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ハイラル旅行日記(99日目)

空に浮かぶ城。怪異と安寧が綱引きを行なっているようにも見える。
ここにもあの小さな生き物が隠れているらしい。堀、室内とかつての姿からはかけ離れているがそれでもそこに足を踏み入れると、荘厳さ重厚さは健在だ。怪異による侵食があちらこちらに見て取れるが、その中にもあの小さな生き物が潜んでいる。

永きに及んだ地図の印を追う旅も最後の一つになった。どうやら、城の最も高い場所のようだ。上に上にと登りながら考える。

隠れているのはなぜか。何かから隠れているのか。
全地域に散らばって存在しているのに、地底には1つとしていないのはなぜか。
大概高い位置にいることが多い。高い位置にいる必要があるのはなぜか。

そもそもこの旅は、バナナの匂いがついたこの地図を手に入れたことからだった。赤いお札と共に消えた持ち主と追っ手。明らかにあの集団だろう。となると、あの集団から隠れている?もしそうなら地底にいないのもわかる。今や地底はあの集団が拠点を作り活発に活動しているから。
しかし、あの追っ手と逃げ手は、お互い同じ気配と行動だった、ということは、仲間割れ?あの集団が密かに調査していた結果を持ち出した、それにおってがかかった、と。
ではこの小さな生き物たちは何をしているのか。高い位置に行くのは、視界を遮るモノを減らすため。眩しい光を減らすためにつけたマスクは、広く空を見るためではないか。空にあるものは。龍。

龍は確か4体いたはず。が、最近3体しか見た記憶がない。いつからだろうか。違和感はあった。が、魔物は相変わらず存在し、討伐隊も繰り出されている。何も変わっていない。
そうなのだろうか。もう1体の龍はなぜいなくなってしまったのか。昨夜見た月は望月だった。が、紅に染まっていなかった。なぜ。

地図にある印を全て周り、久しぶりに馬宿で休む。旅人たちは沸き立っている。さて、世界情勢は、と。

「魔王、姫の側近なる騎士により討伐成る。」

ゼルダの伝説ティアーズオブザキングダム Fin.


街歩きがさらに楽しくなるものがあるといいな