロルドの誕生日パーティーをイメージして、誕生日おめでとうの飾りつけもしてみました。

 いざ実食。味もミートボールスパゲッティやミートソーススパゲティに似ていますが、ラザニアの生地の食感がもちもちしていて、食べ応えのある一品。我が家のオーブンは小さいので、二人前の小さなラザニアを作りましたが、映画に出てくるラザニアは日本の配膳前の給食か?!と思うくらい大きくて、もっとボリューミーでした。確かに美味しくて、ハロルドが「5杯でも食べられそう」というのは納得です。映画の場合、エモリーがハロルドやパーティーの参加者のために手づくりで愛情をこめ作っているでしょうから、もっと美味しはず。

『モータルコンバット』より春巻き


 今年、私がもっとも興奮してしまったド迫力・アクションムービー『モータルコンバット』。海外で大人気のアクションゲームの実写映画です。今回は本作に登場する春巻きを作ります。歳時記×食文化研究所の北野智子さんによれば、春巻きは中国の春節を祝う料理として伝わってきた料理だそうです。中国ではネギやニラなどの緑色の野菜を春に食べることで、冬の間に体内にたまった毒素を排出させ、脾臓にいいとされる黄色い食べもの=たけのこを食べる習慣があったということで、春巻きは春を迎える体に栄養を蓄えるためにあるものと考えられます。

https://news.livedoor.com/article/detail/18138703/

劇中の春巻きを食べるシーンは中国生まれの戦士キャラであるリュウ・カンとクン・ラオのルーツを感じさせる場面とも言えますね。
いざ、調理開始!と思ったら腕に何か異変が。おや、これは……

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まあ何であれ調理していきます。

まずは春巻きの中身である野菜、春雨と豚肉を切って、調味料とともに炒めます。このまま食べたい……

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それから皮をまくために、小麦粉と水でのりを作ります。春巻き作るのが初めてなので、この工程初めて知りました。なにこれ、とりもちみたい。

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春巻きの中身を適量のせて、皮で包み、のりで皮をとじます。いよいよ春巻きらしくなってきました。

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油を温めていざ、Finish them!! 

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中火で揚げます。自分のなかでいわゆる中華料理のイメージや、リュウ・カンのイメージが強いせいか、物凄い炎とともに揚げるのかと予想していたのですが、穏やかに揚げられることがわかりました。(油が跳ねるのが凄く怖い人間なのでホッとした…。)

完成しました。中華料理屋とかお店で見るような春巻きができました。せっかくなので、リュウとラオの写真も添えました。

SR_完成

いざ実食。サクサクの皮と中に詰まった野菜の触感が絶妙ですね。もともと春巻きは大好きな料理ですが、『モータルコンバット』のおかげでますます好きになりました。それから、初めて調理して改めて春巻きの材料を見ると、炭水化物と野菜と肉が一度に摂れて、凄く栄養価の高そうな料理だなと思いました。これを食べれば、モータルコンバットの戦士たちもパワーがみなぎってくるのは間違いなしですね!

おわりに

 今回は、オクラ炒め(『ザ・ホワイトタイガー』より)、ラザニア(『ボーイズ・イン・ザ・バンド』より)、春巻き(『モータルコンバット』より)の3品を作りました。料理の歴史や食材の背景を知り、実際に作ってみることで、映画の世界観を〝味わう″ことができました。今回は作りませんでしたが、私は他に映画に登場する料理で気になるものがいくつかあります。『アメリ』のクレームブリュレ、『となりのトトロ』でサツキが作ったお弁当(中身がまさかのほとんど白米)、『アイアンマン』シリーズのチーズバーガー(ファンによるとトニー・スタークが食べているのはバーガーキングのチーズバーガーだそうです)、『ヴェノム』のロブスター(これは踊り食い)……挙げたらキリがないです 笑。料理を食べながら、映画の世界やキャラの心情に思いをはせる時間をすごすと、ますます映画が好きになれますよ!

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